2006.05.29

COLUMN

「知恵と勇気と力の子」(前にもやったか・・・)

AT NEWPORT 1958 (1958)

新しい一週間が始まりました。(んーやっぱり週明けは月曜が正しい!?)5月も今週で終わりですねぇ、本当に「光陰、矢の如し」。あと1ヶ月もすれば、一年の半分が終わるんですもんねぇ〜。知ってました? (知ってますよねぇ〜)午前中は朝礼に運営会議に来客1件。先週末に右の耳から、正確には外耳から出血し、夕べは痛みで枕も当てられない状態だったので、いそいそと近所のおなじみの耳鼻科へ。結果はちょっと外耳が痛んでいただけで、ばい菌が入ってる様子もない。塗り薬をもらってその足でお客様を訪問。あっと、伝染性はありませんからー。帰社してからも出たり入ったり。夜は延期になっていた先週分の営業会議。そんなこんなで、やっぱりのあっという間の週明け一日目でした。ただし、今週は予定を詰め込んでいないので、じっくり仕事ができそうです。あっ、昼ごはん、食べてなかった・・・トホホです。

今日の朝礼の御題の「知識」と「知恵」。英語で言うと、「knowledge」と「wisdom」って感じでしょうか? つまりは「知っていること」と「賢明であること」!? 知識は知っていることでナンボですが、知恵は賢く使ってナンボってことですね。でも、知識よりも知恵の方が偉いとは言い切れません。私たちの仕事には知識もいろいろと必要ですし、またいくら知識が豊富でも、知恵があるとは言えません。というのも、知恵には何がしの行動がつき物。ですから、そもそもは異なった価値体系の中で計るべきものなのでしょうねぇ。

ところで俗に言う「頭がいい」とは、知識が詰め込まれた状態ではなく、知恵を使えることだといわれます。これは知能指数とも学生時代の学業成績とも違うものです。そしてまた、知恵はすでにそこにあるものだけではなく、新しく生み出してゆくものでもあります。そういう意味からは、今日、誰かが言っていましたが、クリエイティブな仕事と言うのは「知恵」の具現化かもしれません。もちろん、社員さんには両方とも、高いレベルのものを求めています。何故かって? 役割分担です。ハイ。つまり私にはないからです・・・そこんとこ、よろしくです。

今夜は久々、マイルス20夜。第2期マイルスバンドのニューポート・ジャスフェスティバルでのライブ録音です。1曲目は「Introduction By Willis Connover」。曲ではありません、この伯母さんではなくコノーバーさんって人によるバンドメンバーの紹介です。どこのおっさんかは知りません。よく聞いてると、トレーンよりもエバンスよりもアダレイが人気が高かったことがわかります。拍手の大きさが違います。でもぶっちぎりはマイルス御大ですが・・・

2曲目、1曲目の音速の「Ah-Leu-Cha」、いきなりマイルス絶好調です。続くトレーンも、拍手の大きさに憤慨したか、派手に吹き飛ばします。そして何よりもジミー・コブのドラムです。うるさいです。以前の「1958 Miles」では影の薄ーかったコブ。ちょっと録音のバランスも悪く、ボカスカドタガタ。そのわりに、チェンバースは隣の浴室で演奏してるような弱弱しい音。ただ、よくよく聴くと、このコブのドラムス、誰かに似ているのです。そう、60年代のマイルスバンドの音、トニー・ウィリアムスに似てるのです。いわゆるJAZZ太鼓の「すましてブラッシュ」ではなく、血の出るような叩きまくりです。トランペットというのは太鼓で決まるとか。明らかに同年代の他のJAZZらしき音とは異なるものを、マイルスが求めていた結果ではないでしょうか? それにしてもうるさい・・・夜中に大音量では聴けません。

そして「チェンバース、どこにいるの?」状態とともに問題なのは、「もしもし、君はエバンス?」状態です。正直、エバンスでなくても言い、いやガーランドでももっとブロックがんがん弾いたはず。確かにピアノの音はしてるのですが・・・ちっちゃく、チャンチャンって・・・

実はこの頃になると、マイルスバンドは内部的には不協和音がくすぶり始めてます。肌の色の問題だけでなく、ツアーを道場と位置づけるマイルスについてゆけないツアー嫌いのエバンス。モードの波に乗り切れず、実際このアルバムでもちょっと異質感のぬぐえない、「やっぱ、おいらはファンキーしたい」とだだこねアダレイ。そして、一人前になったと思ったら、自分のバンドを持ちたがってるおとぼけトレーン。つまり、このバンドには4人のリーダーがいたことになるのです。(実際、3人ともこの後間もなく自らのバンドを持ちます)いやはや、わがままな子分を持った親分は大変です。でも、そうやって自己の音楽を確立するほどの逸材が在籍し、また彼らが巣立ってゆくことで、バンド自体が進化を遂げてゆく。これがマイルスバンドの長き歴史あるいは伝統となってゆくのです。

このアルバムは、トニー彷彿のコブのぼこすかドラムを軸に、ライブとは思えないほど完成されたマイルスと吹きまくりトレーンを楽しむもの。間違っても、「エバンスさまの入っている・・・」などと思って聴かないように・・・ジャケットのマイルスなんぞ、観光客気分で手にカメラなんぞ持ってまして・・・えーっと、そのサングラス、エル○スですか?

newport1958.jpg

ここで視聴できますよ!

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