2005.03.02
LED ZEPPELIN / PRESENCE (1976)
いきなりの、ツェッペリン、いきなりのプレゼンスです。またまたの昔話、私が中学生のころ(ということですから今から10年ほど前!?)カウンターカルチャーとしてのブリティッシュ・ロック・イノベーションがありました。ストーンズ、パープル、ツェッペリン、またキング・クリムゾン、イエスやピンク・フロイドなどなど。ちょうどアメリカは空前のポピュラー音楽席捲状態だったころですねぇ。ビートルズとか土着の(?)ビーチボーイズとか・・・で、当時ロック少年であった私は、小分類としてはギター少年でして、当時の僕たちの神様といえば「クラプトン」「ジミー・ペイジ」「リッチー・ブラックモア」。そしてその伝道者が「渋谷陽一」さんだったりしました。彼の言い方では、「レッド・ツェッペリン」は音が下がる読み方でなくマッ平らな「ツェッペリン」、「ディープ・パープル」はこれもマッ平らな「パープル」。仲間内ではまねをしてこう呼んでいたものです。
ツェッペリンといえば、2ndアルバムに納められた「WHOLE LOTTA LOVE(胸いっぱいの愛を)」の間奏の背筋を貫くジミーのレスポールとか、「IMMIGRANT SONG(移民の歌)」、そしてロック界最高のバラードと賞される4thアルバムの「STAIRWAY TO HEAVEN(天国への階段)」などが有名どころなのですが、今回はあえてアルバム「プレゼンス」です。
独特のリズムとロバート・プラントのハイトーンなボーカル、ジミーのカタルシスの切れたギターリフが特徴で、特に先にお話した「胸いっぱいの愛を」が納められた2ndアルバムは、当時世界を興奮の坩堝に落とし込んだビートルズのアビーロードを蹴落とし当時全英チャート7週連続一位に輝いたアルバムでした。そんな彼らも、時に流れの中で変化を模索し、「天国への階段」に見られるアコースティックへのアプローチやプログレッシブな音も試み、そしてまたデビュー当時のソリッドなロックンロールに戻ったのが、この「プレゼンス」でした。
1曲目、ジョン・ボーナムのハイスピードかつヘビーな粘るスティックワークが独特の「Achilles Last Stand(アキレス最後の戦い)」から、最後のスローブルース「Tea For One」まで、イギリスでしか生まれ得ないアメリカ生まれのブルージーなロックンロールが繰り広げられます。ジミーのギターワークは、3大ギタリストの中でも最も地味な印象があり、他の2人が2割ほど残したところでちょっと遊んで大衆受けしてるようなところが、彼の場合は100%目一杯レスポールをピッキングするので、ちょっとうまへたみたいにも聞こえたりします。しかしながら、80年代のヘビメタの教祖がこのツェッペリンであり、ジミーのギターであったことは周知の事実。そして、僕の親友は当時、完全にジミー教の信徒と化し、遊びに行くと薄暗く狭い部屋で一人、真っ黒なレスポールと格闘していたものです。その当時はよく理解していなかったのですが、クラプトンとは違ったジミー独特のブルースフィーリングに、おそらく感染していたのでしょうね。
最近の若者や小学生までが、よく「切れる」という現象を目にしたり発言を聞いたりしますが、この「WHOLE LOTTA LOVE」あたりを幼稚園とか保育所とかで大音量で徹底的に教え込み、本当に「切れる」とはこういうことを言うんだと教えれば、もっと世の中が平和になるような気がするのは僕だけでしょうか?
そういえば、高校のときの彼女が、ロバート・プラントのジーンズ姿を見て、「お尻がキュート!」だと言っていたことをふと思い出してしまいました。長いことあってないけど、みんな元気でやってるのかなぁ
最後に一言。「若者よ、一度はツェッペリンに浸ってみよう!」