ドヴォルザーク 交響曲第8番 ト長調 作品88(1889年)

2010年1月31日 19:01 | CLASSICS

ドヴォルザークと言えば誰しも思い浮かべるのが交響曲第9番「新世界より」ですよね。ベートーヴェンと同じく生涯で9曲の交響曲を残した彼の最後の楽曲。で、今日ご紹介するのはその1曲前の8番ト長調です。

この曲には時々「イギリス」という表題がついていることがありますが、チェコ出身の彼が海外に長期滞在したのは9番が書かれたアメリカだし。イギリスに思いを馳せて書かれた曲でもありません。

彼の出世作ともなった「スラブ舞曲」の出版をドイツの出版社ジムロック社に推挙したのは、当時オーストリア帝国の奨学金審査の委員だったブラームスでした。1878年、ドヴォルザーク37歳の時でした。

しかし「スラブ舞曲」のような小品を要求する同社と彼の関係は悪化し、小額の支払しか呈示しないジムロック社に変わって、この曲はイギリスのノヴェロ社から出版されます。それが「イギリス」と呼ばれる所以であり、内容音楽とは全く関係がないのです。

こうしてブラームスとの親交を深めてゆくドヴォルザークでしたが、もともと彼は音楽を志すことに決めた10代の頃は、ワグナーに心酔していました。そんなことで、ボヘミアンでありチェコ国民音楽の創始者の一人でもあり、またブラームスの影響を受けた純粋音楽と構築性も併せ持った彼の音楽は、逆に唯一無比のものとなってゆきます。

その最たるものが、黒人霊歌などの影響も受けた第9番なのですが、この8番を聞くと基本的にはブラームスの4番交響曲の共通性を感じさせながらも、チェコらしさのよく現れた楽曲となっています。

ト短調の第3楽章は最も有名な楽章で、ヨーロッパらしさ、あるいはボヘミアらしさに溢れた美しいワルツとなっています。

第4楽章終楽章は、いきなりトランペットのファンファーレから始まります。この第4楽章だけでなく、ソナタ形式の第1、第4楽章はなんとなくすわりの悪い印象があり、最初にお話したチェコらしさと若い頃に憧れたロマンチックさやドラマ性、そして手本とするブラームスのドイツ的なるものの彼らしい再構築が、高いレベルで完成されているとは言いがたい。

そのバランスの悪さ、荒削りな印象が、逆にドヴォルザークの持ち味なのかもしれません。それを第一級のレベルで結合することに成功したのがあの9番だったのではないでしょうか?

ドヴォルザーク48歳の時の作品。この3年後、彼はアメリカに向かい9番を作曲することになります。

ドヴォルザーク:交響曲第8番

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