2010.03.11

Movies

My Darling Clementine 邦題:荒野の決闘

かの有名な保安官ワイアット・アープとクラントン一家のOK牧場の決闘を描いた西部劇。ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ主演、390本目の映画投稿です。

1882年。メキシコからカリフォルニアに牛を運んでいたワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)と3人の兄弟は、アリゾナのトゥームストーンに立ち寄ります。夜になり末の弟を留守番に残して3人の兄たちは街に出かけます。

土砂降りとなった夜半に戻ってみると弟は何者かに殺害され、牛たちも盗まれてしまいます。昼間、砂漠の途中で出会ったクラントン一家の仕業だと目星をつけたワイアットは、なり手の無かった町の保安官の仕事を引き受け、ツゥームストーンにとどまる決心をします。

mydarlingclementine.jpg町で賭博場を経営するドク・ホリデイ(ヴィクター・マチュア)と出会い、始めはにらみ合っていた二人の間にはやがて友情が芽生え始めます。もともとボストン出身の外科医だったホリデイ。

ある日、東部ボストンから彼を追いかけてクレメンタイン(キャシー・ダウンズ)という女性が町にやってきます。しかしホリデイには、彼の酒場の歌娘チワワ(リンダ・ダーネル)がいました。実は彼の体は病に冒され、そのためにクレメンタインのもとを去ったのです。

ホリデイを巡って二人の女性がいがみ合う。その時チワワがホリデイからプレゼントされたと自慢げにペンダントを見せますが、そのペンダントこそは殺されたワイアットの弟の持ち物だったのです。
1946年作のモノクロ映画です。皆さんもどこかで耳にしたことのある、「オー マイ・ダーリン クレメンタイン♪」出始まる西部劇らしからぬイントロ。しかし物語が始まれば、ジョン・フォードお得意のモニュメント・ヴァレーの荒野と切れ味鋭いカメラアングル。いやーすごいです。「クロサワ」を彷彿とさせます。

この作品が撮影された当時は、本物のワイアット・アープも存命中だったそうで、撮影現場にやってきてジョン・フォードと親交を結んだそうです。

邦題は激しく「荒野の決闘」だし、その後の作品「OK牧場の決闘」などをご存知の方は、活劇的西部劇を想像されると思いますが、原題は「いとしのクレメンタイン」。実際、結構地味といいますかどちらかといえばヒューマンドラマに近い。ホリデイの心情やワイアットとの心の交流など、ジョン・フォードらしならぬ細やかさで描かれています。

ヘンリー・フォンダの気取らない等身大のワイアット・アープがとても高感度大。モノクロであることで、返って登場人物たちの生き生きとしたさまを表現出来たのではないでしょうか?

ジョン・ウェインの「駅馬車」か?ヘンリー・フォンダの(あえて)「いとしのクレメンタイン」か?対照的なふたつの作品ですが、いずれ劣らぬ、甲乙つけがたい、ジョン・フォードの傑作西部劇です。

出演:ヘンリー・フォンダ,リンダ・ダーネル,ヴィクター・マチュア,キャシー・ダウンズ,ウォルター・ブレナン

監督:ジョン・フォード 1946年

BOSS的には・・・★★★☆☆

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おすすめ平均:5
5これだ
5西部劇の最高峰
5アメリカのお家芸なのにアメリカっぽくない?これは名作です
5Wyatt Earp Frontier Marshal
4見ないほうが・・・

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