2006.05.15

COLUMN

「気づきの家(や)、学びの家(や)、援け合いの家(や)」

Round About Midnight (1955,56)

新しい一週間が始まりました。いつも通りの、社内清掃・朝礼・運営会議。今日の朝礼の御題は「プロフェッショナル」。今日も社員さんの貴重な話を聞かせていただきました。その後は、書類作成やら調整業務やら。午後からお客さまを訪問。帰社してお客様来社。信頼にお応えするソリューションを提供させていただく所存です。夜は中小企業家同友会の5月例会があり、設営責任者の一人であり司会でもあるということで早めに退社しました。

今回の例会は、プロセスはあれど結論というか最終の方向性が見出せないまま、時間切れで本番に突入。(三役の皆さん、すいませんでした・・・)現場でも右に左にと、さまざまな意見が出ましたが、2部構成の大きな流れを壊さないことだけに集中して、アドリブ100%で何とか無事、閉会にまでこぎつけることが出来ました。こんないい加減な司会者でも、何とか会としてまとまるのは、やはりこの組織が素晴らしい経営者や経営に携わっておられる方の集いであること、また会の模様を拝見していても、素晴らしい諸先輩の方々が、影に日向に盛り上げ導いて下さっている、本当にそのおかげだなと、美味しい料理をいただきながら、反省するやら感謝するやら。そして、当初の予定を大幅に上回る出席をいただいたのは、新支部長のお人柄、また本日の講師をお願いした(これまた特に日頃より大変大変大変お世話になっている)某電機会社社長様の人望だなと、感心するやらうらやましいやら。社長様、無理なお願いの中、貴重で有意義なお話、ありがとうございました。そして動員活動をされたグループ長・副グループ長の皆さん、本当にお疲れ様でした。個人的には、諸先輩に学ぶことの多い、本当に実のある会を体験させていただきました。

今日は前半、とってもとってもまじめな話になりましたので、ちょっと展開が難しいのですが・・・いや、やりますよー。いいですか、全国の、いや全世界のJAZZファンの皆様(計5名ほどですが・・・)、お待たせいたしましたー。マイルスよもやま話、今夜の14話は順序が混乱してしまった「Round About Midnight」です。

このアルバム、マイルス様のCBSデビュー作です。いよいよ帝王君臨です。きます、やります、やらせます。そして55年から56年にかけての自らのバンド結成から第一次成熟までの混沌の時期に録音されながら、奇跡的はハイレベルのアルバムとなっています。それはやはり、CBSという看板のなせる業なのでしょうか? いえ、光速で成長し進化し成熟する「帝王物語」ならではかも知れません。とにかく緊張感が、例のPrestige別れの5部作とは全く違っているのです。

1曲目、タイトル曲「Round About Midnight」。まだまだマイルスのアルバムも数えるほどしかなかった頃、このアルバムを手に入れ、よく聞いたのが真夏でした。昼間の喧騒、お祭り騒ぎがようやく静まる真夜中。でも、蒸し暑い真夜中。思い出したように胸を締め付ける恋心。そんな心を、「闇の中に解き放て! 」と、マイルスの切ないミュートに背中を押されます。戸惑い、彷徨い。そしてれいの「アレ」がくる。そうです、ギル・エバンスのアレンジと言われる「アレ」です。コルトレーンのこれまた奇跡的な憂い溢れるテナーソロに入る前のブリッジ、「ダッダッダ〜ンダッダ、ダッツダ〜ダ、ダアアア〜ン」のことです。と言っても聴いたことがない方には、何のことかさっぱりですよね!?というか、これを読んでるあなた、すぐ買いなさい、聴きなさい。私、悪い事言わないあるね。インデアン、嘘つかないあるよ。

で、もちろんモンクのオリジナルには「アレ」はありません。54年録音の「MILES DAVIS AND THE MODERN JAZZ GIANTS」にも入っていません。なのでそれらは、なんと言いますか、実に寂しい、木枯らし吹きすさぶ「Round About・・・」になっています。以降のマイルスの演奏には、すべてこの「アレ」が入っています。このころから、帝王さまのギルへの信頼感はピークに達し、その後のさまざまなコラボレーションにと発展してゆきます。そして、以前のブログでご紹介したとおり、変化を続けたマイルスにとって、ギルは欠くべからざる存在だったのです。

ジャッケット、相当いけてます。さすがCBSです。これと比べてみてください。たった1年後ですよ、いいですか・・・これだけでもう腰の力が抜けてしまいます。帝王様もピストル音の直前の100mランナーのように、構えてます。獲物を狙う黒豹のようです。かっくいーのです。

2曲目の「Ah-Leu-Cha」、例の55年時点での抜け駆け録音です。トレーン、相当下手のはずですががんばってます。おそらくマイルス様からもそうとう厳しいお達しが事前にあったはず。「ちゃんとやんないと、ビールおあずけだかんな! 」とか・・・ちょっとアップテンポも幸いして、破綻なき演奏に終始しています。3曲目「All Of You」は、1曲目と同じく56年9月の録音。よってもう鉄壁のリズム隊、完璧なミュート、奇跡のテナーの3つぞろいです。4曲目の「Bye Bye Blackbird」、マイルスのミュートが歌います。ガーランドのブロックも弱音ながら完璧タイトで、「もう、カクテル・ピアノなんて言わさんけー」的職人芸。コルトレーンも「シーツ・オブ・サウンズ」の片鱗を垣間見せるような「奇跡的」流れるテナー。6曲目はナカヤマさん大好物の「Dear Old Stockholm」。チェンバースのベースの濃ーい、霧に包まれた「視界ゼロ」みたいな「Misty」な独特の演奏は、マイルスバンドならではの名演になっています。

時代は「ハード・バップ」全盛。でも、このアルバムは「ハードバップ」とかどうとかというカテゴライズなどせせら笑うように、「マイルス・ミュージック」として、孤高に存在しています。こうしてCBSに移籍したと同時に、この後30数年間にわたるカテゴリどころか「JAZZ」自体を超えてゆく「マイルス」という名の音楽が、まさに始まっちゃったわけであります。で、もう一回言わせてください。「今すぐ買いなさい! 今夜にでも聴きなさい!」・・・いやいや、失礼しました。

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ここで視聴できますよ!

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