2010.07.29

F1 & Cars & Bike

「カストロールの香り」

かつて五色台の有料道路を膝をすって攻めていた頃、追い回していた2ストロークマシン、NSR250やYZR250の残していったカストロ、正しくはカストロール・オイルの甘い香りは、私にとっては夏の香りのひとつなのです。

2ストロークエンジンは、通常のエンジンオイルとは別にガソリンとオイルを混ぜ、いわゆる混合油としてシリンダーに流し込みます。それで皆さんご存知のとおり、青い煙を吐いているのです。

そのオイルがカストロールだと青い煙が実はとても甘い香りがするのです。そしてそれは追い回す私にとっては仮想の獲物の香りでもありました。まあ、堅気の皆さんにはまったく関係のないお話かもしれませんが・・・。

castrol-tts2t.jpg

当時の私のバイクは、SUZUKI-GSX-R750。いわゆる「ナナハン」です。色はワークスの青白ではなくヨシムラカラーに近い真黒。愛称は「Ghost Rider」でした。(TOP GUN からいただきました)

1988_GSXR750_450.jpg


エアクリーナーはとっ外し、キャブはミクニの39mm4連に交換。ついでにスピードメーターも不要なのでとっ外し、リアショックはオーリンズ、フロントブレーキパイプとブレーキオイルはロッキード、ステップはヨシムラのアルミ製、シングルシート、マフラーは山本のサイレンサーなしに交換、タイヤはミシュラン・ハイスポート・・・

この組み合わせだと、朝と昼ではキャブセッティングを変えないとエンジンが息つきしたりしてました。多分100PSは超えていたはず・・・。

で、オイルは4スト用のカストロ。ただし4ストの場合は排気管から出るオイルの煙の量はたかが知れてる。香りもほとんどしません。

ところが、いつかの夏の鈴鹿8耐で、いつもと違って最終コーナー手前のカシオ・トライアングルに席を陣取ったとき、4ストマシンばかりのコースから、フワーッとあのカストロの香りが、マシンたちの轟音と共に漂ってきたのです。

たいがい梅雨明け最初の日曜日が決勝。見ている私たちも何リットルも清涼飲料水(もちろんコカコーラ!)をのみ全身汗でびしょぬれになりながら、コースで繰り広げられる男どもの戯れを声援し、カメラぶら下げてキャンギャルの後を追っかけ・・・ (^_^;)

しかしいつの頃からか、スタンドを「コパトーン」のココナッツの香りが席巻し、「ブ~ブ~」と応援用のクラクションがけたたましくなった頃、私は鈴鹿から遠のきました。

バイク乗りの、年に一度の夏祭り。8時間、レーシングサウンドに包まれ過ごす盛夏の一日。そしてカストロの甘い香り・・・。

もう今では、遠い夏の思い出です。

香りにうるさい、BOSSのつまらない思い出話でした。m(..)m

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