BOSS's Column

犯罪渦巻く街「シン・シティ」を舞台に、それぞれの愛を命を懸けて貫こうとする３人の男たちの生きざまを描くアクション・ドラマ・・・。

といえば、他意はないのですが、これが結構ややこしい。主人公は、ミッキー・ローク演じる仮出所中の醜い顔のマーヴにクライヴ・オーウェン演じるやくざ者のドワイト、そしてブルース・ウィルス演じる老刑事ハーディガン。何の前触れもなくそれぞれの物語が始まり終わってゆくので、一体何が起こっているのかよくわからないままエンディングを迎えます。

監督・製作・脚本・撮影・音楽・編集が「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」のロバート・ロドリゲス、監督・製作・脚本・原作はコミック・クリエイターのフランク・ミラー、とあるシーンのみの特別監督が「キル・ビル」シリーズのクエンティン・タランティーノと、こちらもなんだかややこしい。

で、肝心の映像がまずモノクロームベースで展開します。赤い血や口紅の色などがカラーで表現され、画面のおどろおどろしさはその映像自体ほどでもないのですが、非常にコントラストの強い、特異な美的感覚という感じ。また、動きは劇画タッチで表現されているため、自然な描写ではなく、まるでアニメを見ているよう。ちょっとくらくらしたりします。

アニメチックというと、どうしてもリアルを追求するかシュール・レアリズムの方向にならざるを得ないのですが、この映画は後者。ですから、自然な描写の中での感情移入というフツーの映画の観客ではいられません。あくまでもロバート・ロドリゲス＆フランク・ミラー共作の「映像作品」としてご覧ください。ああ、間違っても小さなお子さんにはお見せにならないほうがよろしいかと・・・。ロード・オブ・ザ・リングで有名なイライジャ・ウッドのファンは、ある意味楽しみかも！さて彼はどこで登場するでしょう？？？

出演：ブルース・ウィリス,ミッキー・ローク,クライヴ・オーウェン,ジェシカ・アルバ,ベニチオ・デル・トロ,イライジャ・ウッド

監督：フランク・ミラー,ロバート・ロドリゲス,クエンティン・タランティーノ　2005年

BOSS的には・・・★★☆☆☆