2013.03.08

COLUMN

鎮魂の春

終戦間際の昭和20年7月24日。

この日、広島県にある呉軍港をめざし空を埋め尽くさんばかりに飛来した200機を超えるアメリカ軍の爆撃機B29やF6Fなどの戦闘機部隊を迎え撃つため、わずか21機の343航空隊所属の紫電改が長崎県の大村基地から飛び立ちます。

結果的に呉は壊滅的な打撃をこうむるのですが、迎撃隊も奮闘し撃墜16機。しかし未帰還機も6機あり、そのうちの1機は南宇和海久良湾に不時着します。

34年後。

偶然ダイバーによって発見された機体は引き揚げられ、「恒久平和」を祈念して保存展示されています。

20代の若者たちが次々とその命を散らしたかの大戦。隣国では、60年以上たってもまだ終わらない戦争の休戦協定白紙撤回が報道されています。

343空隊員や遺族により行われた慰霊式、当時司令官だった源田元海軍大佐の弔辞。

「紫電改は浮上した今、何事も語らずただ黙々と翼を休めております。・・・」

巡りきた新しい春に、戦い疲れた緑の機体と失われた魂たちは、いま何を思うのでしょうか・・・

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