2005.12.22
「今一度、心・技・体」
THE TRIO Vol.1 by Hampton Hawes (1955)
なんと週末です。(怒)まあ、いいでしょう。要するに、休日が多いので普通の人は休みをとって「あーやれやれ!」って過してる。そういう日が一年でいっぱい増えた。それが普通になると、もはやありがたみもなく、あくまで普通の生活になります。で、私のように才能も能力もないものは、ここぞとばかりがんばって勉強したり仕事したりする。そうすると、ひょっとしたら普通の人に追いつけるかもしれない。キリギリスに勝てるかもしれない。ゆとりある暮らしのためでなく、「勝ち組VS負け組み」のための施策だったのですね、小泉さん! そういう風に考えると、休みが多いことも許せる気がします。だから、許します。今日はとっても素直です。
それにしても寒い一日でした。日本列島中大変な状態で、500人以上の方が怪我をしたり、何十万世帯が停電したそうです。うちなど停電でもしようものなら、仕事まったくお手上げになります。電気はついて当たり前、蛇口をひねったら水が出て当たり前。やっぱりちょっと危機感、足りませんかねぇ・・・人間というのは、一度楽なものを手に入れたり、居心地のいい環境に入ってしまうと、もう後戻りできなくなるんですよねぇ。ちょっと違うかもしれないけど、コタツからなかなか出られないとか・・・(笑)
さて、かつての旧日本軍や海兵隊の例を持ち出すまでもなく、強靭な精神力やちょっとのことではへこたれない根性やこつこつと飽きることなく成功まで続ける持続力、それにここぞという時の集中力などは、やはり肉体の極限状態を通してでないとつくものではないと思うし、また一度ついたからと言って、鍛錬をやめるとまるで筋肉のように、あっという間にもとのへなへなに戻ってしまうというのが私の持論です。
筋トレをやる。10回、20回。苦しい、何やってるんだろう? 2セット終わった・・・もうやめようか? いや、もう1セット、がんばってみよう。馬鹿げてる・・・こんなことしてるより、ビールでも飲みながらバラエティ見てるほうが楽。その通りですよね。でも、結果的に残るものは何でしょう? ご褒美に、引き締まった体を手に入れることだけではなく、たくましい精神力の土壌が育まれている、はず。精神力の弱い人ほど、めげそうな自分の心を保つために、周りを怒鳴り散らしたりののしったり・・・最近だと「パワー・ハラスメント」で訴えられたりしますよ。「心・技・体」。「スモウ」だけでなく、「シゴト」という土俵で戦う戦士には、新しいコミュニケーションの時代だからこそ、この強靭な精神力って必須ではないでしょうか?
今夜はハンプトン・ホーズの「THE TRIO Vol.1」。1928年生まれの彼は、51年に初リーダーアルバムを録音。でもそのあと53年、54年と兵役につき、なんと日本に駐留。夜な夜なキャンプを抜け出しては横浜や東京のJAZZクラブでジャムっていたらしい。祖国に戻って55年に録音されたのがこのアルバム。基本的にはパウエル派(普通なら何でもパウエル派とも言えるけど・・・)ですが、なかなかのテクニックとドライブの効いたスイング感で、聴き応えのある演奏を繰り広げます。ちょうど私が、ピアノトリオに凝っていた頃に買ったアルバムで、アメリカよりも日本での人気が高かったのは、ソニー・クラークと似た、わかりやすさからかもしれません。レコ評などでは決まって、ブルース・フィーリング溢れる・・・などと書いてありますが、タイトな左手が生むしっかりとしたリズム感と正確なメロディは、むしろクラシック的に聞こえます。ピアノが好き、あるいはオーソドクスなピアノトリオがお好きな方には是非の一枚です。