トルコでの作戦中、MI6の工作員たちが襲われ、各国のテロ組織に侵入しているすべてのNATO工作員の情報が納められたハードディスクが奪われます。ボンド(ダニエル・クレイグ)は、新人の女性エージェントのイヴ(ナオミ・ハリス)と共に実行犯であるフランス人傭兵パトリスを追跡します。
]]> 走る列車の屋根でもみ合う二人。Mの指示でイヴの放った銃弾はボンドに当たって、彼は深い渓谷に落下してしまいます。数か月後。ボンドは公式に死亡が認定され、Mは情報漏えいの責を問われて情報国防委員会の新委員長ガレス・マロリー(レイフ・ファインズ)から引退を勧められます。提案を拒否するM。その直後、Mのコンピューターがハックされます。さらにMI6本部が爆破され、多くの死傷者が出ます。
僻地で秘かに過ごしていたボンドも、世界を駆け巡ったこのニュースを目にしてロンドンに戻ります。古い地下壕を利用したMI6新本部でエージェントとしての復帰テストに臨むボンドでしたが、結果は惨憺たるものでした。復帰に懐疑的なマロリーの意見を一蹴し、Mはボンドの職務復帰を承認します。
ボンドは、自分の肩に残っていた弾丸の破片からパトリスを特定し、新任のQ(ベン・ウィショー)から装備を受け取り、上海へと向かいます。
40年以上の長きにわたり、スパイ・アクションのエンターテインメントとして拡大(?)を続けてきた本シリーズも、ダニエル・クレイグの時代に大きく方向転換を図ります。それまでのファンの反動と制作側の模索の混乱の中で3作目にしてようやく21世紀のボンド像のフォーカスが合ってきた。本作を総括すると、そういうことになるのではないかと思います。
そしてそれは、主人公たちのセリフの中にも、あるいはキャスティングにも表れます。銃の種類によって銃声が異なる、あるいはブローバックの「カチャ」という音が聞こえるといったマニアックなリアリティの追及も、気が付けば・・・ほどのことではありますが、単にマイケル・マンの影響と言うことではなく、新しいボンドを表現するための舞台装置の一つなのかもしれません。
何よりも、指令を受けてヴィランを殺害するというシンプルなプロットから、殺しのライセンスを持ったエージェントが自らの存在意義や組織への忠誠を問う、いわば内向きの表現も増え、ヒューマン・ドラマの要素さえも見せ始めます。本作での、ボンドとMの関係や、ボンドとシルヴァとの対峙などで表現された心的描写は、アクション監督ではないサム・メンデスの真骨頂かもしれません。
拳銃はPPK、ボンドカーはDB5という、原点回帰ともいえる地味な小道具による21世紀の映像は、そっち方面のファンを失っても余りあるドラマとしてひとつのピークを迎えます。
出演:ダニエル・クレイグ,ハビエル・バルデム,ベレニス・マーロウ,ナオミ・ハリス,レイフ・ファインズ,ジュディ・デンチ,ベン・ウィショー
監督:サム・メンデス 2012年
BOSS的には・・・★★★★★
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]]>19世紀後半のデンマーク。辺境の小さな漁村に、厳格なプロテスタント牧師(ポウエル・ケアン)の美しい娘、マーチーネとフィリパは住んでいました。若い士官ローレンス(グドマール・ヴィーヴェソン)と休暇中の著名なオペラ歌手アシール・パパン(ジャン・フィリップ・ラフォン)が若い二人に求愛しますが、姉妹は父の仕事を生涯手伝う決心をし、歳月がたったのちも未婚のままでいました。
]]> ある嵐の夜、二人のもとにパパンからの紹介状を持ったバベットという女性(ステファーヌ・オードラン)が、訪ねて来ます。パリ・コミューンで家族を失い亡命してきた彼女の無給でよいから働かせてほしいという申し出に、二人は家政婦として家におくことにします。14年の歳月が過ぎ、年老いた村人たちの集会がいさかいの場になってしまったことに心を痛めた姉妹は、父の生誕百周年の晩餐を行うことで皆の心を再び一つにしようと思い立ちます。折しもバベットの唯一の楽しみだった宝くじが1万フラン当たり、彼女は晩餐会でフランス料理を作らせて欲しいと頼みます。バベットにとって、この家に来て初めての頼み事でした。
とりあえず地味なデンマーク映画です。が、物語の後半はテンポも上がり、ベストセラー「南仏プロヴァンスの12か月」を思い起こすような、お腹が空いてくるグルメ映画となります。
ただ、ピーター・メイルの小説の映画化作品「プロヴァンスの贈り物」みたいなハリウッド臭いチャラチャラ感は全くなくて、あくまで料理も作品のテイストもフランス映画風味、というよりもプロットとしては小津安二郎作品を彷彿させるような精神性をも感じる不思議な作品です。
