2015.02.23

Movies

The Caine Mutiny 邦題:ケイン号の反乱

第二次世界大戦中のアメリカ海軍軍艦内で起こった艦長と士官たちの騒動を描いたドラマ。ピューリッツァー賞を受賞したハーマン・ウォークの同名世界的ベストセラー小説の映画化作品。859本目の映画投稿です。

1943年。名門プリンストン大学を優秀な成績で卒業したウィリー・キース(ロバート・フランシス)はナイトクラブ歌手で恋人のメイ・ウィン(メイ・ウィン)に別れを告げ、海軍に入隊します。

TheCaineMutiny.jpg戦闘任務を機能していたウィリーでしたが、配属されたのは老朽の掃海駆逐艦ケイン号。几帳面で規律正しい彼は、口が悪くだらしない態度の艦長デヴリース(トム・テューリー)や下品でだらしない乗組員たちに馴染めないでいました。

やがてデヴリースは新しい任務を得て艦を去ることになりますが、キースは離艦の際に乗組員たちが示した彼への畏敬の念が理解できませんでした。そんな彼に副長のマリク中尉(ヴァン・ジョンソン)は、「それがわかれば、君も一人前だ」と告げます。

新任の艦長クイーグ中佐(ハンフリー・ボガート)は、乱れきったケイン号の風紀を一新し海軍らしい規律あるものにすることを宣言し、ウィリーもそんな彼に傾倒します。

しかし、徐々に艦内では新官庁に対する乗組員たちの不満が募ってゆきます。クイーグは部下に対し厳格な態度で臨む一方、自らのミスで発生した問題はその責任を部下のせいにするような態度をとります。

軍隊はご存知の通り完全なるピラミッド組織であり、経験や度胸があったとしても階級の上下関係は絶対的なものです。それを許せば、組織自体が成り立たなくなってしまう。

ただ、上官の判断や言動が必ずしも正しい、いや万が一精神に異常をきたしていたような場合、たった一つの誤った判断で大勢の犠牲者を出すことも考えられます。

そういう状況が明白に認識できた場合、下級士官が指揮官を解任できる海軍既定第184条というものがあって、それにより起こった顛末が描かれています。

混乱の原因となった精神的にバランスを崩した士官役を演じた名優ハンフリー・ボガート。40年代初頭のハード・ボイルドとは違った、往年の磨きのかかった演技が見られます。

そして、目の前の危機だけではなく、主人公がそうなった原因、敵と戦った過去の過酷な戦闘経験に対する敬意を言うものを決して忘れてはいけないという教訓の埋め込まれた本作、アカデミーはノミネートのみに終わってしまいました。

出演:ハンフリー・ボガート,トム・テューリー,ヴァン・ジョンソン,フレッド・マクマレイ,ロバート・フランシス,ジェリー・パリス,リー・マーヴィン

監督:エドワード・ドミトリク 1954年

原作:ハーマン・ウォーク

BOSS的には・・・★★★☆☆

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