2005.12.26

COLUMN

「電話応対から量子力学まで」

THE TRIO Vol.2 by Hampton Hawes (1955-56)

いよいよ今年最後の1週間が始まりました。今年最後の社内清掃に今年最後の朝礼、今年最後の運営会議。ところが私自身は、疲れのせいなのか扁桃腺を腫らしてしまい、食事をするのも一苦労の状態。で、今日は言葉少なくと思っていたのですが、社員それぞれの「感謝」に関する発表を聞いていて、ついつい感動のあまりべらべらと・・・男のおしゃべりはだめですよねー! 午後から制作のチーフと高速を車で移動してお客様を訪問。ところがうっかりインターを通り過ぎてしまい、次で降りてまた乗って。時間とお金の両方を無駄使いしてしまいました。お客様には、ご多忙の折、またお疲れのところありがとうございました。制作物できちんとお応えしたいと思っております。戻って今度はJRで県外出張。午後8時に帰社。まあ、月曜日らしいといえば月曜日らしい、ばたばたとした一日でした。

今日、某NTTさんから電話があり、要件は例の割引サービスの勧誘だったのですが、どこかの企業さんと同じく、「勧誘」とか「ご紹介」などという言葉は一切使わない。
「以前書類をお送りしておりましたが、ごらんいただけましたか?」
(言葉使いは丁寧である、合格!)
「いや、記憶にないので、再度送っていただけますか?」
(訳のわからない会社よりはNTTと契約したほうがいいか・・と、ちょっと乗り気)
「では、早速お送りします」(言ったとたんにガッシャーン)
「お前から切るなー!!!」「ツーツーツー」
今日お電話いただいた営業の方、お名前をうかがっていませんでしたが、絶対に契約しませんからー。(笑)私たちも気をつけましょうねぇ!

さて週明け、山形での列車脱線事故やらセブン&アイの経営統合の話題やら、年末とはいえいろいろなニュースが飛び込んできましたが、面白かったのはライブドア株主総会の話題「堀江社長が涙ながらに配当請求棄却」というもの。企業が利益を上げている以上、株主への配当は株式会社としてはあたりまえのことで、こんな質問も「想定外」だったのでしょうか? それとも想定内の嘘泣き? 資本主義のベースを忘れては、ただのマネーゲームと揶揄されても仕方ありませんなぁ。本当に世の中、株価だけで動いている感を強くします。(ちなみに今日は1万6千円台を回復!)まあその象徴が、M&Aを繰り返すことによって株価による資産総額だけが企業実態と大きく乖離し、「簡単にお金だけでメディアを買えるかも?」という幻想に走らせるのでしょうか。個人的には「ホリエモン」はファンですが・・・で、私が最も興味を持ったのは、某経済新聞の21面の隅っこの小さな記事「若い銀河包む「暗黒物質」」という話題。国立天台台などの研究チームが、若い銀河が暗黒物質に包まれている証拠を発見したというものです。

「若い銀河?」「暗黒物質?」と皆さんお思いになることでしょうねぇ。簡単に説明しますと、私たちの地球が浮かんでいるこの宇宙は、今から150億年ほど(!)前に、「ビッグバン」といわれる大爆発から生成され、無に近い大きさから現在も膨張を続けているのです。(金融ビッグバンもここからきてる)一方、宇宙間の距離が「光年」という光が1年かかって進む距離で測られるのはご存知の通り。ここで言う光は皆さんの回りにある光と同じですから、「あれが50億光年のかなたの星だよ!」というのは、今見ているその光は実は50億年前にその星を出発したということになるのです。ということで現在観測可能な最も遠い星、つまりは最も古い時代の光は120億光年くらいらしく、それらの星たちは年齢30億歳、つまり星の年齢から言うと「若い」ということになるのです。ちなみに私たちの太陽の年齢も50億年くらいだそうです。

もうひとつの「暗黒物質」ですが、これがまたとんでもない話なのです。たとえば私たちの太陽系には太陽を中心に12個の惑星と小惑星やら彗星やら人工衛星の残骸やら(笑)が漂っている。でも、それぞれの間というのはとても離れていて、たとえば太陽と地球は光が届くのに8分もかかります。つまり宇宙というのは、ほとんどなにもないからっぽな空間だということです。でも世の中にはすごい人がいて、全宇宙に存在するこの可視物質の総量を算定したそうです。すると、本来あるべき量には全然足りない。じゃあ残りはどこに?ということで想定されたのが目にも見えず光も出さない「暗黒物質」またの名を「ダーク・マター」と呼ばれるもので、中性子とも反物質ともエネルギーそのものとも言われています。で、広大な宇宙空間という空き地には、この暗黒物質がばら撒かれているらしいのです。

暗黒物質はブラックホールにエネルギーを供給しているという話がありますが、ブラックホールが銀河生成の秘密とも言われており、今回の話題はその流れの中のひとつの発見なのです。また、ビッグバン以降、一方的に拡散しているこの宇宙は、このダークマターの量如何で、いつか拡大が停止し逆に今度は収縮に向かうといわれています。そうなると、いつかはこの広大な宇宙が、もとの無の状態に収斂してしまうということなのです。(怖いよー)いずれにしても、私たちの時代では起こりえない話でありますが、(ふー)こんなことを考えていると、日ごろの雑事のわずらわしさも忘れることが出来ます。(私だけ?)お正月、特に予定のない方は、一度こんな話題の本を読まれてみてはいかがでしょうか?あーずいぶんと永くなってしまいました。ここまでお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございます。

今夜もハンプトン・ホーズです。前回のVol.1に続くVol.2。実は買ったのはこっちのほうが先でした。私の大好きな曲に「星影のステラ(Stella By Starlight)」という曲があります。タイトなピアノトリオをあさっていた私が見つけたのが、その曲が入っていてジャケットがカッコいいこのアルバムでした。3流の怪奇映画のテーマ曲らしいのですが、ちょっとかわいくちょっと切ないメロディのこの曲の入ったアルバムを物色していた時代もありました。あれから幾久しく、やっぱり今でもお気に入りのメロディです。相変わらずの正統派ピアノトリオをお聞きになりたい方に。

the_trio02.jpg

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