いや、バベットとは敬虔に生きる姉妹のもとに舞い降りた大天使ガブリエルの化身だったのかもしれません。生まれて初めて口にする1人当たり1000フランのディナーも、暮らしと祈りの日々においてはただの「富くじ」でしかないという意味では、ただのグルメ作品ではなく精神的宗教的作品なのかも知れません。
出演:ステファーヌ・オードラン,ジャン・フィリップ・ラフォン,グドマール・ヴィーヴェソン,ヤール・キューレ,ハンネ・ステンスゴー,ボディル・キェア,ヴィーベケ・ハストルプ,ビアギッテ・フェザースピール
監督:ガブリエル・アクセル 1987年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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]]>元加賀藩剣術指南役で無双一刀流の免許を持つ凄腕の剣客、斑目久太郎(北村一輝)は、奉公先からリストラされ再起をかけて単身江戸に向かいますが、剣術以外に取柄はなく、浪人として困窮した暮らしをしていました。
]]> ある日そんな彼のもとに、仕事の依頼が舞い込みます。敵対する組衆の飼い猫を切って欲しいというものでした。生活のため不承不承引き受けた久太郎でしたが、「玉之丞」と呼ばれていたその猫を切ることが出来ない彼は、猫を死んだことにして自分の長屋に連れて帰ります。こうして、剣豪と猫の不思議な暮らしが始まります。
「ねこタクシー」などと共に東名阪ネット6が中心となって制作された「動物ドラマシリーズ」の第10弾で唯一の時代劇の映画リメイク作品です。
テレビ版では30分12回で6時間ですので、映画よりはもう少し丁寧に人物像が描かれているはずで、映画版ではそのあたりがすこし物足りない、つまり主人公斑目久太郎のアンバランスな姿がいまいちはっきりしないのは残念と言うか、仕方ないですかね。
テーマとしては、かたくなな剣豪がねことの暮らしによって、何か大切なものを見つけるというようなことが設定されているはず・・・ですが、そういう明示はないままに現実味のないエンディングに向けてハッピーエンドを迎えます。
猫好きの私ですが、だからと単純に喜べる作品ではありません。
出演:北村一輝,蓮佛美沙子,寺脇康文,浅利陽介,戸次重幸,洞口依子
監督:山口義高 2013年
BOSS的には・・・★☆☆☆☆
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]]>ロスアンゼルスの高層ビルのエレベーターが爆発し、十数名が宙吊り状態で閉じ込められます。要求に応じなければエレベーターを落下させるという脅迫電話が警察にかかります。
]]> 出動したロス警察SWAT隊のジャック(キアヌ・リーヴス)とパートナーのハリー(ジェフ・ダニエルズ)は、無事に全員を救出。ビルに潜んでいた犯人のハワード(デニス・ホッパー)と対峙しますが、惜しくも逃げられてしまいます。数日後、ハワードは電話でジャックに「先日の仕返しに市バスに爆弾を仕掛けた。時速80キロ以下に落とすと自動的に爆発する。」と告げ、身代金を要求してきます。15人の乗客を乗せて走るバスに飛び乗ったジャック。重傷を負った運転手に代わり、アニー(サンドラ・ブロック)という若い女性がハンドルを握ったバスは、ロス市警の見守る中、ハイウェイを走り続けます。
キアヌ・リーヴスとサンドラ・ブロックの出世作。というか、私なんぞは公開当時サンドラ・ブロックにくぎ付けで物語は全く覚えていませんでした。
「Girl Next Door」と呼ばれるようになったサンドラ。この後はどんどんメジャーになるとともに、ゲルマンっぽいエロさよりも硬さ(?)が目につくようになった女優さんですが、本作ではひたすら大きなハンドルのバスを運転するばかり。なんですが、拘束された美女的にも見えて、爽やかなエロさがおじさんにはたまらない。
作品の半分近くは疾走するバスの中という、なかなか変化のない展開なんですが、ういういしい二人の演技がバスの疾走感に寄与しています。一方で犯人役に抜擢されたデニス・ホッパーが軽すぎず重すぎず、なかなかいいキャスティングでした。もちろんSFX使ってます。
制作スタッフは別にして、恐らくはB級扱いだった配給側も驚くヒットは、続編へと続くことになります。
出演:キアヌ・リーヴス,デニス・ホッパー,サンドラ・ブロック,ジョー・モートン
監督:ヤン・デ・ボン 1994年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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]]>フランスの港町マルセイユ。スピード狂のダニエル(サミー・ナセリ)は、恋人リリー(マリオン・コティヤール)との生活のためタクシードライバーを始めます。彼の車は改造車で、あまりの速さに警察も彼を捕まえることが出来ませんでした。
