2004.10.20

JAZZ

SONNY STITT,BUD POWELL J.J.JOHNSON (1949-50)

さてさて、マイナーアルバム第2弾(?)今回はソニー・スティットのアルバムです。実はこの人、結構不幸な星の下に生まれたのです。というのは、彼は師と仰ぐチャーリー・パーカーの3歳下になるのですが、まずはもちろん音色やフレーズが似ている、そしておまけに顔が似ている。そんなこんなで、「アナザー・バード」などといわれた彼は、パーカー自身からはとても大事にされ、初競演では「君は本当に俺のサウンドとそっくりだね」、また死の床にある彼からは「もうすぐ王国の鍵は君に渡すからな」とまで言われてしまった。でも、本人は結構悩んでいたりして、アルトをテナーに持ち替えて、彼の亜流であるというレッテルはがしに躍起になったりする。このアルバムは、もちろんパーカー生前の年に録音されたもので、まだまだ筆頭弟子として張り切っていた頃のものです。

でも、このそっくりさん悩み病というのはどこまで真剣だったかというのは不明で、たしか「バード」という映画では、パーカーに扮して出てたような気がするのですが、気のせいかな???

ただ、今回は相手が相手、そう、なんとバド・パウエル様(トリオ)がお相手なのです。やや緊張しているようにも聞こえる彼の音色ですが、「先生」とおだてられたパウエルは絶好調。縦横無尽に繰り広げられる彼のピアノプレイを聞けることでも、名盤といえるでしょう。もちろんスティットのサックス(このときはテナー)、JJ・ジョンソンのトロンボーンも熱を帯び、ビ・バップの成熟した熱気が伝わってきます。よく聞き込めば、ソロで出遅れたり、タイミングを間違えたり、結構笑えるところもあるのですが、1発テイクの魂の競演はタンタン麺などは比べられない刺激に満ちています。(なんという喩だ・・・)

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