2005.10.28

Books

「私たち日本人の本質を求めて」

Charlie Parker Story On Dial Vol.1 (1946-47)

週末です。今日も昨日に引き続き自社企画をいろいろ。今日は昨日と違って、一歩下がって全体を見渡し、担当者にあれこれお願いしました。正直、日程優先でかなり企画不足ですねぇ。まあ、プレ・オープンの期間に、しっかりと方向性を出しましょう。お昼には私用外出。夜はWebデザイナー講習。こちらは第一フェーズの画像処理が今日で終わり。しばらく生徒の皆さんとはご無沙汰になります。

昨日はSEALsの本のお話をしましたが、その後読破したのは、「失敗の本質 日本軍の組織論研究」という本です。太平洋戦争中の数々の作戦行動の中で、特に敗北を喫し、またその敗北が日本の敗戦へと大きく方向転換を強いた6つの戦いと、そこから読み取れる日本軍の組織としての失敗とその原因、そして学ぶべき組織論への展開というものです。6つの戦いとは、

1.ノモンハン事件
2.ミッドウェー作戦
3.ガダルカナル作戦
4.インパール作戦
5.レイテ海戦
6.沖縄戦

私にとっては、いずれ劣らぬ悲しく、苦々しく、触れたくないものばかり。

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私は日本人ですし、子供の頃は三度の飯よりプラモ好き、それも兵器の機能美に憧れ、毎月「丸」を読み、毎週「決断」をかじりつきで見たものでした。第2次世界大戦の敗戦国は、日本・ドイツ・イタリアでしたが、日本の艦艇とドイツの戦車、両国の戦闘機は戦勝国のそれらと比べて、特に美しいと思っていました。そして話を太平洋戦争に限って言えば、ミッドウェーの戦いは、何度触れても悔しくて悔しくて、最後には触れないようにと、ソロモン海戦のような軽ーい勝利に眼を向けてきました。レイテ海戦は、帝国陸海軍にとっての最後のチャンスでしたが、もはや奇跡でも起こらない限り、形成逆転は不可能なほど悪化。捷号作戦自体がすでに捨て身の作戦であり、航空機特攻や人間魚雷など、いまでいう自爆テロに近い、悲惨なものになってしまいます。

以前にもこの話題について触れましたが、私は長い間、この歴史上の事実を個人的に固く封印してきました。時代は変わったのだから・・・と。そして最近になって、ようやくその呪縛から自らを解きはなつことが出来るようになり、勇気を出してその問題に触れ、そこから学ぼうというポジティブな発想が出来るようになりました。

最近、とある方々といろんなことを議論しているとき、単一民族である日本は、アメリカ型の経営理論や、輸入された組織論ではない、独自の方法論・最適解があるのではないかと思いはじめ、それを探るには、過去の日本の歴史が示す戦略・戦術、あるいは組織論を一度紐解いてみようと思ったのです。もちろん某国営放送の大河ドラマの影響もありますねぇ。しかし、同一民族同士が戦う戦国時代では、環境変数にも捕らえ方にもローカル・ルールが多すぎるような気がして、やはり異なる民族、異なる価値観との戦いにおける独自の方法論とその長所短所を目の当たりにしなければならないと思いました。それでついに数十年の封印を解くことにしたのです。私たちにふさわしい戦略論・組織論を通して、日本人というものの本質に迫れますかどうか?続きは来週のお楽しみです。

BGMも今夜から、バード、チャーリー・パーカーになります。私のような薄学者がパーカーを語るのは、丁度今の私が、ヒマラヤ登頂について語るようなもので、とても険しくて手に負えるしろものではありません。ただ、JAZZという音楽として、いや、純粋に音楽として捕らえたとき、経典とか指南書、超えねばならないものなどと思わず、自然に「いいよね!」って思えるものであるのです。そんなに難しいものではありませんし、「コットン・クラブ」を見ていなくても、彼のフォーマットの楽しさ、面白さはプレーンなハートで十分楽しめます。今日は、46年から47年にかけて、彼がガレスピーを避けるように西海岸で録音した19曲を収めた「オン・ダイアルVol.1」。トランペットにはなんとマイルスが一部参加しています。1曲目の「ディギン・ディズ」から、バードはのりのり。また、8曲目の「ラヴァー・マン」では、艶のあるバラードを聞かせてくれます。全曲モノラル、しかもスクラッチはするは、もやのかかったような粒立ちの悪い音の中から、戦後間もないこの時代に、新しい生命が生まれようとする、その息吹をしっかりと感じることが出来ます。モダン・ジャズの源流がここにあります。

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