2007.06.27

COLUMN

「社長の原価」

一昨日は、夜7時から同友会の総会関連の全体会議。物事が決まる、資料を整える、周知するが同時という恐ろしいことになってしまってます。いや、逆転現象さえ・・・。議事進行を仰せつかったものの、当日の資料を手にしたのは開会15分前。普通なら、こんな状態で議事進行など受けませんし、やれません。でもやらなければならない。もう時間がないのです。

なんとか会議中にも各所に問合せをしながら、変更修正もしながらの紆余曲折の2時間。ご多忙の中、ご出席頂だいたみなさなには、分かりにくい進行、申し訳ありませんでした。そのあと、今日初めて露見した問題点や、その他未決事項の調整のため、数人で場所を替えてミーティング。帰宅したのは午前1時過ぎでした。みなさん、本当にお疲れ様でした。私ですか?本当に疲れました。テーブルをひっくり返す元気もありませんでした・・・(笑)。

先日、あるお客様を訪問しているとき、社員の原価意識のお話が出ました。理想的には、トップである社長から末端の社員さんまで、それぞれが原価意識を持って行動(就業)すべきなのですが、社長自体がどれだけ「原価」というものを意識しているのか?「もちろん、意識してるよ!」とおっしゃる方も、原価なのか利益なのか曖昧ではないですか?

うちのような労働集約型産業では、社員さんの作業時間(就業時間)=原価です。社員さんの時間見積単価(=原価)が仮に5000円だとすれば、10名を集めて2時間の会議をすれば、10万円の原価が発生あるいは消費されたことになります。これは非常に分かりやすい。就業時間中に毎日10分歯を磨く社員さんは、1ヶ月20日で約17000円分の原価を失っています。たかが歯磨きで・・・。そういうことを社長も社員も意識しなければならないということです。

ところで、社長の原価はどうなのでしょう?うちのように、社長が一人の労務提供者でしかない場合は、先ほどの社員さんの場合と同じです。もっと立派な会社になって、社長さんはあくまでも管理専門職である場合は、通常は販管費もしくは統制経費扱いになります。これはこれで原価なのですが、利益がなければ身銭を切らなければならない中小零細企業の現実からみれば、そういう場合は「原価というよりは利益」ととったほうが分かりやすいでしょう。

ただ、これが利益となると、また話はややこしくなる。たとえば社長の時給を10000円とすると、社長が20人よって2時間の会議をすれば、原価は40万円となります。言葉を変えれば、2時間の会議でそれだけの価値を生み出さなければならない。安易な会議、安易な内容ではいけないということなのですが、実はこれは原価ベースのお話。先ほどの利益ベースにすると、たとえばその会社の利益率が売上の10%だった場合、その会議は400万円の売上に匹敵しなければならないわけです。たった2時間でですよ!

まあまあ、現実はそんなわけにはいかないし、たとえば同友会のような会議は、原価や利益とは離れたところで行われるものです。ただ、人を集めればそれだけでよし!ではなく、人が集まればそれだけでは原価が失われることを、特に経営者は肝に銘じておくべきでしょうねぇ〜。そのためには、明確な目的、有意義な内容、周到な準備、満足を持って帰っていただく。会議の主催者は、そういう観点からも苦心すべきでなのでしょうね!

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