2011.05.19

Movies

TROY 邦題:トロイ

ギリシャ神話のトロイ戦争と英雄アキレスを描いた歴史スペクタクル。

スパルタ王メネラオス(ブレンダン・グリーソン)とトロイの王子ヘクトル(エリック・バナ)は、長年にわたる両国の戦いの終結を祝って宴を開いていました。しかし、ヘクトルの弟パリス(オーランド・ブルーム)は、スパルタ王の妻ヘレン(ダイアン・クルーガー)と恋におち、トロイへの帰還の船に彼女を乗せてしまいます。

troy.jpegメネラオスは、妻奪還のためトロイを攻めることを兄であるアガメムノン(ブライアン・コックス)に進言し、ギリシャ軍は4万の兵と1000隻の船をトロイに進軍。トロイのプリアモス王(ピーター・オトゥール)は、苦悩の末、ギリシャ軍との全面戦争を選びます。

これまで難攻不落とされてきたトロイの要塞攻撃の鍵を握るのは、ギリシャ軍最強の戦士アキレス((ブラッド・ピット)。自らの意思に従ってのみ戦うアキレスでしたが、預言者である母テティス(ジュリー・クリスティー)から死の予言を受けつつも、トロイへと赴くことになります。

そもそも原作となったホメロスの「イリアス」は神々と英雄たちの織り成す神話です。しかし本作はあくまでも登場人物たちの人間ドラマとして描かれています。ですから、アキレスにもあの神々しさは皆無で、普通の戦士の一人として登場します。

そうなると気になるのが、いくら美しいからといっても敵の王妃を口説いて連れ帰るパリスのせいで、国家間の戦いとなり、はては滅びてゆくと言うばかばかしさ。しかもパリスって、臆病だし武術もからっきしだめだめだし・・・。

とにかくキャスティングを見ると、かの「指輪物語」を彷彿、いやブラビによってそれを凌駕するかと思いきや、とにかく神話のプロットを人間ドラマにしてしまったゆえの必然的展開が弱く、やけにリアリティのある戦闘(乱闘?)シーンばかりが目に付きます。

もともと「イリアス」は、ヘクトルに死によって幕を閉じるのですが、本作ではボーナスとばかりに終盤「トロイの木馬」まで登場します。

しかしそこまでサービスしていただいても、どうもなんだか納得のいかない2時間45分。

アキレスと言えば、ツェッペリンの「アキレス最後の戦い」が真っ先に浮かぶ私としては、お義理にアキレス腱に矢を射抜かせた演出さえ小ざかしいと思えてなりません。

ただ、冷静に見るならば、いつの時代も男は戦いと女と酒に明け暮れる動物なのですから、この作品もその本性を古代ギリシャ時代風にアレンジしたとすれば、まあまあいいか・・・みたいな・・・。

それにしても、ジョークを言わないブラビは、私的にはちょっと・・・。

出演:ブラッド・ピット,エリック・バナ,オーランド・ブルーム,ショーン・ビーン,ピーター・オトゥール,ダイアン・クルーガー,ジュリー・クリスティ,ブライアン・コックス,ブレンダン・グリーソン,ローズ・バーン

監督     ウォルフガング・ペーターゼン 2004年

BOSS的には・・・★★☆☆☆

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