2007.01.12

COLUMN

「色のチカラ」

今日は朝から営業会議。私は株主であり代表取締役であり営業担当役員であり、また一営業担当者でもあるので、まさしくプレイング・マネージャー。ただ自分の管理となると甘くなるんですよねぇ、これが・・・。毎週恒例の、担当者として言い訳したり、経営者として一言いわせてもらったりのなんだかんだの1時間。その後、お昼をはさんでお得意様訪問2件。あわただしく、またテンションのかかった週末の一日でした。って、まだ終業までには数時間ありますが・・・。

お正月は実家(というのは変な表現ですが・・・)でテレビ三昧。というか、ぼーっとテレビ見てました。テレビ東京のBS−Japanで「日本伝統の色」についてやっていたのですが、ここでふとわが身を振り返り疑問疑問・・・。

番組では、古来から使われてきた自然の着色剤による美しい「和の色」を紹介していました。蓬(よもぎ)色、紀州の梅干の赤、粟飴のあめ色、宇治の抹茶色、八丁味噌の鳶色、ゴマ豆腐のかすかな香色。また、和菓子独特の色である紅花の紅色、白、くちなしの黄、抹茶の緑、そして黒。どれもこれも原色の持つインパクトはないのですが、もともと日本の自然に存在していたものですから、色彩感覚にすーっと馴染んできます。私もやはりただの日本人なのでしょうか?(一部では、東南アジアからの移民だと言われていますが・・・)

疑問というのはこういうことです。私たちは仕事柄、着色されたものをお納めしています。無色透明な成果物はありえないし、モノクロもほとんどありません。それも、「企業サイトならブルー系ですね」とか「賑やかさは暖色系で・・・」とか言いながらデザイン(着色)をやっています。たしかにそのセオリーは色の論理からいえば正論ですから、それはそれでよい訳ですが、じゃあ一歩引いて、日本人の日本人によるデザインとしてどうなのかというところ、そこに若干の疑問を抱いたわけです。

たとえば「日本の伝統」を掲載するサイトなどでは、確かにそのような色使いをする場合があります。しかし逆に言えば、それは「グローバル・デザイン」の中の一部としてのアイデンティティを露出させているだけであり、根本的な「色とは」から出発しているわけではありません。

最近はカラーコーディネイト見本帳、それもWebに特化したものも出てますし、アプリケーションでもマウスをちょこっと動かせば、それなりの色がついて物は完成します。特に最近のWebのトレンドは情報提供型になっていて、なんだか「色」って単なる従属的な、いやおまけ的な属性になってしまっているような気がします。毛筆体だから「和」だなんて、「ズボン履いてるから男」みたいな、ただのいい訳でしょう。

今日もとあるサイトのTOPデザインに関して、どうもコントラストが悪いと社内で苦言を呈しました。そんな時、社長は美味しそうな和菓子に載せられた「うさぎ」や「月」をイメージしているのです。近いうちに一度、「色のチカラ」についてお勉強する必要がありそうです。「この忙しいのに・・・」いえいえ、勉強というのは忙しいからこそやるべきなのです。このまま行けば、世界中、いやネット中がチープなコミックデザインに席巻されるような気がする。そんなお馬鹿な危機感を抱くのは私だけでしょうか・・・???

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