2006.06.07

COLUMN

「気配り、目配り、心配り」

Sketches Of Spain (1959,1960)

今日は一日、県外出張でした。長時間にわたり綿密なる打ち合わせ、略して「密談」、ん? 違うなぁ〜。とにかく、ありがとうございました。帰社したのは9時を回っておりました。

今日はJRとタクシーを乗り継いでの訪問だったのですが、行きのタクシーの中で思ったことを・・・。

タクシーの運転手さんには2種類の方がいらっしゃいます。「乱暴な運転の人とそうでない人」「おしゃべりな人と寡黙な人」「裏道に詳しい人とそうでない人」・・・いえいえ、そういうことは私にとっては大同小異なのです。私にとっての2種類とは、運転中アクセルを小刻みに踏んだり放したりする人と、そうでない人」なのです。皆さん、乗り合わせたことありませんか? 車間距離を調節するために、加速減速を繰り返すタクシーに。私、苦手なのです。酔いそうになるのです。今日も軽〜い車酔い状態での顧客訪問でした。

私自身は車やレーシング・カートでコーナーを攻めるのが好きな人間でしたから、「横G」でしたらなんともないと言うか、むしろ快感なのです。TDLのスペース・マウンテンは6回連続で乗りました。でも上下動と前後動(?)はからっきしだめ。遊園地のたこ入道とか、バイキングだと一発で酔ってしまいます。珍しい体質かもしれませんが、そういう人種なのです。ですが恐らく、そういう運転をする運転手の方は、私のような人種がいることってご存じないのでは?

で、人とのコンタクト上大事なことは、特に相手のことをあまり知らない段階では、相手のことによく気を配り、目配りしいやな思いをさせないよう、むしろ心地よい環境を作ったうえで、コミュニケートすること、つまり心配りですね。私のようなとんでもない体質の人間は少ないと思いますし、そこまで気がつくことは難しいと思いますが、やはり人との関係は、まずは「気配り、目配り、心配り」からですよね。身だしなみも大事です。それもただの「お洒落」ではなく、「心地よさ」を配りしましょう。愛煙家の方も要注意。打ち合わせの前にはガムをかんだり、緑茶を飲んだり・・・えー私の場合ですか、まずは鏡の前で笑顔の練習からですかねぇ・・・いやはや、トホホです。

さて今日も気を取り直してマイルス、行きます。24夜の今日は「Sketches Of Spain」。昨日に引き続き、ギルとのコラボレーションで、今夜のはいわゆる「ゲージュツ」を志した作品。なんたって「アランフェス協奏曲」ですから。でも、なんでアランフェスなんだか、正直私にはわかりません。クラシック・コンプレックスなのでしょうか? ブラックでもここまでやるんだ協奏曲なのでしょうか? 大概の方が、このアルバムを褒め称えます。曰く「マイルス〜ギルの最高傑作」、曰く「マイルス、感動の一枚」云々・・・でもですねぇ、ちゃんとアレンジされて、ちゃんと演奏すればアランフェスって大概、感動っぽいものが出来はしませんか? 4曲目の突然のマーチング・バンドの登場、これってマーラーのシンフォニーの形だけの引用ではないのですか? えっ、ギル君、正直に白状しなさい。どうも、そんな作為的なものを感じてしまって、一般的なカンドーが得られない。ビッグバンドでの録音、それはそれは大変だったと思います。なにせ一発テイクの時代なのですから。そういうことでカンドーを押し付けてはいませんでしょうか、エバンスさん、リーバーソンさん!?しつこいようですが、私はビッグものを受け付けない体質なのですー。

確かにソロは、マイルスでなければ出来ない、それはそれはすんばらしい演奏です。そりゃそうです、マイルスさま本人が演奏してるわけですから。でも腹黒い私がピュアに聞けるのは、むしろ昨夜ご紹介した「Ahead」の方なのでしゅ。マイルスとギルの二人の息が録音を重ねるごとにぴたりと合わさり始め、破綻と言うか違和感が全くなくなったことも、逆に私なんぞには「違和感」に感じるのかもしれません。だからごめんなさい、マイルスさま、「Sketch Of・・・」が聞きたくなった夜には、マーラーの6番でもかけてしまいます。だって私が一番好きなあなたのお姿を拝見するには、もう15年ほどかかるのですから・・・なんてことを言ってる間に、時代は60年代に突入してきました。ビル・エバンス、アダレイが去り、コルトレーンもマイルスの元を巣立とうとしています。そんな危機的状況を乗り越え、いよいよマイルスの「黄金の60年代」がまもなく始まることになります。えっ、このアルバムのお勧めですか? そうですね〜、マイルスを聞いてみたいクラシック・ファンの方にお勧めしておきましょうか・・・いえいえ決して駄作ではないですよ、くれぐれも誤解のないように・・・。

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ここで視聴できますよ!

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