あかねさす紫野行き標野(しめぬ)行き野守は見ずや君が袖振る  額田王

2007年7月 4日 17:44 | 万葉の旅 | コメント(2)

額田王が大海人皇子から天智天皇に召された後、天皇が近江に遊猟した折に、お供であった元の主人である皇子が彼女に向けて心くばせに振った袖に対し、額田王が歌った歌です。

「あかねさす」は枕詞、紫野(むらさきの)は紫草を染料として栽培している野、標野は御料地のことで野守はその御料地の番人。今は兄の天智天皇のものとなった自分に対し、皇子が袖を振ってくれることをとてもうれしく思いつつ、他のものに気づかれるのではないかと心配りしている。女性らしく柔らかな歌です。

「袖」というのはかつては恋愛や想いを表す対象であり、「袖にする」などの言葉もありますよね。ここでは単に遠くにいる相手に対して袖を降ったというような意味ではなく、「行ってしまった君が恋しいよ」と皇子が伝えているわけです。これが米国式にウィンクなどでしたら、歌にはなりにくいですよね。私の好きな万葉集歌のひとつです。この額田王の歌に応えた皇子の歌があります。天智天皇が知っていたら、ちょっと怒ったかも???

コメント(2)

その昔、授業で習いましたわー。
懐かしいです。
大海人皇子ってば切ないっ!などと思った記憶が……。
万葉集とか、大人になって読むと感慨深い気がしますけども。

ちょっと前に古事記を読みました。
神様達も身勝手ぢゃない?と、思ったりしつつ。

> 姉さん

そうなんです、私なんぞも当時はぱっつんぱっつんに突っ張っていた頃で、古文なんかなんじゃ〜って感じだったのですが、この歳になって読み返してみると、なんとも味わいがあって・・・。

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