2007.07.10

COLUMN

笹の葉さらさら

先週の土曜日は七夕でした。私ですか?もちろんです。田舎で果樹園の周りの草刈りをしてました。ええ、あのブンブン言う草刈機を使って。親父が買ってきた中国製の替刃が、また切れないこと、切れないこと・・・。汗びっしょりになって・・・えーっと、七夕のお話でしたっけ?

「七夕」とは一体何ぞや?

人日(七草)、上巳(雛祭り)、端午、重陽(菊)に加えて五節句と呼ばれる、季節の節目を祝う日ですね。五節句は江戸時代に幕府が定めたとか。で、この七夕なるもの、日本古来の豊作を祈る祭りに、中国から伝わった女性の針仕事に関する祈願祭が合わさって奈良時代に始まったとされています。笹は精霊が宿るとされ、笹に短冊をつるす習慣も、江戸時代ごろからのようです。つまり、七夕飾りというのは本来、女性の手習いの願掛けの対象であるわけですね!聞いてるかね?そこの幼稚園児諸君!

で、一方の織姫彦星のお話。中国の伝説によると、織姫は道教における最高神である天帝の娘、機織の上手な働き者の娘でした。彦星彦ちゃんもまた織姫に負けず劣らずの働き者。で、天帝のお許しのもと、二人はめでたく結婚いたします。

さてさて、新婚ほやほやの二人。その結婚生活は、言葉では言い表せないほど楽しい。(誰ですか?エッチな顔してニヤニヤしてるのは!?)で、そうなると織姫は機織どころじゃないし、彦星も牛なんかほったらかし。それを見た天帝、怒る。「大魔神」みたいな顔をして怒る!

「おめえら、夫婦(みょうと)にさせたら、さぞかしよく働くと思ったんじゃが、どういうこっちゃねん!毎日毎日、いちゃいちゃばっかりしおってからに!世間を、なめとんかーっ!」

怒った天帝、とうとう2人を天の川を隔てて離れ離れにしてしまいます。が、天帝も人の子(?)、つーか、親ばかです。毎日毎日泣いて暮らす娘が不憫でしょうがない。

「しょうがねーだなぁ〜。年にいっぺんだけは彦助に逢ってもよかんべ!」

ということで、めでたく手打ちに。年に1度、7月7日には二人はめでたく逢うことを許されてましたとさ。チャンチャン!

しかし、もし7月7日に雨が降ると天の川は氾濫、織姫は舟で漕ぎ渡ることができず、愛しい彦助に会うことができない。そんな時には、二人を哀れんでどこからかともなく(どこやねん!)無数のカササギがやってきて、天の川に自分の体で橋をかけてくれるそうです。ですから、天気が悪くても大丈夫!あなたが心配する必要はなかったのです!でも、天の川上に並んだカササギの上を、織姫が歩いている姿は、あまり想像したくないなぁ〜。

でまたコアなお話をすると、この天然記念物にも指定されている「カササギ」という鳥、近くにある白鳥座とは全く関係のないスズメ目カラス科に属する、まあカラスによく似た鳥なのです。おなかんとこがちょこっと白いんですが。で、そもそもこの鳥も朝鮮半島を経て渡来したようですので、彦星織姫の物語はやはり大陸から伝わったものなのでしょうねぇ。

ちなみに星座物語で有名なギリシャ神話では、こと座のベガである織姫とわし座のアルタイルである彦星とは、何の因果も何の関係もございません。実際の距離は15光年、光の速度でも15年かかります・・・。遠っ!

まあ、何はともあれ、お祝いしましょっ!

一年に七日の夜のみ逢ふ人の恋も過ぎねば夜は更けゆくも

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