2010.04.04

Movies

K-19: THE WIDOWMAKER 邦題:K-19

実際に起こったソビエト原子力潜水艦の放射能事故をもとに、米ソの核戦争の引き金になりかねない事故に命がけで立ち向かう乗組員たちの姿を描いたサスペンス映画。ハリソン・フォードが主演兼製作総指揮をとっています。

1961年、米ソ冷戦の最中。アメリカの核に対抗するためクレムリンは、軍部に命じ最新鋭の原子力潜水艦K-19を建造します。経験豊富な艦長ミハイル・ポレーニン(リーアム・ニーソン)が、出航前のテストを行いますが、突貫建造と準備不足のため肝心の核ミサイル発射テストに失敗して更迭。替わってアレクセイ・ボストリコフ(ハリソン・フォード)が艦長として着任します。

なんとか出航処女航海にこぎつけたK-19。しかし、建造中の事故死や進水式で割れなかった不吉なシャンペンにより、「The Widowmaker」(未亡人製造)と呼ばれるようになります。

早々に実戦配備を迫られていたボストリコフ艦長は、激しい訓練と無謀とも思えるテストを短期間で行い、ミサイル発射実験にも成功します。

k-19.jpgそして新たな任務を受けて北海に船を進めますが、原子炉の冷却水配管にひび割れが発生。原子炉は急激に加熱をはじめ、このままではメルトダウンを引き起こし、広島に投下された原爆の数十倍の核爆発を起こすことになります。

修理するためには原子炉内に入り、配管を修理しなければならない。それは同時に「被爆」という死の病にかかることを意味します。使命感に突き動かされ、若者たちは次々に志願して原子炉内に入ってゆきますが・・・。

冒頭でお話したように、K-19は実在したソ連原潜で、1961年にグリーンランド付近の北海で実際に同様の放射能漏れ事故を起こしました。

太平洋戦争あるいは大東亜戦争以外の戦争物は大好きなのですが、中でも潜水艦モノは大好きです。あの密室感とか隠密感がたまらなくいい。傑作にはロバート・ミッチャムの代表作、「眼下の敵」がありますよね。

あと、潜水艦モノの面白さは「艦長」の判断と行動です。特に一度潜ると何年も水中での生活の続く原潜では、艦長はある世界のトップ。それは100名以上の乗組員の命を預かる家長であり、絶対の権限を持ち、一方で一人でその責任を背負う大役です。

この映画でも、乗組員たちに慕われていた元艦長の替わりに着任したボストリコフが、強引とも言える独断専行で訓練を実施し、一時は艦内に不穏な空気が流れます。傍目で見てても、「ちょっとやりすぎでしょう・・・」と思ってしまうほどの愚直なソ連海軍軍人ぶり。ハリソン・フォードだから、いい人だから、ボストリコフもいい人なんだ、きっと・・・と思っても、大丈夫?どうなるの?と心配になってくる。

しかし結局、個人の営利に走ることなく、また目先の情に流されることもなく、最後までぶれることなく、自らの信念とそれに伴う責任を一人で背負っていこうとする彼の姿を目の当たりにし、乗組員たちも四の五の言わず、黙して彼に従います。感動です。

アメリカ映画ですが、ソ連を非難するでもなく侮辱するでもなく卑下するでもなく、淡々と描いている。と思いきや、犠牲になった若者たちが「仲間たちの為に」というのは、やはりアメリカ的な視点のような気がする。

それはこの作品を通して、この事故が祖国ソ連にどれほど大きな影響を与えるのか、世界の平和と安全をどれほど脅かすのか、そのあたりの刷り込みがやや弱いことと無関係ではないような気がします。

自分と同じことを相手も他の国の人間も考えていると思うのは、地位や権力を手に入れたものか、偽善者か、はたまたうぬぼれ屋さんが陥りやすい落とし穴なのです。

新造船のはずなのに、艦内のあちこちがかなり古めかしいのは見て見ぬ振りをしましょう。(笑)なんでロシア語ではなく英語なの?などという愚問もなしです。

125人の男の世界。色気なし。男性諸氏には是非見ていただきたい。組織を見ている女性の方にも。もちろん、異色の演技が見たいハリソン・フォードのファンの方にも。

出演:ハリソン・フォード,リーアム・ニーソン,ピーター・サースガード,クリスチャン・カマルゴ,レックス・シュラプネル

監督:キャスリン・ビグロー 2002年

製作総指揮:ハリソン・フォード

BOSS的には・・・★★★☆☆

K-19 [DVD]

おすすめ平均:4
4実話を元にした見応えある一本です!
5やはり潜水艦映画にはハズレはない
2ハリソンフォードは似合わない
5大きな決断を迫られたり、弱気になる時に鑑賞してます。
5女性監督の人間への視線に敬意を表します

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