2006.05.25
「月は流れて 東へ西へ」
LEGRAND JAZZ (1958)
今日も一日東奔西走。でもケッコウ元気です。その理由(わけ)は・・・
1.いよいよ還暦を迎えた。
2.宝くじが当たった。
3.カープがオリックスを降した。
はい、全て外れです。
実は昼間、お得意先でありまた日頃から大変お世話になっている方、以前にもこのブログに登場した事のある方なのですが、仕事でお電話した時、またまた今日も暖かいお言葉をいただいたのです。ええ、今日は夏日のように暑いくらいの一日でしたが、それでも心地よく感じる暖かさのこもったお言葉、「お体気をつけて・・・云々」。もう、感激して感動して返答もしどろもどろ、目頭が熱くなるわ、「江頭」が目に浮かぶわ・・・ああ、失礼しました。んーなんていいますか、まるでうちの母の言葉を聞くようで・・・いえ、年齢的には決してありえないシチュエーションなのですが・・・母親の言葉って、本当に心にしみるものです。そんな、暖かくて懐かしい言葉で元気を取り戻し、月が流れるように自らを叱咤激励し東へ西へと走り回る、相変わらずトホホな社長でありました。
皆さん、昨日の某国営放送の(NHKだろー!!)「その時なんとか」(「その時歴史は動いた」だろー!!)を見られましたか? 昨日は「聖武天皇と行基」でしたねぇ。律令制を敷いて、民を掟で統治しようと試みた聖武天皇が全くうまく行かず、一方で仏教を説き貧しい人々の心のなかに降りていった行基は、今で言うボランティアでため池を作り橋をかけ金色の仏像を建立している。その様を見た時の天皇は、普通なら投獄したりする為政者が多い中で、行基を友、いや師とし、民とともに一緒になって東大寺の大仏建立を成し遂げるというお話です。
「社長の熱い思い」は大切なものです。またそれを明文化した「経営理念」もこれからの経営には必須のものでしょう。そしてルールも規定もセクハラ・ガイドラインも必要です。(うちの会社にも「セクハラ規定」があります。)でも大切なことは、これらが聖武天皇の行おうとした「律令」のごとく、権力や組織なかの重力で下に向かって押し流して行くようなものでは、決して定着もしないし、すべての民、すべての社員が自ら進んでそのために何かをしようということにはならないという事実でしょう。
「飴と鞭」と言う言葉があります。最近、外交問題などでよく使われています。しかしこれは、権力者がその権力を使うことが前提になっています。ルールや規則は大切です、なくてはならないものです。それらがあいまいなまま、ことの良し悪しの判断を下すことは独裁や権力の乱用につながる、とても危険なことです。ルールはなぜ必要なのか、誰を守るためにあるのか。そして社員は何を、社長は何を目指し、お互いが何に対して努力しなければいけないのか。1300年前の聖武天皇のように、全ての人々と語り合い理解し合い、思いを一つにして事を進めたいものです。とても難しいことですが・・・
さてさて今夜はマイルス19夜、「Legrand Jazz」です。ミシェル・ルグランといえば、知る人ぞ知る「シェルブールの雨傘」、フランス映画音楽の巨匠ですね。で、当時26歳だった彼が新婚旅行でニューヨークを訪れ、当地の蒼蒼たるジャズ・ミュージシャンを招聘して録音されたのがこのアルバム。ビル・エバンス、コルトレーン、ベン・ウェブスター、ハンク・ジョーンズ、ドナルド・バード、ポール・チェンバーズ、アート・ファーマー、フィル・ウッズ、ハービー・マン・・・もちろん主賓は帝王マイルス。ジャケットを見ても、浮かれついでに指揮をとるルグランの後ろで、怖い顔の我がマイルス様が一服中です。
で、我がマイルスさまが参加しているのは、全14曲中の4曲。1曲目の「The Jitterbug Waltz」、6曲目の「Django」、7曲目「Wild Man Blues」、そして9曲目の「Round About Midnight」なのですが・・・
正直私には理解できません。というか理解の域を超えていると言うのでしょうか? マイルスのミュートの後ろでいきなりハープが「はらほろひれ・・・」・・・んー難解、というか理解不能。はっきり言います。このアルバム、買ってからほとんど聴いていません。「シェルブール・・・」は好きですが、映画音楽ならポール・モーリアでいいです。パーシー・フェイスの「夏の日の恋」はいつ聞いても涙が止まりません。でも、このアルバムをいくらその気にさせて聞いても、やはり何も残らない。ナカヤマ氏はそれなりに褒め称えておりますが、私は自らの主観に基づいて断言します。このアルバム不要です。マイルスも自伝で触れているのはたった2行。「ゲストで参加した」とだけです。きっと何の刺激にもならなかったでしょう。もうこの頃のマイルスが違うところを目指しているのは、ちょっと後で出てくる「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」のライブを聴けば一目瞭然。いや、フランス音楽がお好きな方は是非是非、買ってみてください、聞いてみてください。シャンソン・チューンの「Round About」が聴けるのはここだけですから・・・