2005.10.05
「顧客の声に耳を傾けるということ」
THE BEGINNING AND THE END by Cliford Brown (1952,1956)
今日は一日、雨でした。秋雨は不用意に濡れてゆくと、風邪を引いてしまうのでご注意を!朝一番からお客様を訪問。うちの目指すべきものが、「誠心誠意」と「信頼」のバーター取引だということを痛感しました。戻って本日納品のシステムのフォローアップ。昼食のデザートは、おだんごが3個のところ2個しかないので小豆をサービス盛りしてもらった白玉。午後は案件に関する社内会議にその他雑用。いや、この雑用というのが実はくせものです。夜には臨時の企画営業セッション。社員さんの貴重な意見の数々を、是非生かしたいものです。明日は雨も上がるようですね。
さて、2日連続でお話してきた主義・主張・意見などなど。今日は、それらを吸い上げる土壌について少し考えてゆきましょうか。ホテルなどでは昔からありましたが、最近はレストランや病院などでも「ご意見箱」なるものが設置されています。とあるレストランでは、店の従業員に見せることなく、本部に直接はがきが飛ぶという徹底したものもありました。そのように広くお客様の意見や感想を拾い上げ、生かしてゆくことはとても大切なことであり、「投書」などと忌み嫌うことなく、積極的に改善につなげてゆきたいものです。なんたって時代は、「プロダクトアウト」から「マーケットイン」なのですから。
そもそも「クレームは宝の山」などと言って、クレームを言ってくれるお客様はきちんと改善すれば長くお付き合いをしていただけるようになるそうです。二度と訪れないお客様は、何も言わずそのまま立ち去るのだとか。確かに私なんかも、指導をあきらめた部下には小言の一言も言わなくなったものでした。ただ、そこまではどこの企業やお店でも取り入れることの出来ることで、さほど難しいことではありません。大切なことはそれを受けてのアクションですね。「皆様方からの忌憚の無いご意見をお寄せください」と書いた大きなご意見箱を置いてはいるけれど、接客態度やサービスの質は、とてもそんなレベルでない、お客の意見・感想を聞く前に、最低限のサービス品質を確保すること、再度社員教育をすることが急務であるようなお店もありますよね。
もっと深掘りしてみると、本来営業などのフロントは、お客様のちょっとしたしぐさや表情の変化、発した言葉やその抑揚などから、しっかりとお客様の思いを感じ取らなければならない。それもこれも含めてサービスの質を問うとき、これが目指すべき形ではないでしょうか?一流の役者や芸人は、お客に満足してもらうために、舞台裏では日々、汗と涙と血のにじむ努力をし、舞台に立てば満面の笑顔で堂々と拍手に答え、アンケートなどを求めたりはしません。我々も、安易に意見がないから投書がないからよしとするのではなく、本来あるべき、いと高きサービスの品質を日々追求し続けるべきなのでしょうね。
今夜からBGMはクリフォード・ブラウン、「ブラウニー」です。クリフォードブラウンといえば、ハードバップの代名詞のような、あるときは神の様に語られるトランペッター。しかしその活動期間は4年余りと短いものでした。今夜のこのアルバムは彼の初めてのクリス・パウエルのグループでの録音を2曲と、リッチー・パウエルとフィラデルフィアの地元ミュージシャンで録音された3曲。実はこの後半の録音の直後、リッチーらと高速道を移動中、自動車事故でこの世を去ってしまいます。22歳でデビュー、25歳で死去。しかし彼が4年間に残した足跡、ブライトでハイトーン、アップテンポのマシンガンサウンドは、コンボを組んだマックス・ローチとともに、当時不況だった東海岸の黒人JAZZにまぶしいばかりの光明を与えるものでした。このアルバムを聞けば、時代がビ・バップからハード・バップに移り行くさまを目の当たりにするとともに、彼のラッパ人生の始終がわかり、またその本質が変わることのない、あるいはデビューにしてすでに完成されていた彼のブラウニー・トーンそのものであったことがわかります。3枚目あたりのブラウニー・ライブラリに。