BOSS's Column

溶接工をしながらダンサーを目指す一人の女性の愛と友情を描いた青春ドラマ。ジャズダンスやブレイクダンスなどが見物。アカデミー賞歌曲賞受賞作品。

鉄鋼の街、アメリカ・ペンシルバニア州のピッツバーグ。プロのダンサーを夢見ながら、昼間は溶接工、夜はバーのダンサーをしながらダンスの練習に励むアレックス（ジェニファー・ビールス）。

ある日、ダンサー養成所のオーディションを受けるために出かけますが、他の応募者のようにバレーなどの基礎をきちんと学んでいない彼女は、自信を亡くしてしまいます。

しかしプロのスケーターを目指す親友のジェニー（サニー・ジョンソン）や彼女の恋人でコメディアン志望のリッチー（カイル・ヘフナー）、ダンスの師であるハンナ（リリア・スカラ）に励まされて明るさを取り戻します。

バーで彼女のダンスをを見た鉄工所の社長ニック（マイケル・ヌーリー）は彼女を食事に誘いますが、「上司とは食事はしない」と断わられます。しかしある夜、彼女にちょっかいを出して無碍にされた、近くでトップレス・ショーをやっているジョニー（リー・ヴィング）に襲われそうになり、ニックに助けられます。

１９８３年。ディスコの時代が終わり、ジャズダンスやブレイクダンスが流行し始めた時代でした。本作はそういう時代の空気と、そこに生きがいを見つけた若者たちの生き様が、軽快なサウンドとノリのいいダンスを通して描かれています。

音楽やダンスと共に、本作の見所はキュートな新人、ジェニファー・ビールスです。オーディションで選ばれた当時イェール大学の学生だった彼女のキュートな笑顔だけでも、若者だった私の心は躍ったものです。(^_^;)

相手役のマイケル・ヌーリーをはじめ、枠を固めるメンバーは低予算のためB級の役者ばかり。でも逆にそれがこの映画を身の丈のものにしています。

監督のエイドリアン・ラインの描く光と影の演出が、単調なストーリーながらもエンディングまで観客を飽きさせない。MTVだとか、まあ８０年代の映像の時代の幕開けだったわけです。

アメリカン・ニューシネマの７０年代が終わり、新しい時代へ。８０年代にリリースされた数々の秀作青春ドラマの中の１本です。

製作のドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーは以後、「ビバリーヒルズ・コップ」や「トップガン」など、時代のヒットを次々に放つことになります。

アイリーン・キャラの「What A Feelin'」、良いですよね、今でも！そして、有名なエンディング前のアレックスのダンス、いいですよね！

出演：ジェニファー・ビールス,マイケル・ヌーリー,ベリンダ・バウアー,リリア・スカラ,カイル・Ｔ・ヘフナー,サニー・ジョンソン,シンシア・ローズ,リー・ヴィング

監督：エイドリアン・ライン　1983年
製作：ドン・シンプソン,ジェリー・ブラッカイマー

BOSS的には・・・★★★☆☆

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