2013.11.25

Movies

邦題:武士の家計簿

江戸時代の藩の財政の元となる算用をおこなう下級武士の姿を描いた時代劇。803本目の映画投稿です。

江戸時代末期。御算用者として代々加賀藩の財政に関わってきた猪山家の八代目、猪山直之(堺雅人)は、武芸はからっきしでしたが算盤に長けていて、人並み以上に登用されていました。

bushinokakeibo.jpgこれといった野心も持たず、ひたすら算盤と帳尻合わせの日々を過ごす直之に、ある日縁談話が持ち上がります。相手は、町同心の西永与三八(西村雅彦)の娘お駒(仲間由紀恵)でした。

所帯を持ち、御蔵米の勘定役に任ぜられた直之は、折からの飢饉で農民たちに配給されたお救い米が帳簿に記載された量より少ないことを知り、独自に調査を始めます。

役人たちの米の横流しを知った直之は左遷を言い渡されますが、藩下で起こった一揆により悪事はばれ、彼は藩主付きという異例の昇進を果たします。

しかし、身分が上がるにつれ出費がかさむ武家社会。猪山家は父信行(中村雅俊)と合わせた禄の二倍もの借金がたまってしまいます。

直之は家計の立て直しを宣言。家財一式処分の上、質素倹約により借金を返済するという、武士としての体面を捨てた苦渋の決断でした。

実話に基づくお話。本作を観て、これまで知らなかった藩の算盤役なるものを始めてみました。

確かに年貢と言う収入から各種支出に至る藩の財政を行うには、このような人たちが必要ですよね。数十人が並んで算盤をはじく姿は、今時で言えば一台のパソコンなんでしょうが・・・。

今ブレイク中の堺雅人と中村雅俊という軽めの親子に、仲間由紀恵のちょっとコミカルなキャスティングは、コメディタッチの演出に一役買っています。

基本プロットである藩の財政から、ある下級武士一家の財政再建の物語に加え、家業を代々つないでゆく親子の軋轢などもうまく表現されていて、そういうドラマとしてもなかなかよく出来た作品です。

実話に元ずく故か、若干締めがドラマらしくないところが寂しい気もしますが、最後の盛り上がりを期待するのではなくプロセスを楽しめば、これはこれでよしかなと。

まあその方向ならその方向で、もうすこしさくっと終わらせてもいいような気もしましたが・・・。

それにしても、江戸時代の豆腐って、堅そう・・・

出演:堺雅人,仲間由紀恵,松坂慶子,草笛光子,西村雅彦,伊藤祐輝.藤井美菜,中村雅俊

監督:森田芳光 2010年

原作:磯田道史

BOSS的には・・・★★★☆☆

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