2010.03.23

Movies

Madre Teresa 邦題:マザー・テレサ

今日、お得意様との会話に偶然出たこの名前。貧困に苦しむ人々のために、己のすべてを捧げた修道女マザー・テレサの半生を描いたヒューマン・ドキュメント作品。398本目の映画投稿です。

1946年のインド、カルカッタ。現在のコソボに生まれた修道女アグネス(洗礼名テレサ)(オリビア・ハッセー)は、念願のカルカッタにあるアイルランド系の修道会、ロレト修道女会で女子教育の教鞭をとっていました。ある日、イスラム教徒とヒンズー教徒の抗争に巻き込まれた負傷者を校内に入れて手当てをした為、修道院長(ラウラ・モランテ)からダージリンへの転任命令を受けます。

列車に乗ろうとした彼女の目に映ったのは行き倒れなった一人の男。「私は渇く」とつぶやいたその男の言葉の中に神の声を見出します。命令に背いてカルカッタに舞い戻った彼女は、「私の居場所はは修道院の中でなく、最も貧しい人の中です。」と言って、院外活動の許可を求めますが拒否されます。

mother.jpgしかしテレサの熱意にエクセム神父(ミハエル・メンドル)はバチカンに進言。「これが神の望みであれば、必ず実現する。」という彼女の言葉どおり、バトナで医療と薬学の実地訓練を受けていた彼女の元に届いたのは、許可の知らせでした。

テレサは、それまでの修道服ではなく、インド女性の着る質素な白いサリーを身にまとい、貧困にあえぐ人々の中に入ってゆきます。そして彼女の元にはかつての教え子であったヴァージニア(イングリッド・ルビア)らが彼女を慕って集まり、やがて彼女は「神の愛の宣教者会」を創設。マザー・テレサと呼ばれるようになります。

「マザー・テレサ」皆さんも名前ぐらいはご存知でしょう。ノーベル平和賞を受賞したインドで活動した宗教家。そのレベルはお前だけだ!そ、そうですか、失礼いたしました。実はお恥ずかしい話、彼女のリアリティに振れたのはこれが最初でした。

「人を蹴落としても、バリバリ上昇志向!」という時代には興味もなかったのですが、大きなものにぶつかったり、逆に自分の存在や居場所を見失った時、「自分は何の為に生きているのか?」というような疑問にぶつかった時、彼女のような存在はひとつの示唆を与えてくれます。

それは彼女の生き様に影響を受け、ボランティアに生涯をかける生き方もあるでしょう。しかし今の暮らし、時間やプレッシャーに追いまくられる日々の中でもこれまでとは違った朝を迎えることが出来るかもしれません。

そしてこの作品を見て理解したことは、「祈る」という行為は決してネガティブな行動ではないと言うこと。何もしないで、ただ神に祈る。初詣でに行ってお賽銭さえすれば願いが叶う。それはまさしく「他力本願」です。

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があります。祈る前には「人として可能な限りのことをすべてやり終える」そして静かに「天の命を待つ」。

「祈る」とは心静かに、しかしそれは己のすべてを賭した者だけに与えられる静寂な時間なのです。

そして祈り。

「○○をしてください」

それは「お願いします」ではなく、

「天(神)が望むなら・・・」

なのだと。

1979年、70歳を前にしてノーベル平和賞を受賞した彼女が、「世界平和のために私たちはどんなことをしたらいいですか」というインタビューに応えた言葉は、

「家に帰って家族を大切にしてあげてください。」

出演:オリヴィア・ハッセー,セバスティアーノ・ソマ,ラウラ・モランテ,ミハエル・メンドル,イングリッド・ルビオ

監督:ファブリツィオ・コスタ 2003年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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おすすめ平均:4.5
5菩薩の生涯
5やっぱり映画は面白くなきゃ
4マザーテレサのエピソード集
4マザーの生涯をたどる
5良い出来栄えの映画です

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