ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 作品37(1801年)

2008年11月 7日 00:23 | CLASSICS | コメント(2)

ベートーヴェンは1770年にドイツのボンで生まれました。16歳の時、モーツァルトに出会い、弟子入りを希望しますが、母マリアの急死により断念。その当時、モーツァルトが自らの演奏の為に書いたピアノ協奏曲がK491、ヘ短調の24番でした。

モーツァルトよりも14歳年下の彼は、1791年に死去したモーツァルトに代わって、33歳年上のハイドンに弟子入りします。ウィーンにやってきた彼は、まずピアノのヴィルトゥオーソ、即興演奏の名手として知られるようになります。1795年に、初めて公開の演奏会に出演し、自作のピアノ協奏曲第2番(変ロ長調 作品19)を初演して大成功を収めます。

そして交響曲第2番と前後して作曲されたのが、このピアノ協奏曲第3番でした。

彼の代表作交響曲第5番やヴァイオリンソナタ第7番などと同様、ハ短調という彼の特徴的な調性は、この曲では英雄的というよりもむしろ悲愴感に溢れています。

モーツァルトのK491と同じ調性のピアノ協奏曲というだけでなく、第一楽章第一主題は、明らかにK491の第一楽章第一主題の影響を受けています。

K491もメロディメーカーであるモーツァルトらしさに溢れながらも、ウィーン古典派の至高の曲です。そしてこの第3番も、そのK491の完成されたソナタ形式と対位法を受け継ぎながら、ベートーヴェンらしさが現れ始めた作品でもあります。

二人とも、自らのピアノ演奏の為に作ったがゆえに、その演奏法や技法の違いが、K491と作品37の違いとなったとも言えるでしょう。

ソナタ形式の第一楽章は、やや長めの管弦楽により主題が印象付けられます。このシンフォニー的なるものこそが、モーツァルトの遺産であり、また交響曲の父ベートーヴェンが受け継いだDNAでもあります。

第二楽章は彼独特のロマンティシズム溢れる美しい旋律が、管弦楽の柔らかな音と調和して響き渡ります。

第3楽章のハ短調ロンド主題は、多分恐らくあちこちで皆さんも耳にしたことのあるリズミカルなもの。短いカデンツァを経て、ハ長調のコーダにより華麗に締めくくられます。

この曲は、モーツァルトとK491へのオマージュであり、またレクイエムなのではないでしょうか?そして彼はこの後、いわゆる「1度目の危機」を経て、孤高の作曲家へとその階段を昇りつめてゆくことになります。

私にとって、K491とこの作品37は、生涯身近に置いておくピア・コンになるでしょう。ピアノ演奏は、フリードリヒ・グルダ。シュタイン指揮ウィーン・フィル、1970年ウィーンでの録音です。5番ではないベートーヴェンのピアノを、ウィーンの音を響かせてくれます。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3&4番

コメント(2)

ベートーベンの協奏曲は、作品番号が進むにつれてモーツァルトの色が薄れて、規模が大きくなりますね。
私もこのグルダ&シュタインの3・4番は大好きでよく聴いています。

> 一魚一会さん

そうですよね、だんだんとベートーヴェンらしくなってゆくと言いますか・・・

そういう意味では、最もモーツァルト的な一曲であり、その混血児的な音色を、グルダ&ウィーン・フィルがうまく表現してますよね!

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