「賢者の石」 コリン・ウィルソン

2007年2月16日 19:12 | Books

読破しました、長編です。文庫で450頁ほどですが、通常の文庫と比べると活字が小さい。実際、600頁くらいに相当しますか・・・。「賢者の石」とは、中世ヨーロッパの錬金術師が、鉛などの卑金属を金に変える際の触媒となると考えた霊薬です。また、人間に不老不死の永遠の生命を与える薬(エリクサー)であるともされています。女子供に人気だった「ハリー・ポッターと賢者の石」の「賢者の石」ではありません。同じようなホラーっ気のあるSF小説ですが・・・。

作者コリン・ウィルソンは、社会から孤立した天才を題材としたノンフィクション作品「アウトサイダー」で有名なイギリスの思想家です。この物語にはホラー小説発祥の元となった架空神話「クトゥルフ」がモチーフに使われています。また、ジェームズ・チャーチワードの「失われたムー大陸」が人類の原初であることになっています。そのあたりのお話に対して、現代の科学的視点で拒絶反応やアレルギー反応を起こす方には、とってもつまらない、いや馬鹿げた物語です。

主人公ハワード・ニューマンとその親友ヘンリー・リトルウェイの二人は、ふとしたことから、これまでになかった能力を身に付けることになります。「いかに人間の持つ潜在的な知性を覚醒させるか。」そんな研究やら調査・思考を続けた結果、目に見える、つまり目の前の事象を超え、より俯瞰的かつ時間軸を超えた意識を獲得することが人間の本来あるべき姿であり、そのことにより肉体的にも不老不死になり得るという確信を得ます。精神と肉体の分離です。ただ「賢者の石」がもつこの不老不死のテーマが、決してこの物語のメインテーマではありません。最後には、人類の起源の謎の解明がたどり着くべき目的地となり、とある玄武岩像を「時間ビジョン」なるもので透視する事により、この問題に踏み込むことになるのですが、そこには恐るべき「古きものども」が待ち受けていたのです。

正直、前半はイングランドが舞台の私小説風にすすんでゆき、ちょっぴり退屈でもあります。ただ、後半の玄武岩像の透視あたりからは、ぐんぐんと物語が進んでゆきます。私自身は、げに恐ろしき「死ぬほどの睡魔」と日々闘う羽目になりましたが・・・。えーっと、現代私小説好きの女性の方にはちょっと厳しいかなぁ〜。ハリー・ポッター好きの大人の方はある意味楽しめるかも・・・。SFとしてだけでなく、思想小説とかホラーとか、いろんな楽しみ方が出来ます。正直、深くて難解ですぞ!

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