2006.04.03

COLUMN

「4月になれば・・・」

DARK BEAUTY by Kenny Drew (1974)

暖かな一日でした。なんだかボサノバが似合う季節になってきました。「ええ? まだ春になったばかりなのに? 」いえいえ、短い夏が過ぎ、秋になってしまう前に、今からしっかりとボサノバってみましょう。で、今日から実質新年度の方も多かったはず。うちも月曜恒例の社内清掃・朝礼・運営会議のあと、2名の新卒社員の入社式・オリエンテーション。といっても、大ホールでというわけでもなく、またお二人には足慣らしとして2週間ほどアルバイトをしてもらっていましたので、今日は手続き関連と就業規則や賃金規則などの説明だけでした。

昨年に引き続き、今年も若い新卒者が入ってきました。もうすでに納品物も出来るほど、上達してきています。以前同友会の講演でお話をお聞きしましたが、社員の動機付けの一番は、部下を持たせることだそうです。部下と言っても、うちは成果主義人事の下克上。うかうかしてるとすぐに追い抜かれます。全員、日々学習、日々進歩が必須ですね。

「4月になれば、何かが変わる・・・」と歌っていたのは、太田裕美のアルバム「心が風邪をひいた日」の「七つの願い事」。ちょうど大学に進むため故郷を離れ、都に上京した頃よく聞いていました。皆さんは、4月になって何かが変わったでしょうか? そういえば、S&Gの「Sound Of Silence」にも「April Come She Will」という素敵な曲がありました。

でも、意図しない変化や受け入れるだけの変化というものは、たいがい歓迎すべきものではありません。やはり、自ら変化を望み、変わってゆく。目的を見据えて、まわりを変えてゆく。進化という名の変化に身を投じる。「夢」も「願い」もかなうものではなく、かなえるものですからねぇ。「ワイルドに行きましょう!」(???)

今日のBGMは、ドリューの2枚目、74年にコペンハーゲンで録音された「DARK BEAUTY」です。50年代の終わりごろから60年代にかけて、大量のJAZZメンたちがアメリカからヨーロッパへと流出しました。JAZZ音楽の不況による経済的理由と、一向に明るい兆しの見えない人種差別が原因でしたが、ドリューもその一人でした。デンマークのスティープルチェイス・レーベルで録音されたこのアルバムは、ヨーロッパに渡ってのんきなお父さんになってしまったかと思いきや、相変わらずのスティディなピアノを聞かせてくれる名演です。なかなかのテクニシャンであるベースのペデルセンとの息もぴったり。ただ、太鼓のアルバート・ヒースがちょっとうるさすぎ。まあ、時代が時代だけに、ロック太鼓の洗礼を受けているとはいえ、ドリューの持ち味であるスイング感を結構ぶち壊してくれてます。逆に言えば、JAZZのブラッシュワークがお好きではない、ロック出身の方にはなかなか面白いかもしれません。そんなヒースも、バラードでは一転、おとなしい演奏を聞かせてくれ、全体的には結構メリハリの利いたアルバムに仕上がっています。70年代のドリューを聞くというよりは、「70年代のピアノトリオ」をしっかり聴ける、そんな一枚です。

dark_beauty.jpg

ここで視聴できますよ!

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