]]> 一方、マザコンの新米刑事エミリアン(フレデリック・ディーファンタル)は、運転免許試験に落ち続け、仕事も失敗ばかり。美貌の上司ペトラ(エマ・シェーベルイ)に夢中ですが、全く相手にされていません。ある日、ダニエルの客の一人カミーユ(マニュエラ・グラリー)がエミリアンの母親だったことがきっかけで、刑事だとは知らずに彼をタクシーに乗せ、猛スピードで車を走らせます。
彼こそスピード違反常習者のタクシー運転手だと気づいたエミリアンは、ある取引を思いつきます。署内の懸案事項となっているベンツに乗った銀行強盗団メルセデスを逮捕するためダニエルの力を借り、逮捕にこぎつけたあかつきには免許証を返すというもの。かくしてダニエルとエミリアンの不思議なコンビが、メルセデス逮捕を目指すことになるのですが・・・。
フランス映画ということで、やはりハリウッド映画にはないスパイスたっぷりです。コメディタッチのカーアクション作品なのですが、そこここに角の立った切れ味するどい作品。コメディというよりもシニカルに近いかも。主人公の愛車はフランスのプジョーに対し、悪役たちはメルセデスだし・・・。
カメラアングルもカットも斬新。特にカーチェイスのシーンは迫力満点です。この辺は、さすがレーサー出身で車のCFの名手として知られる監督ジェラール・ピレス。
製作・脚本は、こちらもフランス流の名シェフ、リュック・ベッソン。どなたにでもどうぞ!的なハリウッド娯楽映画とは一味違う、近代的テイストのフランス映画を!
出演:サミー・ナセリ,フレデリック・ディーファンタル,マリオン・コティヤール,エマ・シェーベルイ,マニュエラ・グラリー,ベルナール・ファルシィ
監督:ジェラール・ピレス 1997年
脚本・製作:リュック・ベッソン
BOSS的には・・・★★★☆☆
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]]>自らがアイアンマンであると公表したトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr.)。しかし政府から一方的な紛争への介入を問題視され、軍の兵器としてアーマーを徴用したい思惑も絡んで、公聴会で引き渡しを求められます。
]]> 一方、彼の体はアーマーの動力源であり、彼の生命維持装置でもあるアーク・リアクターの動力源「パラジウム」が放出する毒素に蝕まれていました。自らの命の限界を感じたトニーは、スターク・インダストリーズ社の社長の座を秘書のペッパー・ポッツ(グウィネス・パルトロウ)に譲ります。その頃、かつてアメリカに亡命し、トニーの父ハワード・スタークの共同開発者でもあったロシアの物理学者アントン・ヴァンコが他界します。アントンはスパイ容疑で逮捕され強制送還されて困窮した生活を余儀なくされていました。
アントンの息子イワン(ミッキー・ローク)はそのことでスターク一族を逆恨みし、父が残した設計図から小型で強力なアーク・リアクターを開発し、それを動力源とした兵器「エレクトリカル・デス・ウィップ」を作り上げます。そしてアイアンマンとの戦いに臨むべく、モナコへと向かいます。
大ヒットとなった前作「アイアンマン」の続編。今回は父同士の遺恨を持つ悪役ヴィランを登場させての対決モードが主たるプロットとなります。
その悪役には、やっぱりあなた?のミッキー・ローク。このままだとコメディタッチが薄れると思ったのか、スカーレット・ヨハンソンまで登場させ、グラマラスな新秘書が花を添えます。
で、彼女は実は「シールド」という組織の一員で、親分は眼帯をしたサミュエル・L・ジャクソン。完全にマトリクスとダブってしまうけど、この「シールド」って組織は何?という説明もないままに、あっという間にエンディングを迎え、拍手喝采で幕を閉じます。
一方、パワードスーツの方も改良を加えて前作のマーク1~3から、4~6となりさらに戦闘力を高めているのはマニアの方向けのサービス。
それにしても、ヨハンソンの侵入シーンって、どっかで観たことあるよなぁ~
普通の人が着装するだけでスーパーヒーローになることが出来るパワードスーツの発想と、SFXを駆使したスピード感あふれる映像は、フツーの人だけでなくメカマニアの方も納得させられる娯楽大作となり、主役のロバート・ダウニー・Jr.を下積みから救い出しました。
今日も、出来レースの戦いに奮闘しています。
出演:ロバート・ダウニー・Jr.,グウィネス・パルトロウ,スカーレット・ヨハンソン,ミッキー・ローク,ドン・チードル,サミュエル・L・ジャクソン
