2005.09.14

COLUMN

「中小企業は人で成る」

THE BUD POWELL TRIO (1947,1953)

朝から頭痛がするのでノーシンを一錠、案の定胃痛がしてきて今度は胃薬。メールや電話でのお客様対応に面接1件その他雑務。社員の皆さんの昼食を伸ばしてもらって、個別案件の社内会議を正午から。向かいのサンクスで買ったパンを野菜ジュースで流し込んで、午後からは某銀行さん主催の経営戦略セミナーに受講生として参加しました。

コンサルの手法と言うのは千差万別。私も自称経営コンサルですが、世にはさまざまなスキームや切り口があります。私自身は向学のための参加でしたが、受講生の皆さんは熱心な方ばかり。講習自体は初心者向けということもあり、期待した「痒いところに手の届く」ような内容ではありませんでしたが、自身の方法論の棚卸にはもってこいでした。夕方からの懇親会では、廊下でお客様と電話でやり取りしつつ中ではゼネコン話で盛り上がり、あっという間に閉会時間。そのまま某スクールで夜間の授業、こちらは講師。9時過ぎに終わって、その足で市内のお客様のシステムトラブル対応。昼間お電話いただいていましたが、こんな時間の対応となり、ご迷惑をおかけしました。しかしどうやらシステムは正常に稼動中の模様。ついでに別の案件の要件をいろいろお聞きして帰社したのは10時半を回っていました。メールチェックして、必要なものには返信。明日は昼間と夜に別々の講師があるので、その準備をして帰宅したのは夜中の12時過ぎでした。

中小企業にとって、受注量のコントロールはとても難しい。特に我々を含む製造業と言うのは、実作業は人の山崩し。手薄のときはなかなか受注がなく、忙しいときに限ってあれこれと重なってしまい、おまけにスムーズに進まないものが出てくる始末。品質管理の難しさから、協力業者さんにお願いすることもおのずと限られてきます。計画受注とか選別受注なんてカッコいい言葉はありますが、お客様からのご用命は全て等しく大切ですし、納期などのお申し出も自社の都合だけでは調整できないのが商売というものの辛さ。しかも「すけべ社長」はどんどん無計画に案件を投げ込むので、うちの部長は自分でも作業しながらのややこしい調整業務に七転八倒。本当に肉体的にも精神的にも苦労のかけっぱなしです。まあ、彼がどっしりいてくれているので、私がふらふら出歩くことが出来るのですが。車の両輪などという表現がありますが、彼がエンジンで私はただのアクセル。私はぶーぶーふかすだけで、実際は「部長エンジン」で会社が走っている。でも最近はずっと高速連続走行が続いているので、ちょっとアクセル緩めなければと反省ひとしおの今日この頃です。もちろん社員の皆さんも同様ですが、なかなか全員の体調把握まで手が回りません。皆さん、自己管理よろしくお願いしますね。

今夜はこれまで何度も登場した「パウエル派」のバド・パウエルご本人。1947年録音の「I'll remenber april」から始まる8曲に、6年後の「Embraceable You」以下8曲収録と言う、いわゆる「バド・パウエルの芸術」という邦題のアルバムです。バップ、そしてピアノトリオというフォーマットを世に知らしめた記念すべきアルバムであると同時に、JAZZピアニストの座右の教本でもあります。全曲モノラルCDというなんとも若い方には想像できない媒体から聞こえてくるのは、音源がレコードであるがゆえのスクラッチ音の中にとどめられたパウエルの「ピアノ命」の強烈なメッセージ。最新のオーディオよりも帯域の狭いラジオのような音源が視聴にはベストかもしれません。1947年といえば、最近9条問題で話題の日本国憲法が施行された年。そんな時代に彼は、決してモダンジャズのフォーマットや派閥を作ろうとたくらんでいたわけではなく、本当にピアノが好きで、自分の魂の叫び、自己表現の手段として、血と汗と涙を白黒鍵盤に託していたんだなと、つくづく思います。お勧めは15曲目の「Stella By Starlight(星影のステラ)」個人的に最も美しいJAZZスタンダードだと思っている曲ですが、彼の演奏は2分と言う短いリズムレス。音が美しいのではなく、彼の純粋な情熱、ひたむきな想いに、そして破滅型と呼ばれた彼の人生のある瞬間の記録としてのはかなさ、美しさを感じます。一山超えなければと思っておられるJAZZファンもしくは、パラパラピアノの自称JAZZピアニストの方に。女性にはきついかも・・・

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