2005.12.31

COLUMN

「年越準備・・・祀り事など」



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大晦日です。TVで、N響による第九を聞きながら、これを書いています。新しい年を迎える準備もようやく整いました。うちの実家は、祀り物も沢山あってなかなか大変です。まずはどこのおうちでもある玄関のしめ縄。もちろん勝手口にも祀ります。そして床の間には鏡餅、天照大御神です。これで計3つ。が、まだまだです。まず天照皇大神と並べて、歳徳神(としとくじん)を祀ります。

歳徳神とは大変な美貌の持ち主といわれ、忍辱と慈悲を持ち合わせている女性神だそうです。正月が近づくと山から里へ降りてきて、里人たちに福を授け一定の期間を屋敷で過した後に再び山へ帰っていくと信じられていました。一年の福徳を司り、福を招き災難を避けます。吉神である歳徳神が廻った方位を恵方といい、地方によってはこの方角に向かって節分に寿司を食べると、一年を健康に過ごせるという言われもあるようです。以前は天井につけていましたが、いまは祭壇に並べて祀っています。



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さて隣の和室には神棚が祀ってあります。氏神様がふたつ、地元一帯を守る八幡神社と大山祇神社。大山祇神社は、瀬戸内海に浮かぶ大三島にある大山祇神社(大三島神社)が、全国山祇神社の総本社です。大山祇神とは「おおいなる、やまにすむ神」ということで、山の守り神なのです。


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そして、台所にも神棚が二つ。「恵比寿さん」と「荒神さん」が祀られています。なぜ七福神の中のなぜ恵比寿さんなのかは不明なのですが、どうやら恵比寿さんだけが日本古来の神様で、その他はインドや中国の神々であるということとも関係あるのかもしれません。また、七福神も室町時代にはまだ、「恵比寿さん、大黒さん」のペアだけで、そういえば前の家にはこの二人の面が飾られていました。一方の「荒神さん」ですが、三宝荒神(さんぽうこうじん)ともいわれている台所の神様です。なぜか角物を嫌うということで、三方ではなくまるい器で祀り物をします。


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そして局所的ではありますが、水道に祀るのが「水神さん」、もちろんその名の通り、水の神様です。以前祖父の時代には、「雪隠の神さま」といって、便所にもしめ縄を祀っていましたが、今はこれはやっていません。「雪隠の神様」は女の神様で気が短く、とても怖いそうです。姿を見られるととても怒るそうなので、便所に入る前には必ず咳払いをしなければいけないということです。今は、時々母が南天を飾っています。

さてこうしてしめ縄2箇所、祭壇2箇所、神棚4箇所、その他1箇所、そしてご先祖様の仏壇に、それぞれ鏡餅にお神酒に炊き立てのご飯、そしてお光をお祀りして、ようやく今年の御用納めとなります。家族そろって「暮れの御祝儀おめでとうございます。」と挨拶をして、今年最後の夕食をいただきます。こうして、ようやく我が家の1年の行事が全て終わります。さてさて、皆様方も、どうかよいお年をお迎えください。

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