監督:ジョン・ファヴロー 2010年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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]]>地球から果て知れず遠く離れた銀河の彼方、惑星クリプトンは、太陽であるレッド・サンに異常接近し、最後の時を迎えようとしていました。ただ一人、事態を理解していたクリプトン科学の最高権威ジョー=エル(マーロン・ブランド)は、最長老(トレヴァー・ハワード)もボンド・アー(マリア・シェル)に異常事態を訴えますが、全く信じようとしませんでした。
]]> そこで彼は、最愛の一人息子を救おうとスターカプセルに積み太陽系第三惑星である地球に向かわせ、自らは妻と共に運命を共にします。無事地球にたどり着いたスターカプセルは広い麦畑に着陸し、たまたま通りかかった農夫のジョナサン(グレン・フォード)とマーサ(フィリス・サクスター)夫妻は、天の授かりものだと思い、連れ帰って育てることにします。
時がたち、成長した青年クラーク・ケント(ジェフ・イースト)は、列車よりも速く走り、蹴ったボールは空の彼方に消えるほどの超人的能力を持っていました。ある日、父が死去し、彼は母を一人残して北極へと向かいます。
そこで、以前納屋でみつけたクリスタルの中から実の父ジョー=エルが現れ、成人となった彼(クリストファー・リーブ)に出生の秘密と能力、そして指名を伝えます。こうして、正義と真実のために戦うヒーロー、スーパーマンが誕生します。
大都会メトロポリスにある新聞社デイリー・プラネット社に入社した彼は、超能力を隠しながら働き、離れて暮らす母親に仕送りする暮らしを始めます。そして、女性記者ロイス・レイン(マーゴット・キダー)に惹かれるようになります。
ある日、社屋の屋上から飛び立ったロイスの乗るヘリが宙吊りとなりますが、素早く変身したスーパーマンが地上に落下していた彼女を抱きとめ、ヘリも屋上へを押し戻します。
ご存じスーパーヒーローの「イロハのイ」、スーパーマン第一作。今回はその誕生の秘密が冒頭で語られます。
その後は、頼りない記者クラークとス-パーマンの対比が続くドラマなのですが、父親はマーロン・ブランド、悪役にはジーン・ハックマンという役者をそろえ、SFにありがちな軽さを払拭しています。
実はスーパーマンはあまり好きなヒーローではなくて、個人的にはバットマンやスパイダーマンと言ったダーク・ヒーローやら悲しきヒーローの方が好みではあります。クリストファー・リーブにはエロさを感じないし、ヒロインのマーゴット・キダーにも食指は動きません。(^-^;
ただ、老若男女には最も安心して観ていただけるヒーローものですので、これはこれでありですし、こういう作品のさきがけでもありスタンダードと言ってもいいかと思います。
悪役が弱すぎるのと、地球を逆回転させるというのがSFだとしてもあまりに突拍子もないですが、まあお許しくださいませ。
出演:マーロン・ブランド,ジーン・ハックマン,クリストファー・リーヴ,ネッド・ビーティ,ジャッキー・クーパー,グレン・フォード,トレヴァー・ハワード,マーゴット・キッダー
監督:リチャード・ドナー 1978年
原案:マリオ・プーゾ
BOSS的には・・・★★★☆☆
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]]>NYPD、ニューヨーク市警察に勤める熱血漢のターク刑事(ロバート・デ・ニーロ)とルースター刑事(アル・パチーノ)は、20年以上コンビを組み数多くの悪人を逮捕してきました。二人はお互いを知り尽くし、パートナーとして固い絆で結ばれていました。
]]> 一方、街では警察をあざ笑うかのような連続殺人事件が発生。狙われたのは、一度は逮捕されたものの証拠不十分などで社会に戻って来た悪人ばかりでした。しかし、捜査によって浮かび上がったのはターク刑事。さまざまな証拠が、彼の犯行を示唆していました。
そして同じく連続殺人犯を追っていた若手コンビは、彼の犯行を立証しようと麻薬密売人を使っておとり捜査を始めます。そして現場には、非番のタークの姿が・・・
ドフトエスキー著「罪と罰」ではないですが、時々テーマとして取り上げられるいわゆる法の裁きの限界と真の正義の問題。本作は長年にわたって法の番人として勤めてきたベテラン刑事が、その正義感から一線を越えてしまうというお話。そして終盤では、サプライズが待っています。
何といっても主演のハリウッドの2大俳優、ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの演技。1995年作「ヒート」以来の共演です。
なんですが、老いてなおさすがの演技はデ・ニーロ。パチーノの方はそのキャラクターゆえに、ちょっと年取ったなぁ・・・って感じでしょうか?
