2006.04.28

COLUMN

「謎の彗星、大接近」

Walkin' (1954)

トホホ社長、今日はいずこに・・・えーっと、今日は久しぶりに機器設置導入。(どこがひさしぶりやねん!って、正直もう飽きました・・・パソコンキライ・・・)今日は早く終われると思ったのに、既存の98端末が調子悪いということで、いろいろやってるとネットワーク自体がおかしくなってしまって、はらはらドキドキ。この性悪端末、IEを立ち上げるとすかさず異常終了、キャンセルすると自動的にIEが立ち上がりまた異常終了。こんなことを繰り返し、タスクバーには「異常終了」が山と詰まれます。「そろそろリプレイスしませんか?」ということで帰社。(なんと無責任な・・・)だって、8年前のOSですよ、これって・・・8年前って言えば、私がまだ学生の頃。(嘘つけ!)ってなわけで、4月も最後、明日から連休の週末は鮮やかに暮れてゆきました。(・・・・どこがっ!)

連休と言えば海外旅行。とはいえ、トホホ社長は国内旅行の予定もないので、今日は宇宙の話でも・・・(って、強引だなぁ)謎の彗星として天文ファンに知られる「シュワスマン・ワハマン第3すい星」とやらが、連休頃に地球に接近してきて、3等星くらいになるそうです。この彗星、1930年に2人のドイツ人によって発見されましたが、79年に再発見されるまで誰も見つけられなかったため、“謎の彗星”といわれているようです。連休の午後8時頃には東北東、午前3時頃には西の空に見えるそうです。3等星だと尾っぽまで肉眼で見るのは難しいかもしれませんが、カメラを三脚固定して、標準レンズの30秒露出くらいならしっかり写るかも。最近高性能のデジカメを購入され、いろいろ被写体を探しておられる方は、一度チャレンジしてみてはどうでしょうか?ちなみに3年前に接近したブラッドフィールド彗星の写真はこちらにありますよ。

さて「マイルスよもやま話」の第6話は、いよいよジャンキー生活に終わりを告げたマイルスの快進撃第一弾、ここからは「真の帝王物語」になります。一発目の今夜は「Walkin'」。54年4月録音ですから、昨日のBN1502録音の1ヵ月後に当たります。JJ・ジョンソンのトロンボーンにラッキー・トンプソンのテナー参加が2曲、他にデイブ・シルドクラウトという謎のアルト参加が2曲、もう一曲はマイルスのワンホーンです。

1曲目のタイトル曲「Walkin'」。中山氏によればマイルス版「ロッキーのテーマ」説で、ケニー・クラーク単調説。そうかいな? 私は当時のマイルスの単なる試みのひとつに思えるのですが・・・(というか、マイルス様は生涯、この試みを続けたわけですが・・・)ここでのトンプソンのテナー、なんだかすごく俗っぽい。まるで港町演歌みたいです。そしてエコーかけかけのマイルスのオープン。なんか仕掛けがあるような気がするのです。この3人の対比を表現するために、あえてクラークには単調にしか叩かせなかったのでは? マイルスの演出ではないかと思えるのです。3管によるハーモニー部分は、確かにファンファーレみたいに聞こえなくもないですが・・・

同メンバーの2曲目「Blue 'n' Boogie」ではアップテンポでマイルス吹きまくります。で、クラークも叩きまくりです。シンバル連打です。でも、やっぱトンプソン、艶っぽすぎです。一方、この2曲に先立って録音された3〜5曲目の3曲。まずは「Solar」。ミュートで知的にまとめるマイルスに、キャノンボールそっくりな音の謎のアルトマン「シルドクラウト」。そして皆さんご存知の「You Don't Know What Love Is」。ワンホーンのこの曲、まだまだ洗練されてはいませんが、これって「Round About・・・」の予兆ですぞー。でしょ?マイルス君。どうも我が愛しのマイルス様、このあたりにとりあえず居場所を見つけたような気がします。ラストの「Love Me Or Leave Me」では、クラークの軽快なブラッシュワークに乗って、マイルス様もしゅっぽっぽって感じ。シルドクラウトとの相性は、明らかにトンプソンよりはいいのですが、ちょっとクールっぽ過ぎるような気もします。それゆえ二人ともこれっきりになったのでしょうか、それともマイルス様の言いつけが守れなかったのでしょうか。相方サックスはこの後ロリンズ君、そしてコルトレーンへと移ってゆきます。で、リズム隊ではなんと言っても絶品シルバーのピアノです。適度にブルースで適度にファンキー。こちらは訳あってガーランドへと引き継がれることになるのですが・・・

このアルバム、ハードバップの代表作とも言われていますが、当のマイルス様、そんなこと知っちゃいない。なぜってマイルス様は帝王様。世俗のことなど興味があるわけありません。「帝王たるもの、我が道を行く」です。B型です。(って本当か?)マイルスの歴史から見れば、長い帝王様の音楽史の中の試行錯誤の繰り返しの中での一つの答えでしかないのです。「立ち止まることなく、振り返ることなく、進化し続けること。」これが帝王様の生き様なのです。ハードバップ・ファンは、それはそれでどうぞ。マイルス・ファンは必聴です。いよいよマイルス、世界の中心に・・・

walkin.jpg

ここで視聴できますよ!

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