2005.10.19
「3足のわらじ」
REVERATION by Cyrus Chestnut (1993)
今日は朝から、納品。PC4組にネットワーク・ストレージ(簡易サーバ)、ページ・プリンタ設置設定。階をまたいだ配線工事に、既存のネットワークへの組み込みとサーバー調整、セキュリティ対応。もちろん私も袖をまくり上げて作業に参加しました。(山下君、ご苦労であった!)無事予定通り終了して帰社。見積もりを数件作成し、お客様に送付、その他いろいろと調整業務。夜はWebデザイナー講座の講師でした。さて今朝のスポーツニュースを騒がせていたのはヤクルト・スワローズの古田選手の監督就任のニュース。それ自体は、先日来その可能性について報道されていましたが、蓋を開けてみるとなんと「プレイング・マネージャー」つまり、選手兼監督。しかも、「優勝よりも大切なファンサービス」と、自らプロジェクトチームを立ち上げて営業まで行おうという2足ならず「3足のわらじ」なのです。
「選手兼監督」というのは、最近楽天イーグルスの新監督候補で話題の野村克也さん以来29年ぶりだそうです。大リーグでも、かつては選手兼監督でリーグ優勝という記録もあるそうですが、最近は野球も分業制といいますか、専門性といいますか、監督はベンチからフィールドとスコアボードを俯瞰し、コーチ群と協議調整しながら、選手という駒を動かして試合を進めるやり方が一般的です。そんな近代野球の時代に、弱冠40歳、兼業農家のような古田さんがどこまでやれるのか。昨シーズンは選手会長として、強いリーダーシップも発揮しましたが、若松監督退陣を受けての来シーズンに、敵ながら期待したいと思います。
ところで、今日の私の一日を振り返ってみますと、現場での設置設定作業をしたので「選手」、客先で案件の打合せをしたり見積もりを作成したりで「営業」、そして社内調整では経営者の立場からの発言や意見で「社長(=監督)」とみごと「3足のわらじ」。(みごとにこなしたかどうかは別にして・・・)そうなんです、中小企業、特にわれわれのような零細企業では、社長は「選手兼営業兼監督」ついでに私など「庶務二(ショムニ)」でもあるわけです。便所掃除とか水遣りとか・・・規模が大きくなれば、もちろん専業制にしないと業務量や判断基準のレベル差(瑣末と高度な経営判断)などから到底無理でしょうが、日本のほとんどの社長さんは「中小企業」=「2足いや3足のわらじ」ですよね!同じ「プレイング・マネージャー」でも、平日の昼間にカントリークラブでプレイできるうらやましい方は別にして、皆さん立派な「プレイング・マネージャー」なんですよね!
それぞれの会社、社業の中で、TPOを考え、社長らしく振舞ったかと思えば、現場でばりばり働く。だから、お客様の声も近いし、いろんなものがよく見える。もちろん、いいことばかりではありません。大局的な見方が難しい、現場よりの考えをしてしまう、どうしても論理よりも情に流される、社長の失敗は会社の失敗などなど。そんな難しい環境の中で、私だけでなく中小企業の社長さんは「生涯ワンシーズン」を日々がんばっています。古田新監督も、ノムさんなど先輩の意見ももちろん大事ですが、優秀な中小企業の社長さんの苦労話など聞かれたら、結構参考になるのではないでしょうか?もちろん、マネーゲームに終始する社長さんではなく、汗水たらしながら社員さんと一緒になって一喜一憂している社長さんとです。ああ、私ですか?いつでも予定は空いていますよ!もちろん、ノーギャラで!
というわけで、全国の社長さん、来シーズンはごひいきの球団の応援はもちろんですが、私たちと同じ苦労をされるであろう古田新監督を、しっかり応援してみませんか?わたしも「敵に塩を送りましょう!」(笑)
さて今夜のBGMは、ぐっと新しくなって、1993年のサイラス・チェスナットのアルバム。ピアノとベースと太鼓、いわゆるピアノトリオ物です。たまたま買ったスイング・ジャーナルの推薦版だったのですが、これがなんとすごくいい。オーソドクスな4ビートなのですが、スウィングしながらころころと軽快に転がるようなサイラスのピアノは、女々しい軽音楽ではなくしっかりと「JAZZ」です。1曲目の「BLUES FOR NITA」はブルージーだけど、テイタムかフィニアスを彷彿させるような清涼感のある逸品。でも全体には、ウィントン・ケリーあたりがこの世代なら、こんな風に弾くのではというような、メロディをしっかり聞かせながらも、打楽器に近い感じ。しかも、このアルバム、エンジニアがいいのか、音がすごくよいのです。近年の打ち込み系ではない、ライブに近い自然なフィーリングも好感が持てます。同時代では大西順子がいますが、彼女よりはブロックコードが少なく、思考・工夫よりフィーリングといった感じ。硬派のピアノトリオ好きの方に、ちょっと安息を!