2005.11.10

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「今さらですが、学習する組織を10人前!」

BYRD BLOWS ON BEACON HILL by Donald Byrd (1956)

今日は、朝一からお客様のところへ直行。受注システムの不具合検証ですが、送り側のサーバ構築が弊社ではないため、如何ともしがたい状況です。特殊解を探るとそこに行き当たるのですが・・・その後も数社のお客様を訪問。今日は本当にトラブル山積の一日でした。「テクマクマヤコン!」とか叫びながら、棒っ切れを振り回せば、一気に問題解決すればいいのですが、そうはいきませんよね。言い訳はいくらでも思いつきますが、それが仕事ではないのでこれは時間の無駄。ひとつひとつ、こつこつとつぶしてゆくしかない。帰社すると、社内では自主的なミーティングが行われていました。研修会もやるそうで、皆のやる気が伝わってきます。社長もがんばらねば・・・夕方も、新規案件に関する客先打ち合わせと講習会の実施。講習会のほうは、6月スタートの最終日でした。みなさん本当にお疲れ様でした。個人的な質疑応答にお答えしていて、終わったのは10時前になりました。

今日は、「組織上の失敗要因」として、一個飛ばしてその3「学習を軽視した組織」です。およそ日本軍には、失敗の蓄積・伝播を組織的に行うリーダーシップもシステムも欠如していたという結論です。ガダルカナルでは、正面からの一斉突撃を幾度となく繰り返し、最終的には奪回を断念したり、もちろん真珠湾作戦が意味する制空権思想は、ついに主戦略とはなりえませんでした。「清く正しく美しい儒教思想」は、シンプルでわかりやすい反面、シングルループでしかなく、刻々と変化する状況の中で、以前書いたような過去の研究や学習から想定すべきさまざまなオプションを持ち得なかった。これは、もしかすると進学を基本目標とする現代の教育システムにも、そのまま当てはまるのかもしれません。学力低下とは、暗記した知識の量ではなく、目の前に現れた状況を情報に換え、最終的に知識にしてゆく力の低下だとすると、当時も60年後の今も、私たちはなんら進化していないということになります。

さて、うちの会社は今、標準化に向けてさまざまな取り組みをしています。これは会社の戦略のひとつとして、一定以上の品質、相対的に低いコストと短い納期を恒常的に生み出すために、ぜひとも全員が共有すべきもので、かつ時の試練を受けて適時修正を加えてゆかなければなりませんが、こと戦術レベルになると、たとえばさまざまなトラブルに直面したときに、いかに多くの集積された経験や情報から最適解を見つけ出すかというような個人の支援システム、あるいは組織としての学習・共有システムが必要であると思います。そのためには、私たち管理職が大きな方針を定義し、皆の意見を集約して常に修正を加え、また個人個人は組織としての学習レベルの機会を与えてボトムアップと、全ての社員の個人能力の飛躍的な向上を図らなければなりません。まだまだ、日常の専門業に相殺されてはいますが、一方でそれを実践してゆかねば。今日の天気はトラブル連続の土砂降り。しかしその中で、悪い視界の向こうの明日が、ほんの少し見えたような気がします。

今日は、ドナルド・バードの2枚目のご紹介です。このアルバムは昨日の「OFF TO」とは異なる彼のワンホーンアルバム。実は順序から言うと逆になっていて、昨日のアルバムよりも2年ほど前に録音されたものです。つまり、単に私が順序を間違えてCDラックに入れてしまっていたということです。メッセンジャーズからそろそろ独立しようという弱冠23歳の彼の唯一残したワンホーン・アルバム。ブラウニーの再来と言われた彼の、トランペットを聞くには最高のアルバムです。

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