2005.09.28

COLUMN

「利益とはなんぞや」

CHET BAKER SINGS AND PLAYS (1955)

今日は予報どおり、終日涼しい一日でした。しかし夕方社内では暑い会議がありました。午前中はメールやら電話やら午後の打ち合わせの資料整理やら来週のアポ取りやら。午後からは、とあるプロジェクトの実質的なキックオフミーティングでお客様を訪問。スタッフ一同がんばりますので、よろしくお願いいたします。帰り道にお客様からのファイアーコールで訪問して対応、といっても特に何もしていないのですが・・・戻ってミーティング報告のつもりが、自社の根幹であるプロデュースプロセスに関する暑い会議になだれ込みました。

この件は実は長期の懸案事項。自社の品質管理基準は作っているのですが、なかなかその通りには進まない。喧々諤々2時間余り、しかし皆の思いはひとつ。建設的な意見の数々を集約して、とりあえずの方針を全員で合意。その他付帯事項は、来週の運営会議で再度意見交換して揉むことにしました。その後メールや電話での対応を済ませ、早々に退社。やはり腰がすっきりしません。昨日よりははるかによくなってはいますが。思いをひとつにがんばってくれている社員さんを残しての退社はいつも心苦しいのですが・・・

さてさて、皆さんの会社にとって「利益」とは一体なんでしょうか?私は長く製造業(建設業)にいたせいか、はたまたTQCをやったせいか、「利益」=「付加価値」という公式が刷り込まれてしまっています。あくまでも財務の結果として考えれば「利益」=「販売価格」−「仕入価格」となるわけですが、我々のような仕入れのほとんど無い業種の場合は、「利益」=「販売価格」−「製造原価」となります。この公式からすると、製造原価よりも高く販売すれば利益が大きくなるわけで、いきおい販売価格を上げるか、製造原価(特に給与など)を低く押さえようということになります。目先の価格を操作することに終始すると、リストラとか薄利多売とか、たたいて仕入れなどということだけに終始するようになり、長期の持続的成長という視野からは外れてしまうかもしれません。ところが、最初に書いた公式に従えば、「利益の最大化」=「付加価値の最大化」となります。私たちが創造(制作)するものに如何に高い付加価値を見出していただくか。そういう視点から考えると、提供するものだけではなく、提供のプロセスや、納品の時のあいさつひとつにも付加価値が存在していると思えてくるのです。じゃあ、具体的にどれが付加価値を生む行動で、具体的にどうすべきなのか、私たち全員が、それぞれの持ち場立場でどのような付加価値を創造してゆけるのか・・・「答えはどこだ!!!」ああ、経営者の悩みは延々と続き、果てることがありません。

今夜から数枚のチェット・ベイカーのアルバム。今夜は55年録音の「SINGS & PLAYS」です。チェットベイカーといえば甘いユニセックスな歌声が一時流行し、JAZZファン以外でもご存知の方も多いはず。ルックスもジェームス・ディーンばり。でも、そもそも彼はクールなウェストコーストJAZZの数少ないトランペッターのひとり。たいがいはその歌声が好きか嫌いかという議論になりがちなのですが、トランペッターとしても再評価してしかるべき人物ではないでしょうか?全曲彼のボーカルの歌ものになっていますから、甘い男性JAZZボーカルがお好きな方には、四の五のいわずにOK。JAZZトランペットが好きな方にも、再評価していただきたい、弱冠26歳のフレッシュな唄とペットのアルバムです。

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