2004.10.16
SAXOPHONE COLOSSUS by Sonny Rollins (1956)
「秋はやっぱりサックスの響きですよね・・・」
「ありゃ?秋はピアノじゃなかったのかい?」
「秋になるとね、木の葉がはらはら舞い落ちるでしょ!これはピアノの調べ。」
「あいよ、そいで?」
「でもね、白いうろこ雲が赤く染まって行き、薄暮に解けてゆく、これってサックスなんですよね!」
「でさ、白樺の林を抜ける秋風は、トランペットとか何とか言う話かい?もしかして・・・」
「・・・(やばっ!ばればれ・・・)」
「要はさ、おめえJAZZが好きなんだろ?えっ?正直に言ってみろよ!」
「ワ、ワタシハジャスガスキデス・・・」
「う、宇宙人サン、こんばんわ!」(すいません、おちが見つかりませんm(__)m )
ってなわけで、早速サックスのご紹介です。って全然訳になってませんよね!でも行きます!サックスです。で、コロッサスです。(ああ無茶強引な上に支離滅裂)
このアルバムが録音された1956年はハードバップのひとつの頂点でした。ミンガスの「直立猿人」、モンクの「ブリリアント・コーナーズ」、そしてマイルスの有名なマラソンセッション。他にも話題と言えば、アート・ペッパーがシャバに復帰したり、チェット・ベイカーが歌ったり。そしてクリフォード・ブラウンが事故死したのもこの年でした。そして、そのクリフォード・ブラウンのセッションを足がかりに台頭してきたロリンズが6枚ものリーダーアルバムを残しました。そのすべてが甲乙つけがたい名作ばかりですが、なんと言ってもやはり「ロリンズ=サキコロ」ですよね。
吹くわ吹くわの「セント・トーマス」は超有名ですが、「マック・ザ・ナイフ」で有名な「モリタート」、バラードでつづる「ユー・ドント・ノウ・・・」も絶品。特に彼の作曲である「セント・トーマス」のカリプソ調は、彼の母方の生地が西インド諸島ということで、彼らしさの溢れる「元気の出る」名曲です。
超技巧派志向からすれば、彼の出すトーンはまるでテナーのモールス信号ともいえるのですが、その単調とも思えるフレーズの使い回しを宝石のように輝かせているのが、トミフラのピアノであり、ダグ・のベースであり、ローチのプッシュなんですね。ああ、1956年7月って、本当に暑かったでしょうね!テナーを打楽器のように、しかも謡わせる、そんな彼の独自の世界が堪能できます。