ちょっと二人のキャラが強すぎて、物語の展開を楽しむ余裕を無くしてしまいがちになりますが、この二人じゃないと作品としては・・・という気も確かにします。
切れ味のある展開は、クライム・サスペンスとしての緊張感を保ったままエンディングに向けて疾走。おじさんたちですが、何とか最後まで疾走してます。
さて、あなたが彼らだったら・・・というような問いかけはせず、名優たちの名演をご堪能ください。
出演:ロバート・デ・ニーロ,アル・パチーノ,カーティス・ジャクソン,カーラ・グギノ,ジョン・レグイザモ,ドニー・ウォルバーグ,トリルビー・グローヴァー
監督:ジョン・アヴネット 2007年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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]]>テキサス州ビッグ・レイク。幼いころからメジャー・リーガーを夢見て、一度はプロの門をたたいたけれど肩を痛め、今では高校の教師をしているジム・モリス(デニス・クエイド)。35歳になる彼は、同じく教師の妻ローリー(レイチェル・グリフィス)や子供たちに囲まれて平穏な日々を過ごしていました。
]]> 指導中にたまたま全力投球で剛速球を投げたことで、若き日の夢が再び湧き上がってきます。負け続けるだらしない生徒たちに明確な目標を与えようと、チームが地区優勝したらプロテストを受けることを約束します。チームは連勝に連勝を重ね、ついに地区優勝を果たします。約束だけは果たそうと、妻に内緒でプロテストを受けたジムでしたが、160キロ近い剛速球にスカウトは目を見張り、見事合格してしまいます。
ローリーはプロ入りには反対でしたが、8歳の息子ハンター(アンガス・T・ジョーンズ)が野球をする父を誇らしく思うのを見て、心が変わります。
早速ジムはマイナーリーグ契約しますが、安い給料のうえ家族と遠く離れて移動移動の日々に挫けそうになります。
実話を基にしたスポーツ・ヒューマン・ドラマ。35歳でメジャーデビューと言うのは確かにすごいのですが、かつてドラフト1位でメジャー入りしただけの実力を持った人物の物語です。
しかも、主人公演じるデニス・クエイドが決して投手経験があるわけでもないので、映像からはリアリティは伝わってきません。その昔でしたら、ケヴィン・コスナーあたりが演じたのでしょうか?まあ、あの作品も(F.O.D)決して名演ではありませんでしたが・・・。
ただそういう目で見ずに、父親との確執や戸惑いつつも応援してくれる家族などとのやり取りをしっかり見れば、なかなか細かいところまで気配りできたいい映画です。実話ベースとはいえ、そのあたりはある程度脚色もされてますしね。
野球好きの方だけでなく、普通のヒューマンドラマとして。本人も審判役でカメオ出演してます。
出演:デニス・クエイド,レイチェル・グリフィス,ブライアン・コックス,ベス・グラント,ジェイ・ヘルナンデス,アンガス・ティー・ジョーンズ,リック・ゴンザレス
監督:ジョン・リー・ハンコック 2002年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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]]>随時代末期。ワン将軍とリー将軍が激しく対立する中、崇山の麓にある少林寺は聖地として人々に尊敬と畏怖の念を持ってあがめられていました。
]]> ある日その少林寺の門前に、一人の少年が瀕死の状態で転がり込んできます。少年の名は小虎(リー・リンチェイ)。僧侶たちの献身的な看護のもと、小虎はみるみる元気を取り戻してゆきます。彼は、人々を奴隷として酷使するワン将軍によって父を殺され、命からがら逃げてきたのでした。元気になった小虎は寺男として働く一方、父の復讐のために曇宗和尚(ユエ・ハイ)に拳法の教えを願い出ますが、正式な僧にならなければ教えられないという掟がありました。意を決して修行僧として仏門に入りますが、初歩的な型ばかりの繰り返し。兄弟子たちのような高度な技を身に付けるには何年かかるかわからず、業を煮やした小虎はついに寺を飛び出してしまいます。
