2008.10.03

Movies

歓喜の歌

とある町の文化会館で起こった年末の2日間の出来事を描いた、落語家・立川志の輔の同名落語の映画化。タイトルから想像できるとおりのベタな展開ですが、ほんわか心温まります。

文化会館に勤める市職員の飯塚主任(小林薫)は、スナックの外人ホステスに入れ込んで左遷。4月の移動で、掃き溜めといわれている市民会館の主任を任されます。といっても、彼は典型的なダメダメ公務員。ホステス騒ぎで妻さえ子(浅田美代子)とも離婚の危機を迎えています。

もう今年も終わりだと言う晦日30日の朝、一本の電話がかかってきます。大晦日に予定されている「みたまコーラスガールス」の予約確認。ところが、それを聞いて青ざめたのは、部下の加藤(伊藤淳史)。その日は同じ町の「みたまレディースコーラス」の予約も受けていたのです。つまりコンサートのダブルブッキング。

相変わらず能天気に、何とかなるさで両グループに会った飯塚と加藤は、お互い譲らないおばさまたちの前で立ち往生してしまいます。はてさて、この緊急事態、どういう展開になってゆくのか・・・。

ダメダメ公務員のダメダメっぷりを見事に演じる小林薫、あっけらかんと苦難をものともしない五十嵐(安田成美)。二人のバランスが対照的なのですが、ちょっと構成が弱かったか。由紀さおり、藤田弓子などなど、多彩なキャストがエンディングに向けて作り上げてゆくシーンは、なかなか小気味よいものがあります。

エンディングでは、本物のママさんコーラスによる歌唱が堪能できます。が、もちろんどこまでいってもママさんコーラスレベルですので、シカゴ交響合唱団のレベルを求めてはいけません。

不要と思われるエピソードが多く、その分前述どおり登場人物の関係性の構築に弱さがありますし、指揮者が上手から出てくるとか、エンディングのシンフォニーは誰が?とか、まあ細かい話もありますが、身近にいそうな人たちの、普段着のハートフルなドラマを是非ご覧ください。

出演:小林薫,安田成美,伊藤淳史,由紀さおり,浅田美代子,田中哲司,藤田弓子,根岸季衣,光石研

監督:松岡錠司 2007年

BOSS的には・・・★★★☆☆

歓喜の歌

おすすめ平均:5
5お役人様に捧げる,笑いと涙の感動作
5全ては原作、「志の輔らくご」の良さによるところが大!
4落語と映画の取り合わせ
5何度観ても面白いのは、まさに落語

Amazon.co.jpで見る by Azmix

INDEX

CATEGORY

ARCHIVE