2006.07.07

COLUMN

「黒船来る! 米国流に騙されるな!」

FOUR & MORE (1964)

週末が、あちらこちらにやってまいりました。午前中事務仕事をこなして、午後からお得意様訪問2件。今日はどちらもサポートでしたが、どちらも問題なくうまくいきました。帰社して営業さんと部長を交えての「営業戦略セッション」。前期の活動結果と実績を踏まえ、今期の活動方針を策定するための、まあ頭の整理、情報整理といったところでしょうか? ブレーンストーミングで列挙した数十の要件を、来週にはまとめて戦略戦術アクションプランに落とし込みます。さあ、新年度が始まります。えっ、もう始まってた??? いやはや、トホホですなぁ〜。

若かりし頃(いつじゃー)、私は「不言実行」という言葉が好きでした。ですから「ワタナベ」にも共感したのですが、最近ではポジティブ・シンキングとか申しまして、まずはぶち上げといて、それで自分を縛ったり、自分の背中をどんどん押すことで夢を実現するという手法も取り入れてみたりしたもので、実際「何がなんだかわからない状態」に陥っています。「男は黙って」とか「背中を見て」とか「阿吽の呼吸」なんて言葉が好きだったのですが、「こーちんぐ」によると社長たるもの部下である社員に対して、「ねえ君、君の意見を聞かせてくれないかなぁ〜へぇ〜なるほどねぇ〜」と平身低頭問いかけるべきだと・・・。でも、そもそも「こーちんぐ」なるものも、米国流の合理主義やら経済至上主義やらの行き過ぎの反動から生まれたものではないのですか? もしそうなら、アメリカ製のトースターを買ってきて日本で使うようなもの。パンの大きさも厚さも違うし、そもそも電圧、違いまんねん・・・。あくまでひとつの方法論として取り組むべきなのでしょうねぇ〜。いずれにしても、「理屈」では「人」は動いても、「心」は動きませんからねぇ〜。

さて今夜は、久々マイルスまいるすー(トホホ)。前回の片割れ「FORE & MORE」です。当時のライブ・マイルスの基準から言えば、前回の「My Funny Valentine」はむしろ例外的で、今日のアルバム収録の方が正統派なのです。1曲目、きました出ましたの「So What」、マイルスいきなし飛ばしまくります、吹きまくります、ハイトーン16部音符のオンパレード。もちろんトニー、しばきまくります、太鼓壊れます。(いや、壊れはしませんが・・・)ジョージもハービーもがんばってます。疾風のごとき「So What」です。そして怒涛の2連発、お次はこれもお馴染み「Walkin'」。まるで33回転のLPを45回転で聞いてるような快速球。(って、若い人にはわかんないかなぁ〜)これもマイルス絶好調でハイノートを飛ばしまくります。特にこの曲でのマイルスとトニーの掛け合いは、単なるイケイケライブとは異なる、激しさの中にも知性を感じさせる、背筋が寒くなるような名演。まるで誰かさんみたい・・・。ごほん。で、でもですねぇ、トニーってこのとき18歳かそこらですよ・・・未成年ですよ・・・ええんですか? ええんですよねぇ〜。だって、まんまオールマンに参加したって問題なしですよ、このばちさばき。

以降、「Joshua 〜 Go Go」「Four」「Seven Steps To Heaven」「There In No Greater Love 〜 Go Go」と、快調に続きます。ちなみに「Go Go」が2回あるのは、この日の(たぶん)4度の幕の2回のエンディングというわけです。なお、全曲聴くには「Complete Concert 1964」なる7枚組みBOXセットもあり。このコンサートの2週間後、マイルスは母親を亡くします。そして、気分が悪くなるほど泣いたそうです。また、フリーの洗礼を受け始めたトニー以下、ハンコック&カーターの3人組に対し、オーソドクスに吹き上げるジョージは居場所をなくしてゆき、とうとう半年後の来日公演では、サム・リバースなるテナーマンに変わります。でもご心配なく。謎のテナーマンはその後すぐ、ウェイン・ショーターに取って代わり、いよいよマイルス60年バンドも黄金からプラチナに変わる時を迎えるのです。次回はその、「プラチナ・バンド」をご紹介しますね!

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ここで視聴できますよ!

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