ジャッキー・チェンと共にカンフー映画の代表的スターとなったジェット・リーのデビュー作です。コメディタッチと甘いマスクで特に女性に人気のあるジャッキーとは異なり、シリアスな格闘技が持ち味の彼のその後の活躍の片りんを見ることのできます。
それもそのはず、中国全国武術大会で5年連続個人総合優勝という快挙を成し遂げた身体能力をひっさげての出演です。ただ本作出演時にはまだジェットと言う名前では無く、クレジットは李連杰(リー・リンチェイ)となっています。
また当時の少林寺には武術をこなせる僧はおらず、中国や香港、日本からもいわゆる近代少林寺の格闘家が呼ばれて出演しています。
相手を確実に倒すというよりは、見せる武術的な要素が盛りだくさんではありますが、スピード感や全身を使った演技は迫力満点。世界中で少林寺、あるいは少林拳のブームの火付け役となります。
全体的には香港と中国映画界初の合作ということで、あれこれそれなりのカットもありますが、物語や展開、細かい演技や脚本には目をつむって、ひたすら早送りで舞い踊るような少林拳をご堪能ください。
出演:ジェット・リー,ティン・ナン,ユエ・ハイ,ユエ・チェン・ウェイ,チー・チュアン・ホワ,フー・チェン・チァン,チャン・チェン・フー,ファン・クァン・チュアン
監督:チャン・シン・イエン 1982年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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]]>8年前にニュージャージー州の浜辺で倒れていたサマンサ・ケイン(ジーナ・デイヴィス)は、過去の記憶をすべて失っていましたが、小学校の教師をしながら優しい夫ハル(トム・アマンデス)と8歳の娘ケイトリン(イヴォンヌ・ジーマ)と共に穏やかな日々を送っていました。
]]> 8年前にニュージャージー州の浜辺で倒れていたサマンサ・ケイン(ジーナ・デイヴィス)は、過去の記憶をすべて失っていましたが、小学校の教師をしながら優しい夫ハル(トム・アマンデス)と8歳の娘ケイトリン(イヴォンヌ・ジーマ)と共に穏やかな日々を送っていました。12月のある夜、彼女は交通事故にあい、その衝撃で断片的ながらも過去の記憶が蘇ってきます。退院後、刑務所を脱獄してきた片目の男に襲われますが、無意識に反応した彼女は相手を倒しその首をへし折ってしまいます。
普段とは全く異なる人格に不安を感じながら、かつて自分の過去を調査するために雇った私立探偵のミッチ・ヘネシー(サミュエル・L・ジャクソン)と共に、失われた記憶を探す旅に出ます。
政治問題も絡んだ本作、当時最高額となる400万ドルが支払われた脚本だけあって、なかなか良くできた構成・展開・会話で、とてもB級アクション映画とは思えません。
それはもちろん、「偶然の旅行者」でアカデミー助演女優賞を取ったジーナ・デイヴィスの柄でもないアクションの演技がなかなか様になっているのと、脇役のサミュエル・L・ジャクソンの決して主演を超えないギリギリのところでの演技によるところが大きい。同じような黒人俳優のモーガン・フリーマンとかデンゼル・ワシントンじゃあ、こんな仕上がりにはならなかったでしょうね!
ただ、劇画的な突然あるいはあっけない展開は、若干興醒め。特にエンディング近くの大爆発シーンは予算を惜しんだためかおもちゃ丸出しだったりします。ハリウッド映画らしい、予定調和のエンディングにも、もうひとひねり欲しかったです。
シーナ・デイビスは、もともと下着メーカーのカタログに乗っているところをシドニー・ポラック監督に見いだされたという経歴の持ち主。「偶然の旅行者」では見ることのできなかった彼女のセクシーな肢体をもう少し拝見したかったのですが、監督のレニー・ハーリンは当時の旦那。出し惜しみしてこの辺なんでしょうなぁ。
逆に言えば、アクション大丈夫な女性にも気軽にお勧めの作品です。ナカナカ、面白いよ!
