2009.10.18

Movies

GHOST IN THE SHELL 邦題:攻殻機動隊

近未来の日本を舞台に繰り広げられるサイバーテロとそれに立ち向かう公安警察メンバーの活躍を描いたSFアニメ、コアに言えばサイバーパンク。原作は士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」、監督は押井守。ウォシャウスキー兄弟の「マトリクス」に多大な影響を与えたことでも有名。ようやく今頃になって、BOSS's Columnに登場です。

第三次核大戦と第四次非核大戦を経て、世界の秩序は大きく変化し、また科学技術も飛躍的に発達。脳神経にデバイスを接続する「電脳化」技術やロボット技術の進歩により、一般の人たちもサイボーグ化され、多くの人たちが電脳によりネットワークに接続可能となり、ネット社会はもはやリアル社会以上の存在意義と実在感を持っていました。

GhostInTheShell.jpg電脳化されていても、脳には「ゴースト」というものが残り、それが生命体としての魂のような存在として個を識別するとされていました。

そんな電脳のゴーストをハッキングし、人形のように操る凄腕ハッカー、通称「人形遣い」が日本に入国したとの情報を得た公安警察の秘密組織であり、総理大臣直轄の防諜組織である公安九課、通称「攻殻機動隊」が捜査を開始します。

ある日、政府ご用達で、主人公の九課のメンバーたちも多く使用している義体メーカーの「メガテク・ボディ社」の製造ラインがハッキングによって勝手に稼動し、作られたサイボーグは逃走しますが、交通事故にあい九課に運び込まれます。

そして、壊れかけたサイボーグの補助電脳の中に、あるはずのないゴーストの存在の可能性が浮上しますが・・・。

まずは主人公の草薙素子、通称「少佐」の露出度の高いコスチュームとアクションに電脳化、いや洗脳されます。ジャブジャブです。テレビ版では、時間の関係からもっといろいろなキャラや肢体を堪能できます。

motoko.jpg

すでにあらすじで出てきたような、「ネット社会」「電脳化」「義体」「ゴースト」、ほかにも「攻性防壁」「身代わり防壁」などシステムやネットワークと一体となった展開やプロット、「光学迷彩」といった理論的に実現しそうな特殊技術など、コンピュータおたくにはたまらない展開。

そんな単語の意味を事前に理解していれば、まるで近未来の哲学書を読むように、登場人物たちの会話を楽しむことが出来ます。

DNAさえも記憶のないプログラムでしかなく、死によって記憶を失うことで存在を否定したとしても、電脳化でネットと繋がれ外部保存された記憶は存在し、それは永遠にネットを生き続ける。

そういう死生観といいますか、未来のネットワーク社会あるいはサイボーグや高度に発達した医療科学に対する警鐘とかいうものではなく、むしろ現代人に、個人とは、その存在意義とは、その尊厳とは。を問いかける物語です。とてつもなく深いです。

いや、そこまでややこしく考えなくても、コンピューターやネットワークのはずせないSFアクションのひとつとして、フツーに存分にご堪能いただけます。

少佐を初め登場人物たちをもっともっと堪能したい方には、テレビ版「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」もあわせてお勧めいたします。なみに、「タチコマ」は劇場版には出てきません。

出演:(吹替)田中敦子,大塚明夫,山寺宏一,仲野裕,大木民夫

原作:士郎正宗

監督:押井守

脚本:伊藤和典

音楽:川井憲次

BOSS的には・・・★★★★★

GHOST IN THE SHELL?攻殻機動隊? [DVD]

おすすめ平均:4.5
5原作のエッセンスを映画として昇華させた押井守の芸術作
5
4士郎正宗氏&押井守氏のコラボレーション?
510年前、1995年公開であることが信じられない一品!!
4電脳の中のもう一つの命

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