2008.07.15

CLASSICS

マスカーニ 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」

さて今夜は、うどん屋で間奏曲を聴いた、歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」をご紹介します。

「カヴァレリア・ルスティカーナ」とは、「田舎の騎士道」というような意味なのですが、そもそも騎士道といえばかつて王侯貴族の専売特許みたいなものが、実は時代の大衆化のなかで、当時文化芸術の中心人物となってきた一般人の、しかもシチリアの田舎での騎士道を引き合いに出すような、ある出来事を描いたものなのです。

シチリアの田舎の村に、母思いのトゥリッドゥという若者とローラという美しい娘が住んでいました。二人は、美しい地中海の自然の中で、永遠の愛を誓い合っていました。彼の母ルチーアは、村で居酒屋を切り盛りしていました。

そんな二人を戦争が引き裂きます。彼は戦場へ、二人は離れ離れに。まあ、いわゆる「遠距離恋愛」ってやつでしょうか?で、壊れる運命が「遠恋」の常。ローラは、村で馬車屋を営むアルフィオに嫁いでしまいます。

やがて戦場から無事戻った彼は、ローラがアルフィオに嫁いだことを知り、村の別の娘サントゥッツァ(愛称サンタ)と付き合うことで、彼女への想いを断ち切ろうとするのですが・・・。

それでは芝居が続かない。彼はどうしてもローラが忘れられず、サンタを見捨てて嫁いだローラと寄りを戻すことになります。実は、オペラ自体はこのあたりから始まるのですが・・・。

アルフィオは仕事柄、家を空けることが多く、そういう日には二人は一緒の夜を過ごしていました。

イースターの日、サンタは彼を訪ねて母の営む居酒屋を訪れます。復活祭だからということでしょうか?(復活祭に、かつての恋人に告白すれば、元に戻る?イエスが死から蘇ったように・・・)

そしてサンタは、母ルチーアに彼の心変わりを訴えます。折りしも酒場に戻ってきた彼に、もう一度自分のもとに戻ってきて欲しいと懇願するサンタ・・・。教会への道すがらにその光景を目にしたローラは、彼に流し目を送ります。そうなんです、ローラよりもサンタの方が、純粋といいますか、清いといいますか・・・。一方のローラは、見目麗しく、性格ブスなんですねぇ、これが・・・。

さて、トゥリッドゥはどうしたか!?

彼は涙ながらに懇願するサンタを足蹴にします。清く美しいサンタも、いよいよぶちキレル。彼に呪いの言葉を浴びせ、アルフィオに告げ口することで二人に復讐しようと決意します。ああ、女性は恐いです。

それを聞いた暢気な馬車屋のアルフィオ、怒りに燃えます。「誓って、彼らを許しはしない!」

ここで流れるのが、有名な「間奏曲」です。物語を書いてしまうと、なんだかとっても場違いな雰囲気のように思うのですが・・・。

さて、美しい間奏曲の後、教会での祈りが終わって、大勢の村人たちが居酒屋に入ってきます。人ごみの中、有頂天のトゥリッドゥは酒を讃えて乾杯三昧。そこにアルフィオがやってきて、彼に果し合いを申し込みます。

ここで始めて彼は自分の罪に気づき、またサンタの優しく献身的な愛を見出すのですが、時すでに遅し。彼は、サンタに母のことを頼むと言い残し、決闘の場に向かいます。

そして・・・・

アグネス・バルツァのサンタ、トゥリッドゥはドミンゴ。名優二人を迎えて、ヴェリズモっぽくない名演はコヴェント・ガーデン・ロイヤル歌劇場合唱団、フィルハーモニア管弦楽団ジュゼッペ・シノーポリ指揮。「間奏曲」をご存知の方は、ぜひ全曲版を!恐るるに足りない、CD1枚ですので!

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ドミンゴ(プラシド バルツァ(アグネス), コベント・ガーデン・ロイヤル歌劇場(合), バルツァ(アグネス), バニエビチ(ベーラ), ドミンゴ(プラシド)

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