出演:ジーナ・デイヴィス,サミュエル・L・ジャクソン,パトリック・マラハイド,クレイグ・ビアーゴ,ブライアン・コックス,デヴィッド・モース
監督:レニー・ハーリン 1996年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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]]>自動車泥棒のサーシャ(スティーヴン・セガール)はある夜、相棒のニック(ジャ・ルール)と仕事に向かいますが、アジトをFBIに取り押さえられます。激しい銃撃戦の最中、サーシャはニックを庇って銃弾を受けてしまいます。
]]> 8か月後、奇跡的に一命をとりとめたサーシャは、1963年以降閉鎖され新たにハイテク装備満載で再開されたアルカトラズ刑務所に収監されます。そこでニックと再会を喜び合うサーシャ。そこでは、金塊強盗犯レスター(ブルース・ウェイツ)の死刑執行が迫っていました。レスターは数億ドル相当の金塊を強奪しましたがその隠し場所を明らかにしないまま、死刑執行を受け入れようとしていました。ある嵐の夜、謎の男ワン(モーリス・チェスナット)率いる武装集団「フォーティナイナーズ」が刑務所を襲撃し、判事や刑務所長などを人質にとってレスターに金塊のありかを教えるように迫ります。
プトットとしてはなかなかの発想なのですが、さすがにB級らしい不自然さもあります。が、もちろん本作はそういう重箱の角突き的な見方をするのではなく、ひたすらセガールの圧倒的なアクションを堪能する映画です。
今回は一連の「沈黙」シリーズの中でもスローモーションを多用したり、マトリクスを思い出すような(彷彿ではない)ちょっとスタイリッシュなアクションの作品に仕上がっています。
個人的にはナイス・バディな6番目の悪党「シックス」演じるニア・ピープルズを、囚人ともどもイチオシ。FBI捜査官役のクローディア・クリスチャンもまあまあいい感じでした。
バディっぽい友情もありーのといった、シリーズの中ではちょっと変わったキャスティングと出来上がりですが、あくまでも「セガール作品群」のひとつとして観たほうがかえって楽しめる作品かも知れません。
出演:スティーヴン・セガール,モーリス・チェスナット,ジャ・ルール,ニア・ピープルス,トニー・プラナ,クラウディア・クリスチャン
監督;ドン・マイケル・ポール 2002年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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]]>人付き合いが苦手で教師を辞めたタクシー運転手、間瀬垣勤(カンニング竹山)。会社での営業成績は最下位で、家庭では教師の真亜子(鶴田真由)や娘の瑠璃(山下リオ)から馬鹿にされ、自分の居場所を失いつつありました。
]]> 小遣いが一日500円の毎日。そんな彼が唯一安らぐ場所である小さな公園で、ある日運命の出会いが待っていました。ふてぶてしくも彼に懐いた一匹の猫、首輪には「御子神」と書いてありました。ある日、猫を使ってタクシー代をネコババすることで有名な「ねこババぁ」(室井滋)を乗せた彼は、案の定ネコババにあいます。お金を返してもらおうと、非番にねこババぁが暮らす猫屋敷を訪れた間瀬は、たくさんの猫の中に御子神さんを見つけ、自宅に連れて帰ります。
帰宅して猫を飼うことを話しますが、真亜子は大反対。しかしそれまで父との距離を置いていた娘瑠璃は、父の自己主張を初めて見ることで味方に付きます。
御子神さんを乗せてからは、猫を話題にお客との会話も生まれ、成績もぐんぐんと上がってゆきます。人生を前向きに感じ始めた矢先、事態は急変します。
というような展開の作品で、主人公演じるカンニング竹山は性格俳優的なところもあれど、なかなかの演技。ただしつなぎの不自然なカットがあるのは、監督亀井亨のクオリティの問題?
まあ着眼点はなかなか面白いのですが、途中のトピックスなども納得感がなく、ハリウッド的なありえないくらいのハッピー・エンドでもない。
展開としても「さあ、感動して下さい!お涙、ちょうだい!」的なつくりを敢えて避けたのか、淡々と始まり淡々と終わります。
ということで、あくまでも単発のTVドラマレベルの作品ですので、猫好きの方にだけお勧めしておきます。あっ、私も猫好きですが・・・(^-^;
出演:竹山隆範,鶴田真由,山下リオ,芦名星,室井滋,内藤剛志,高橋長英,甲本雅裕
監督:亀井亨 2010年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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]]>人間の姿を借りてこの世を徘徊する天使や悪魔のハーフ・ブリードを見分ける能力を持つジョン・コンスタンティン(キアヌ・リーブス)は、若き日に自分の能力に絶望して自殺を図りましたが失敗。生き返ったのちは、地上に舞い降りた悪魔の手先(ハーフ・ブリード)たちと戦うことで、天国への鍵を手に入れようとしていました。
]]> そんな彼は、末期の肺がんでありながら、タバコを吸い続けるヘビースモーカーでした。最近になってこれまで天使と悪魔の間で保たれていた均衡が狂い始め、異変が起こり始めていました。
ある日、友人の神父からの依頼を受け、悪魔に取り憑かれた少女に対していつもの悪魔払いの儀式を行いますが、これまでにはない言い知れぬ恐怖に襲われます。
そして次々と起こる不気味な出来事。ある日、そんな彼のもとに、女刑事アンジェラ・ドッドソン(レイチェル・ワイズ)が、自殺した双子の姉妹イザベルの死の真相を探るべく、協力を求めにやってきます。
冒頭でホラー・アクションと書きましたが、ホラーと言うほどの恐怖感はありません。また、ヒロインもまあまあのべっぴんさんですが、ホラー映画に付き物のお色気も皆無です。
プロットとしては、サタンの息子が聖なる剣を得て、天使界をも我が物にしようとして大暴れするという内容なのですが、その事と堕天使となった大天使ガブリエルとの区別がつかないまま物語が進んでしまいます。どっちやねん!?
