2006.04.11

COLUMN

「知恵を絞れ!」

Bye Bye Blackbird by Keith Jarrett (1991)

火曜日になりました。午前中ちょっとした戦術レベルのブリーフィング。結論も大事ですが、何よりも意思疎通や戦略フォーカスが大事です。その後はひたすらデスクワーク。夕方からは、ポータルサイトに関する臨時ミーティング。地道な販促などの甲斐もあって、右肩上がりでページビューも伸びてきました。広告依頼のお話もあるようで、より一層「粋のいい」情報をお届けしなければ。コンテンツに関するミーティングも今週やりましょう。その後、お取引様を交えてのミーティングにファイアコール対応。気がつくと、もう8時。あわてて身支度をして、同友会役員会に出かけました。遅れまして、申し訳ありませんでした。「あわただしさの中でも、ちゃんと自分らしくいろよ!」というような春の嵐の雷鳴に鼓舞され、背中を押されながら、なんとか今日も一日が終わりました。

さて、インターネットというのは、本当にさまざまな情報が溢れています。その真偽は別にして、必要な情報は大概見つかるものです。本当にネットがなければ、どれほど困ることでしょう。21世紀は「情報の時代」などといわれ、情報そのものが価値を持ち、かつての「土地資本主義」から「情報資本主義」などと言う人までいます。確かに一部の情報は貨幣価値を持ち、資産価値を持つに至ってはいるのですが、これとて今に始まったわけではありません。現代とは、情報が簡単に、しかもローコストで手に入る時代になっただけなのではないでしょうか?

例えば新聞を考えて見ます。新聞というのは有料です。かつて新聞のネット版を有料で提供しようとして失敗した新聞社がありました。それはますます、有料紙媒体の危機感を募らせたものです。しかし今はどうでしょうか?ネットでニュースを配信していない新聞社はないし、それが原因で購読者が激減したという話も聞きません。新聞社の方に直接お話をお伺いしたわけではないのですが、ネット上のニュースはあくまでも「情報」でしかなく。新聞という媒体は、その新聞社の「知恵」の総体という風に割り切っておられるのではないでしょうか?つまりは、「情報」をいかに「知恵」によって「知識」に変えるか。これも言い古された話ではあるのですが、確かにそう思うのです。さて、自社のポータルもただの「情報」の集積ではなく、どこまでオリジナルな「知識」に昇華できるか。これからが正念場です。「知恵を出せ!」

今夜のBGMはキースの3枚目、「Bye Bye Blackbird」です。「By By Blackbird」はご存知の方も多いスタンダード・ナンバーなのですが、実はこの「Blackbird」とは、マイルスのこと。そしてこのアルバムは、1991年9月28日に突然この世を去った「帝王マイルス」に捧げられたトリビュート・アルバムなのです。キースは自分が参加していた時代のマイルス・バンドを振り返って、「わかっていたのはマイルスと僕だけ、あとのメンバーは何一つ理解していなかった」などと暴露していましたが、他のメンバーの反論は別にして、70年代初頭のバンドは、マイルスとキースの二人で突き進んでいたことは間違いありません。マイルスの長いキャリアの中で、たった一人のメンバーにこれほどまでに依存したことはありませんでした。二人の間にどのような関係が築かれていたのかは知る由もありませんが、そんな彼が亡きマイルスにトリビュートしたのがこのアルバムなのです。5曲目には帝王と呼ばれたマイルスの背中を映し出したような哀愁漂う「For Miles」、ラストには1曲目のタイトル曲に対して「Blackbird,Bye Bye」といういかにもJAZZメンらしく明るく送る曲で締めくくられます。しかし、いつもにもまして唸ってますよ、キース。「Ahaaa」「Uhuuu」って。うるさいといえばうるさいのですが、まあ、ここは彼の気持ち(?)も察してあげて、正座して聞くことにしましょう。Dieter Rehmによる(なんて読むの、これ?)アルバムデザインがとても印象的な(後姿はもちろんマイルスです)、数多いマイルス・トリビュートの一枚でした。(どうもマイルスがらみになると長くなってしまうなぁ・・・)

byebyeblackbird.jpg

ここで視聴できますよ!

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