2005.04.26

F1 & Cars & Bike

ヨーロッパラウンド開幕戦&ルノー快進撃&ニュージェネレーション

前回のバーレーン戦から3週間、F1サーカスはいよいよヨーロッパを転戦するシーズンになりました。その第一戦、正確には2005年F1第4戦サンマリノ GPは、4月24日春の曇り空のもと、イタリア北部の街ボローニャ近郊のイモラで決勝が行われました。結果は、1位にルノーのアロンソ、2位は13番グリッドから驚異の追い上げを見せたF2005を駆る皇帝シューマッハ、3位にはBARのバトンが入りました。この結果、アロンソは36ポイントで首位を独走、今シーズン不調続きだったシューマッハがフィジケラと同点4位に浮上しました。今シーズン開幕以来快進撃のルノー、そしてそれにストップをかけるのはフェラーリかマクラーレンか、あるいはホンダ・トヨタの国産勢なのか。まだまだ長いシーズンは始まったばかりです。

*かつて天才を飲み込んだ悪魔は今・・・

イモラ・サーキットといえば、かつては高速サーキットとして有名なところでした。今から11年前の1994年5月1日、その高速サーキットが一人の天才パイロットを飲み込み、世界中に衝撃と深い悲しみが走りました。セナの事故死。その後サーキットは改修され、新設されたシケインにより今では平均時速200kmほどの中速サーキットとなりましたが、バーレーンにようにもとからそのように設計されているわけではなく、このような改修されたサーキットにありがちな、大渋滞とオーバーテイクのしにくいサーキットです。皇帝シューマッハをして、10周もの間、ルノーの後塵に甘んじなければならなかったのは、アロンソの集中力とルノーのパワーだけでもなかったような気がします。

*ニュージェネレーション台頭
 
ポールポジションを取りながらリタイアしてしまったマクラーレン・メルセデスのライッコネンは25歳、3位にはいったBARホンダのバトンも25歳。そして今回の1等賞ルノーのアロンソは弱冠23歳。皇帝より10歳以上若い。アロンソは「彼(シューマッハ)が現役の間にシリーズ・チャンピオンを取ることの価値は、引退後とは比べ物にならない」とはばかることなく自己へのプレッシャーを掛け、実績を残しながら台頭してきました。もちろんその影には、今シーズン絶好調のルノー R25のポテンシャルと、そつのないチーム体制があるのですが、今回のこのレースを見る限り、彼は本当に次世代のヒーローなのかなと思いました。
一時独走状態だった彼を猛追し、50周あたりでテール・ツー・ノーズに迫ったのがシューマッハでした。この時バックミラーに写った赤いF2005は、それこそミラーからはみ出すほどに巨大化し、想像を絶するプレッシャーによりミスをするか、どこかでインをあけてしまうか・・・しかしこの日のアロンソは素晴らしかったのです。何度となく怒涛のごとく押し寄せてくる皇帝の追撃を、一瞬たりとも集中力をとぎらせることなくかわしきり、最後は自らの力でチェッカーをもぎ取ったのです。本当に手に汗握る素晴らしいレース(!)でした。ほんのワンミスで落ちてしまう栄光を、正々堂々としたブロックとその高度な走りで皇帝を打ち破ったアロンソ。これからどこまで成長するのか、楽しみなスペインの熱き血であります。

*迷路から抜けられない老舗

相変わらず、ウィリアムズBMWは精彩がありませんでした。灼熱のバーレーンと比べてエンジンに不安が少なかった今回は、ウエバーが4番グリッド、ハイドフェルドが8番グリッドからのスタートでした。しかし2台ともスタートにつまずき、気がつけば中位グループの渋滞の中、そしてオーバーテイクの難しいサーキット。ウエバーは、レース終盤にはエンジンのパワーダウンに悩まされ、ポイント圏内でフィニッシュすることはでず、またハイドフェルドも抜きにくいコースに苦戦を強いられ、チェッカーまでトヨタ車を激しく攻め立てましたが、あと一歩及ばず、9位でのゴールでした。何かが足りない。何かもやもやしている。ちょっとしたことなのか、チームマネジメントから始まって全てにわたってなのか・・・まだまだしばらくチームの苦悩は続きそうです。そういえば私の愛車も、パワステのオイルがじゃじゃ漏れで「重ステ」というよりは「固定ステ」状態で明日からドック入り。レースとは一切関係ありませんが・・・がんばれ! BMW!

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