特撮満載でなかなか見ごたえはありますが、あくまでもB級レベル。サタンも全く怖くないのはちょっと拍子抜け。ちまちましたホラー独特の怖さもないし、かといってアクションを楽しむほどの迫力もありません。
監督のフランシス・ローレンスはMV出身。長編となると、まあこんなもんでしょうか?
主人公が部屋でかけたレコードが、ブレイキーのモーニンなのはちょっとした洒落?マトリクス同様の期待をされた方には、まったくの肩透かし作品でした。キアヌ・リーヴスのファンの方に。
出演:キアヌ・リーヴス,レイチェル・ワイズ,シャイア・ラブーフ,ジャイモン・ハンスゥ,マックス・ベイカー,プルット・テイラー・ヴィンス
監督:フランシス・ローレンス 2005年
BOSS的には・・・★★☆☆☆
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]]>大学を卒業し、ジャーナリストを目指してニューヨークにやって来たアンディ(アン・ハサウェイ)。ファッションには全く興味のない彼女が面接を受けたのは、世界的に有名な一流ファッション誌「ランウェイ」の編集部でした。
]]> ファッションに敏感な女性なら誰もがあこがれるその仕事。そこに野暮ったい服装で訪問した彼女は、その意外性をカリスマ編集長ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)に買われ、アシスタント助手として働くことになります。しかし始まったのは地獄の日々。早朝から深夜まで、シニア・アシスタントのエミリー(エミリー・ブラント)と共にミランダの無理難題をこなす日々。
そしてある日、誰も出来ない要求に応えられなかったことでミランダから失望の言葉を浴びせられ、アンディは深く傷つきます。しかしそれもこれも自身の仕事に対する甘えだとファッション・ディレクターのナイジェル(スタンリー・トゥッチ)から指摘され、彼女の意識が一変します。
我が国でも有名なファッション誌「ヴォーグ」の女性編集長のアシスタントをしていた女性が、実体験をもとに書いたベストセラー小説を映画化した作品です。
個人的にファッション業界に興味があり、雑誌編集を通してではありますがその舞台裏を垣間見える作品でもあります。
プロットとしては女性版サクセス・ストーリー的展開です。主役のメリル・ストリープは言わずもがな。いい感じです。そんな彼女を描き出すのは脇役(?)のアン・ハサウェイ、なかなか目鼻立ちのくっきりした美女です。彼女の成長と言うのか変化も見ものです。
で、イントロで野暮ったい服装で面接に訪問するアン・ハサウェイが持っているのが、私も愛用しているシュレジンジャーでしたが、これは20年ほど前のやはりサクセス・ストーリーだった「ワーキング・ガール」のメタファーなのかな?
アンの恋人役のエイドリアン・グルニアーがちょっと引っかかってしまいまして、彼女との心のつながりの大切さとかをもっと脚色して欲しかったですなぁ。
衣装担当はパトリシア・フィールド。テレビドラマシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」の衣裳担当の彼女は、豪華で斬新な衣裳により一躍有名となり、2002年にはエミー賞も受賞してます。
人生とは夢とは仕事とは成功とは・・・アカデミー女優で、本作でもゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞したメリル・ストリープの名演にもかかわらず、その辺をちょっと盛り込みすぎたことで、答えがフォーカスされなかったのが残念な作品でした。
出演:メリル・ストリープ,アン・ハサウェイ,エミリー・ブラント,スタンリー・トゥッチ,エイドリアン・グルニアー,サイモン・ベイカー
監督 デイヴィッド・フランケル 2006年
BOSS的には・・・★★★☆☆
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