2008.02.06

COLUMN

(葛原風) 「シンプルは難しい」

週半ばの水曜日になりました。関東地方は今日も雪模様だったようですが、こちらでも週末は先週に引き続き、雪になるかもしれません。

地球がどんどん温暖化してるはずなのに、今年は近年になくよく雪が降ります。

「地球温暖化って実はそう深刻じゃないのかも?」

はたしてそうでしょうか?

先日、あるお得意様とお話をしてて、シベリアの永久凍土がどんどん溶け出して、マンモスの赤ちゃんが化石ではなく、まるまる出てきた話が出ました。

そしてこの雪模様に対する私たちの結論は、地球温暖化によってシベリアの氷が解け、その時の潜熱によって一時的に冷気が発生し、そのためシベリア寒気団が発達して、日本で雪が降る・・・。

どうです、この美しい論理的解釈!実は科学者はみな、自然法則は単純な方程式に収斂し、しかもそれは美しいと信じて疑いません。ニュートンの万有引力しかり、アインシュタインの相対性理論しかり。

ところで、先日の講演で「ニュートンにとってはりんごが先生」。だから「万事研修」、つまり「心して見れば、万物ことごとく我が師なり」とお話されていましたが、ニュートンのりんごは逸話ですよ。彼があの法則を導いたのは、恐らくシンプルで美しいものを、死に物狂いで求め続けた結果ではないでしょうか?

私の好きなデザインもそういう類のものです。でも、シンプルは難しい。シンプルがゆえに、とても難しいのです。

「じゃあ、君はゴシックに芸術的価値を見出さないと言うのかね?」

「いえ、御茶ノ水博士、すごいとは思うのですが、理解できないままなのです。あの凝った意匠はもしかしたら、自然が表出する複雑な形状の模写であり、その根底にあるものは、むしろ逆にとてもシンプルなものなのかもしれないと・・・。」

例えば、「日光を見ずに、結構と言うな!」と言われる、栃木県が誇る世界遺産の日光東照宮。あの建物に描かれているさまざまな彫刻の着色は、なんと5、6色しか色を使っていないそうです。あれって、日本のゴシック建築なのでは?(いいかげんな話ではあります)

週末には、美術館にでも行って見ますか!?

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