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2009年02月19日
東京物語
巨匠小津安二郎が、田舎で生まれ育ち都会に出て行った子供たちと、田舎に残った両親とのやり取りを通して、戦後変わりつつある親子関係、家族関係を描いた彼の最高傑作にして日本映画を代表するヒューマン・ドラマ。1953年のとっても古い映画です。
終戦から8年後の1953年。海辺の静かな町である広島県尾道に暮らす平山周吉(笠智衆)と妻とみ(東山千栄子)は、息子や娘たちが暮らす東京へと夜行列車で向かいます。しかし東京近郊で町医者を営む長男幸一(山村聡)も、美容院を経営する長女志げ(杉村春子)も、日々の仕事が忙しくて両親の相手もままならない。なんとなく居心地の悪さを感じた二人を温かく迎えたのは、戦死した次男の嫁紀子(原節子)でした。
狭いアパート(同潤会?)で一人暮らし、小さな商社に勤めて生計を立てていた彼女はわざわざ会社を休み、快く義理の両親を東京見物に連れ出します。
その後、志げの勧めで熱海を訪れた老夫婦は、若者たちが深夜まで大騒ぎの安宿に眠ることもできず、とみが体調を崩したため、途中大阪の三男の世話になり尾道に戻ります。が帰郷直後、とみの様態が悪化。危篤電報を受けて帰郷した子供らに看取られながら、彼女は息を引き取ります。
というストーリーからは全くなんにも出てこないのですが、実は戦後8年目にして初めて「核家族」の問題を取り上げた映画だと評されています。つまり、両親とその子供たちが異なる家を持つことによって、それまでの親子の関係は寸断され、また田舎と大都会東京という人間関係の濃淡の違い、近所付き合いまでが商業ベースとなるといった人間関係のベースの違い、そして生きる時間のスピードの違いが浮き彫りになります。
そういう、来るべき時代への小津監督のさまざまな憂鬱が、独特のローアングルとすばやい切り替えし、彩の少ないまさにモノクロームな会話の中に込められています。
一見すると老いた両親を理解するのは、実の子供たちではなく、他人の義理の娘だという単純なお話になってしまいます。それは原節子があまりにも美しいから?(笑)
ちょっと強欲なイメージを撒き散らしている長女志げは、実は我々現代人そのものであり、彼女を否定するのではなく、彼女の目線で見てみると、忙しく追い立てられて現代を生きる我々にとって仕方のないこと、しかし本当は違った生き方をしたいこととかが見えてくるような気がします。
現代人の代表である志げと、古きよき時代の代表である周吉夫妻、そしてそのどちらをも理解できる紀子という三角関係の構図。誰がいいとか悪いとかではなく、人はそれぞれに生き方が違い、守るべきものが異なり、生きる時代や環境の中でもがいている。それをお互いが理解することで、本当の人間の姿が、あるいはあるべき姿が見えてくるような、そんな気がします。
全体にビスコンティの気配を感じるのは私だけ?もちろん本作の方が古いのですが・・・。お隣韓国とは違って、やはり日本映画は、ハリウッドじゃなくてヨーロッパに目を向けるべき?
エンディング、薄暗い部屋に一人たたずむ周吉。素晴らしいラスト・シーンです。
出演:笠智衆,東山千栄子,原節子,杉村春子,山村聡,三宅邦子,香川京子,東野英治郎,中村伸郎,大坂志郎
監督:小津安二郎 1953年
BOSS的には・・・★★★★☆
おすすめ平均:
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投稿者 boss : 2009年02月19日 23:12

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