2005.11.16

Books

「プロセスか結果か、褒めたり叱ったり」

FUEGO by Donald Byrd (1959)

今日は水曜日。風邪っぴきも急速に回復基調です。午前中に来社のお客様1件。昼は一緒に仕事をしている会社の切れ者社長とパワーランチ。末永くよきパートナーでお願いいたします。午後も引き続きのデスクワーク。今日はパソコンとのにらめっこが延々続きました。夜にはWebデザイナー講座。今日からオーサリング講座が始まりましたが、私がテキストを無視して講座を進めることを事前に熟知し、持ってきていない受講生も。いやいや、サプライズがあるかもしれませんよ?まだ、風邪が完治してなくて、聞きとりにくい声で大変失礼しました。

今日の(長い)一言は、例の「失敗の本質」から、最後の御題となります「プロセスや動機を重視した評価」のお話をします。日本軍、特に陸軍の人事評価は、結果よりもプロセスややる気を重視したものであり、もちろん指揮官は作戦失敗の責任を問われるものの、それは転籍というあいまいな処遇で終わらせていた。一方のアメリカ軍、中でも海軍はニミッツ元帥の考案した、一定の経歴者の中から多数決で選ぶという、いかにもアメリカ的なやり方だった。ということで、表題で謳っているほど結果重視ということではありません。ただ、現代のさまざまな評価基準を見ると確かにアメリカの結果主義は現代でも色濃く残っており、またお隣北朝鮮では、スポーツ選手でも成績を残せなかったものには厳しい処遇が待っている、いわゆる結果に対する信賞必罰が厳しく行われているようです。

「結果」のみを追い求めた経営者や管理者が、どうしても短期的視点に立つようになり、その結果、長期的な戦略的思考をしなくなり、学習や成長など時間のかかるものを避けるようになるということは、80年代を通して盛んに議論されました。評価自体の公正さは、スタンダードさえきちんと共有されていれば避けられることです。問題はそのスタンダードが「結果重視」か「プロセス重視」かということだと思います。

「プロセス」と「結果」のあるべき関係とは、いい「結果」、つまり予定予測を大きく上回る結果を残した素晴らしい「プロセス」ということになるでしょう。どんなにいいプロセスであっても結果が惨敗では、あるべき姿とはいえませんし、偶然の積み重ねによって手に入れた素晴らしい結果に対し、諸手をあげて褒め称えるのもどうかと思います。やはり、困難とも思える高い目標を掲げ、その目標に向けてきちんと方針(戦略・戦術)をたて、誠実さと実行力によって日々瞬間瞬間を積み重ね、予期し得ない突発的な事態にも臨機応変に対応して、当初の目標をも上回ること、そのことに対し最高の賛辞を贈るべきなのでしょうねぇ。温情を排し、科学的に人を評価することに異議はありますが、客観性とはそういうものかもしれません。世の不思議な出来事を客観的に指し示すことが「科学」なのですから。もうすぐうちも、初めての人事考課です。

今夜のアルバム、実は順序がまたまた間違っていました。1959年録音の「FUEGO」、ファンキーです。このアルバムのサックスはジャッキー・マクリーン。ブレイキーばりのばんばんドラムは、若きレックス・ハンフリーズ。同時代のフリーモードやクールとは異なり、20数年前のバップ魂が時代を超えて燃え続けてるなと感じます。ファンキー・ハッピー・ジャズの世界へようこそ!アメリカはまもなく、未踏の17度線のジャングルへと足を踏み入れる、そんな時代でした。

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