2009.04.24

Movies

DAISY 邦題:デイジー

若い男女の三角関係とそれぞれの秘めた思いを、アクションを織り交ぜて描いたラブ・ストーリー。オランダ・ロケにより、韓国映画らしくない肌触りの韓国映画。あるいは、チョン・ジヒョンかチョン・ウソンのファンのためのオマージュ。

オランダで祖父と暮らすヘヨン(チョン・ジヒョン)は、画家の卵。ゴッホの「ひまわり」を見て画家になることを志し、郊外の田園地帯に出かけては彼女にとっての「ひまわり」である「デイジー」を描いていました。ある日、丸太を渡っていた彼女は川に転落します。しかし次に彼女がそこを訪ねると、危なげな丸太はちょっとした橋に変わっていました。彼女は、橋を架けてくれた見知らぬ相手に、彼女の描いたデイジーの絵を贈ります。

daigy.jpg1ヵ月後、誰ともなく彼女の元にデイジーが届けられるようになります。彼女は、橋を架けてくれた誰かが、きっとどこかで見守ってくれているのだと感じ、その相手のことをいつも思うようになります。そしていつか、その相手が目の前に現れ、二人は結ばれると・・・。

生計を立てる為に、街の広場で似顔絵を描く彼女。そこに同郷の韓国人ジョンウ(イ・ソンジェ)が現れます。彼はインターポールの捜査官でした。張り込みのために彼女に近づいた彼はしかし、素朴なヘヨンに恋心を抱くようになります。

そしてもう一人、遅れてやってきたのはパクウィ(チョン・ウソン)。彼こそが橋を架け、彼女にデイジーを贈り続けていた男でした。そして彼の正体とは、金で殺しを請け負う暗殺者だったのです。

私の場合、映画のうちの半分は感情移入の対象となります。残りの半分は、どうしてもこんな立場は嫌だとか、対象が蛇だとか・・・そんな映画はないか・・・。

で、主人公に素直に感情移入できるかどうかが、その映画を評価する重要なファクターとなります。ストーリーも作りもボロボロでも、主人公になりきって喜んだり悲しんだりできれば、その映画には自動的に★が加算されます。

さてこの映画、主人公は暗殺者のパクウィなんですよね。女性から見ればもちろんその対象はヘヨン。でも実は私、彼には感情移入どころか嫌悪感を抱いてしまうのです。それよりも不器用ないい人であるジョンウに、激しく感情移入してしまって・・・。

いえ、別に男前が嫌いだからと言うような理由ではありませんよ。それは言いがかりです。「私の頭の中の消しゴム」では、しっかりパクウィになりきってましから(爆)。彼が建築家だったから・・・とか言うのでもなく。

ではなぜパクウィではなく、ジョンウだったのか?

私からすれば、パクウィの一途な思いはむしろストーカーに近いものであり、二人の間に真の恋があったとは思えない。しかも彼は暗殺を生業とする人間。私からすれば、ハリウッドのプロデューサーが、仕事を餌に女優志望の女性を落とすような、そういうさもしい印象さえ抱いてしまいました。

一方のジョンウ。彼は勤務中に恋をするというへまをしでかします。でも、すごく人間らしい。頭ではわかっていても、恋に落ちてしまう。それが仕事中だろうが、食事中だろうが、用足しの途中だろうが・・・。だから「恋は運命」なんていわれたりする。そして彼は「いい人」です。警察だからと言うのではなく、不器用であほくさいほど、素でいい人。自分がそうだからなのか、そうじゃないから彼に憧れるのか・・・。

ということで、後半は腹が立ったまま見てました。この先、パクウィがどんなにいいことをしたとしても、彼はあくまでもただの犯罪者でしかありませんでした。印象派もモネでもクラシックも、それはパクウィそのものではなく、あくまでもヘヨンに近づくための手段にしか見えない。

中盤、事故で声を失ったヘヨンを、ジョンウが訪れます。そこには「新しい恋人」パクウィがいました。声の出ないヘヨンとパクウィのやりとり。身を引き彼女の元を去る彼に、行かないでとドアをドンドン叩くヘヨン・・・。短いこのシーンは、結構100点満点に近い。ここで私の「デイジー」は終わりました。ジ・エンド!

で、そこまでで話を終えると、細かい突っ込みどころは満載のこの映画。ただ、オランダ・ロケを敢行したのは正解で、この肉欲がないのにドロドロの痴情沙汰を、異国情緒がさらっと流してくれています。

冷静に見れば、「猟奇的」や「僕の彼女」からの脱皮を遂げようとしているチョン・ジヒョンのための作品とも言えるし、韓国映画のべたな純愛からの卒業ともいえますが、女性の方、特にチョン・ウソンのファンから見れば、悲しくも美しい悲恋の映画なのでしょうねぇ〜。

ソナタとかコナタとかには全く興味がないので、そっち路線の評価は差し控えます。例の3分間に「★」ひとつ加えて!

出演:チョン・ジヒョン,チョン・ウソン,チョン・ウソン,イ・ソンジェ,チョン・ホジン,デヴィッド・チャン

監督:アンドリュー・ラウ 2006年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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おすすめ平均:4
2ファンタジーなりそこない
5観た後に・・・。
3ダボパンがかわいい
3香港映画と韓国映画の融合作品
4韓流ブームはいずこへ

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