2009.11.16

Movies

野性の証明

yasei.jpg政府の秘密暗殺組織のメンバーとして訓練を受けた男が、事件に巻き込まれることにより一人の少女と関わることになり、最後はその組織に立ち向かってゆくドラマ。森村誠一の小説を角川春樹が映画化。

1980年。米国大使らを人質に過激派が篭城する事件が発生。投入された自衛隊特殊工作隊が一気に事件を解決します。味沢岳史(高倉健)は部隊の中でも抜きん出た隊員の一人でした。極限状態を超えるほどの激しい訓練を続ける彼ら。ある日、東北地方の山中を使ったサバイバル訓練が始まりました。

そもそも秘密部隊である彼らは、訓練中も一般市民との接触は禁じられていました。しかし、飢えと疲労で山道に姿を現した味沢は、散策中の越智美佐子(中野良子)に助けられますが、救助を求めて近くの集落に向かった彼女は、その時村で起こった大量虐殺事件に巻き込まれます。

10名を超える村人の死体。その中には越智美佐子の死体もありました。生き残ったのは13歳の少女、長井頼子(薬師丸ひろ子)ただ一人。しかし彼女はあまりの恐怖からか、記憶喪失になっていました。数年後、味沢は自衛隊を除隊し、保険の外交員をしながら頼子とひっそりと暮らしていました。

角川映画絶頂期の作品です。主役の高倉健を初め、夏八木勲、三國連太郎、丹波哲郎、芦田伸介。ほかにも舘ひろし、松方弘樹、原田大二郎、田村高廣、梅宮辰夫など、当時の若手俳優総動員。例によって角川春樹も自衛隊長でカメオ出演しています。

それにしても長いです。3時間あります。原作どおりなのでしょうが、正直長いです。無駄と思えるシーンが結構あります。そのせいで、展開もややこしくなってます。森村作品独特の、ドライに残酷なシーンや、きれぎれの展開のつなぎ合わせも、ぶつ切り感と長さを助長しています。

戦車シーンはド迫力です。邦画にしては台数もシーンの長さもこれでもか!というシロモノ。で、余計長くなったりするわけですが・・・。プロット的に「自衛隊=悪」ですので、本国自衛隊の協力は得られなかったようで、アメリカ陸軍(?)の協力の下、模型ではないシーンが撮影できたようです。エンディング近くでは、さすがに「そこまで燃えんでしょう、戦車・・・」という模型シーンもありましたが・・・。

あと、そんなに連射してるのに弾切れるでしょう?とか、発砲光と音があってまへんがなとか、とって気になって・・・。あの時代って、とにかく機関銃の連射音でうはうはだった時代なんですね!

当時、CFとしてテレビで流れた薬師丸ひろ子の「お父さん怖いよ。誰かがお父さんを殺しにくるよ」というセリフと、町田義人の「戦士の休息」のテーマ曲。もわーっとあの頃が浮かび上がってきます。

古き良き70年代。もう30年も前になるんですねぇ~。同世代の方に。

出演:高倉健,中野良子,薬師丸ひろ子,夏八木勲,三國連太郎,舘ひろし,ハナ肇,松方弘樹,丹波哲郎, 芦田伸介,原田大二郎,田村高廣,梅宮辰夫,夏夕介,田中邦衛

監督:佐藤純彌 1978年

BOSS的には・・・★★★☆☆

野性の証明 [DVD]

おすすめ平均:4.5
4日本版ランボー
5今、観たら結構!斬新です。
4原作どおりじゃないですが
5涙がとまらない
5今みると良くできた作品です。

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