2005.10.31

Books

「あいまいな戦略目標」

Charlie Parker Story On Dial Vol.2 (1947)

月曜日、新しい一週間が始まりました。で、今日で10月が終わり、明日から11月になりますね。もう今年も暦日60日、業務は40日程度ですか・・・がんばりましょう!明日、明後日はベンチャー企業が集まるフェアー、会場はサンメッセ香川。当社も出展します。営業さん、よろしくお願いします。今日は事務処理に企画検討など、終日のほとんどをデスクワークに費やしました。朝からのどの調子が悪くて、総合感冒薬を飲んで一日過ごしました。夕方は、大事をとって早めに退社しました。

今日は小泉新内閣が組閣されましたね。さらっと拝見したところ、なかなか実力のありそうな布陣です。1年足らずの任期ですが、今後の行政運営に期待したいと思います。

先週末に「失敗の本質」に関するお話を少しさせていただきました。今日はその続き、要点となっている事柄について、ひとつひとつ取り上げ、深彫りしてみます。本書で「戦略上の失敗要因」としてあげられている事柄からあげてみますと、

1.あいまいな戦略目的
2.短期決戦の戦略思考
3.主観的で帰納的な戦略策定 空気の支配
4.狭くて進化のない戦略オプション
5.アンバランスな戦闘技術体系

この中で今日はまず、「あいまいな戦略目的」について考えてみます。

ノモンハン事件では、大本営と関東軍との間で共通の戦略もしくは方針が明確になっていませんでしたし、ミッドウェーやレイテ海戦では、2重の戦略目的が中途半端に肯定され、最終的に現場は現場の本懐を遂げることを自己目的にしてしまいます。同じことが、インパールでも沖縄戦でも繰り返されます。

これを企業の経営戦略に置き換えると、「低価格により、一層のマーケットシェアを確保するとともに、個別にはそれぞれ十分な利益を確保し、量より質を目指す。」というようなことになります。「こんな馬鹿げた計画は立てんよ!」百戦錬磨の社長さん方は、きっとそうお思いでしょう。でも、現場のこんな声を耳にしたことはありませんか?

「あれもこれもって、欲張ったって、二兎を追うものは・・・ってことわざもあるのに・・・」
「うちにはこうやれと言っておきながら、よその部署には正反対のことを求めてるらしい・・・」

世の中には、沢山のトレードオフが存在します。「あれもこれも戦略」というのも成功の可能性がなくはないのですが、資源に乏しい中小企業では、えてしてどれも中途半端に終わり、水面から顔を覗かせることなく沈没してしまいます。特に市場という名のバトルフィールドで行われる企業間の戦闘である場合は、一点集中かつ短期決戦が戦いの基本です。奇襲作戦は必ずしも必要ありません。

もちろん、短期決戦だけを目的にした経営戦略では、成長や継続的発展のためには不利です。長短バランスの取れた戦略の立案が必要ですが、それぞれが矛盾することなく、また演繹的にも帰納的にも脈絡が通っており、それらの戦略の実現により、ビジョン・ミッションがかなうような、そんな戦略を立て、社員全員のベクトルをあわせて確実に歩むことが必要なんですよねぇ。うーん、うちもまだまだです・・・

今夜は「On Dial」のVol.2、前回のウェストコースト編に続き、ニューヨーク編です。西海岸での録音を終えたバードはニューヨークに舞い戻ります。そこでロス・ラッセルとの約束を果たすべく行われた3回のセッションのうちの18曲が納められたのがこのアルバム。時を経たことで、メンバーとの息が合ってきたことがまずはっきりと聞きとれ、また前回から参加した若きマイルスの成長ぶりがよくわかるアルバムです。お勧めは6曲目デューク・ジョーダンのセンシティブなイントロから始まる「EMBRACEABLE YOU」。もちろん全曲、バードの即興演奏の素晴らしさを体感できます。当時、すでに破滅的な人生の真っ只中にあったバードは、この後ますます精神的にも肉体的にも極限を超え、ますます破滅的人生へと突き進んでゆくことになります。

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