2009.04.07

Movies

Elizabeth: The Golden Age 邦題:エリザベス:ゴールデン・エイジ

16世紀の大航海時代に、ヨーロッパの小国イングランドを栄光の大英帝国にした女王エリザベス1世の半生を、1998年の前作「エリザベス」に引き続き描かれた歴史大作。ケイト・ブランシェットの神々しいほどのエリザベスぶりが見物です。

1558年、25歳でイングランド女王に即位したエリザベス1世(ケイト・ブランシェット)は、異母弟エドワード6世が優遇したプロテスタントを国教として、小さな国イングランドを統治していました。

elizabeth_the_golden_age_still.jpg当時世界を支配していたのは、カトリックでヨーロッパ支配を目論むスペイン国王フェリペ2世(ジョルディ・モリャ)。彼は幽閉された王女メアリー(サマンサ・モートン)を担ぎ出し、イングランド制服を企てていました。

ある礼拝の日、彼女の道すがらに投げられたコート。それは冒険家ローリー卿(クライヴ・オーウェン)でした。女王に対して奇麗事しか語らない回りの者に対し、本音で語りかけるローリー。彼女の心は、女王から一人の女性へと変わり始めます。

100%実話ではありませんが、前作同様この時代の歴史のお勉強にもなります。本作では、かのメアリー・スチュワートの処刑もありますし、スペイン無敵艦隊との決戦もあります。

でも、お楽しみはなんといってもケイト・ブランシェットの身も心もエリザベス1世になりきった神業級の演技。それも、一人の女性としての葛藤から「グロリアーナ」、処女女王から「国民の母なる女王」への決意を見事に演じきっています。

また、映画「マリー・アントワネット」よりも私好みのさまざまな彼女の衣装も見物。それは国王の脇にたたずむ王女ではなく、国を治める孤高のトップとしての女王の衣装であるというバイアスもかかっているのかもしれません。

王女の従女エリザベス・スロックモートンを演じるアビー・コーニッシュが初々しくもかわいい。役柄としては実際にローリー卿と結ばれるのですが、ちょっとリブ・テイラー似で、女王との立場の違いがうまく表現されています。

一方、悲劇の女王メアリー役のサマンサ・モートン、その女王らしくない容姿と立ち振る舞いは、エリザベスに感情移入させるためのわざとのキャスティング?

宰相役のジェフリー・ラッシュはいい演技してます。個人的には好きな俳優のクライヴ・オーウェンは、今回はちょっと女々しい立ち回りだったかも。

生涯、結婚をしなかったエリザベス1世。しかし実際は何人かの愛人を持っていたようで、「キスを・・・」というのは、ちょっと演出しすぎ?全体的に、史実とフィクションを詰め込みすぎの感も否めませんが、まあ、そう固い事は言わず、ケイト・ブランシェットの名演に身を委ねましょう。そうそう、まずは前作「エリザベス」からどうぞ!

出演:ケイト・ブランシェット,ジェフリー・ラッシュ,クライヴ・オーウェン,サマンサ・モートン,アビー・コーニッシュ,リス・エヴァンス,ジョルディ・モリャ

監督:シェカール・カプール 2007年

BOSS的には・・・★★★☆☆

エリザベス : ゴールデン・エイジ [DVD]

おすすめ平均:4
5エリザベス女王、魅力の秘密。
3歴史背景を知っていればもっと楽しめるかも
3テーマを詰め込み過ぎでは?
4威厳の陰の苦悩
4尺が足りない!

Amazon.co.jpで見る by Azmix

もっとムービー・アーカイブスはこちら >>> 「ムービー・インデックス」

INDEX

CATEGORY

ARCHIVE