BOSS's Column

サンフランシスコを舞台に、犯人逮捕のためには暴力も辞さない刑事と連続殺人犯との攻防を描いた刑事物アクション映画の先駆的作品。

屋上プールで泳ぐ女性が何者かに狙撃され、現場には薬きょうとともに犯人からのメッセージが残されていました。スコーピオン（さそり座）とサインされたそのメモには、20万ドル用意しないと次々と市民を殺害すると書かれていました。

手荒い捜査で有名な殺人課刑事キャラハン（クリント・イーストウッド）は、相棒のチコ（レニ・サントーニ）とともに犯人を追い詰め銃撃戦になりますが取り逃がしてしまいます。そして第2の殺人が起こり、今度は14歳の少女を拉致したとの脅迫状が届きます。

犯人の要求どおり、身代金を持って犯人の指示した現場に向かうキャラハン。そしてついに連続殺人犯と対峙することになるのですが・・・。

B級映画監督のドン・シーゲルと、TV西部劇や低予算のマカロニウェスタンに出ていた若きクリント・イーストウッドが組んで大ヒットとなり、1作だけの予定が全5作のシリーズになります。

また正義と組織や規律、ミランダ法による犯人の人権問題や、警察やマスコミを手玉に取る愉快犯的連続殺人事件などなど、その後のハリウッド製刑事アクションの原点ともなった作品です。

そして私たちガンマニアにたまらないのが、キャラハンがぶっ放す.44マグナム。しびれます、S&W M29。そういう粗暴なアイテムは、逆に心理戦である2本目のプロットを際立たせる３人目の主人公かもしれません。

音楽は知る人ぞ知るラロ・シフリン。TVシリーズのナポレオン・ソロやスパイ大作戦で有名になり、「暴力脱獄」でアカデミー賞ノミネート。本シリーズのほかにも、「ブリット」や「燃えよドラゴン」、「スタハチ」などを手がけアカデミー賞を４度受賞。JAZZをベースにした彼の作品は、地味ですが単なるBGMではなく見ているものの心理に沁みこんできます。

刑事物、アクション物がお好きな方には是非お勧め。イーストウッド、かっこいいです。こういうヒーローって、憧れますよねぇ、男なら・・・。

出演：クリント・イーストウッド,ハリー・ガーディノ,アンディ・ロビンソン,レニ・サントーニ,ジョン・ヴァーノン

監督：ドン・シーゲル　1971年

音楽：ラロ・シフリン

BOSS的には・・・★★★★☆

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